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新緑選書〜5月のAoyama Book Colors〜

Aoyama Book Colors、それは青山ブックコミュニティーによる色々選書。本屋さんで出会い大切に読んできた本を、毎月メンバーのコメントと共に紹介します。

5月はそよ風に揺れる葉っぱのような装丁を集めてみました。それでは、新緑選書のはじまりです。



1、大河原健太郎『かぐやひめ』(POO POO BOOKS)

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ポップで楽しいかぐや姫の絵本。色遣いが独特で、慣れ親しんだ物語もいつもと違って見えてくる。ちょっとしたプレゼントにも良さそう。

発行日が3月3日(ひなまつり)というのもポイント。ももたろう・うらしまたろうなどのシリーズも。

選書:松下大樹


2、ウィリアム・ギブソン『奇跡の人』(劇書房)

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言わずと知れた、ヘレンケラーとサリヴァン先生。

その運命的な出会いと闘いの物語。戯曲本です。

選書:吉森雄作


3、柳家小三治『落語家論』(ちくま文庫)

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小三治さんが若い噺家に向けて書いた連載を文庫化。

自身が師匠に学んだことや大切にしていること、その他旅やお酒の話等々、噺家口調で綴られています。

選書:横山えりな


4、梨木香歩『裏庭』(新潮文庫)

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『西の魔女が死んだ』が有名ですがこちらを。

現実世界とファンタジーが折り重なった世界観。ジブリが好きな方にオススメです。

装丁:新潮社装幀室
カバー装画:早川司寿乃
選書:岸本晃輔


5、西原理恵子『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(角川書店)

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「王子様を待たないで。お寿司も指輪も自分で買おう」
「若さや美貌は、あっという間に資産価値がゼロになってしまう」

愛とユーモアに溢れたエッセイ。すべての若い女の子に読んでほしい。

装丁:西村弘美
選書:浜田綾


6、『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

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様々な理由で家族の形態が7度も変わった女子高生と、彼女をとりまく人々との関係を描いた話。

過激な設定なのに淡々と進む優しい文章とパキッとした表紙、すべてが魅力的。2019年本屋大賞受賞作。

装丁:大久保明子
選書:藤原有希


7、井上奈奈『猫のミーラ』(堀之内出版)

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2020年2月22日、猫の日に発売された本。フリーダいう名の少女と飼い猫ミーラの日常の瞬間が絶妙に切り取られ、読み進めるごとに出会いまでさかのぼっていきます。

表紙の装丁はメキシコの画家フリーダ・カーロの自画像を彷彿とさせる「緑」が印象的なのに対し、中の絵と文は「金銀赤白」の4色で繊細に描かれ、息を潜めて心の目で読みたくなるような美しい本です。

装丁:阪口玄信・池田敦[G_GRAPHICS INC.]
印刷:藤原印刷株式会社
選書:須藤妙子


8、酒井順子『平安ガールフレンズ』(角川書店)

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清少納言、紫式部など5人の平安時代の女流作家を「もし友達だったら?」という視点から軽妙に人物像を語っていく古典エッセイ。

1000年という時空を超えても女性ってあんまり変わってない。そのことにホッとしつつクスっと笑いながらライトに読める一冊です。

北澤平祐さんのゆるやかなタッチのイラストがとてもキュート。また、鮮やかな黄緑の表紙、ピンク、紫の見返しという、着物を彷彿させる3色の紙のコントラストが粋な装丁です。

装丁:小川恵子(瀬戸内デザイン)
装画:北澤平祐
選書:Ayana Suzuki


9、フランク・ハウザー/ラッセル・ライシ『演出についての覚え書き』(フィルムアート社)

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そもそも演出ってなんだろう? 会社や学校で演出を任されたなど、初心者でも、わかりやすく書かれている演出術が満載。小難しくなく、さらりと読めます。

装丁:吉野愛
選書:鈴木ユースケ


10、開高健『フィッシュ・オン』(新潮文庫)

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釣りは人を自然に還し、「夢中」と言う名の盲目的な人生に突き落とす。考えて考えた先に結果が出るとは限らないし自然が相手の遊び。

なんでみんな釣りを始めたら、人生をかけてまで熱中してしまうのか。まるで自分がその場所にいて、大河や海と向き合っていたかのような錯覚に陥る1冊。

難しく考えることなく「やっている」ことでその面白さはわかります。

写真:秋元啓一
選書:増田ダイスケ



清々しい新緑選書、いかがでしたでしょうか。外出もままならない時期ですが、少しでも心を吹き抜ける風のようなものを感じていただけたのなら嬉しいです。

また来月、お会いしましょう。



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