marantzアンプの電流帰還回路って?
すでにマランツの新製品ラインナップから外れて久しいエントリーモデルのプリメインアンプPM5003を愛用させていただいているお話しをしました。
その中で
と、ほんのひと言で済ませてしまっていました。しかし、やはりこれでは大変失礼だと思い、検索してみると、次のリンクが出てきました。
マランツの基幹技術、電流帰還回路とHDAM®について
難しい数式を使うことなく文系人間にも分かるようやさしく解説してくださっていることは分かるのですが、やっぱり乱暴な結論から言うと、「電流帰還回路は、カバーする周波数の範囲が広く、HDAMは、音の立ち上がりがオペアンプよりも早い」
また乱暴に自分の感覚にあるものに例えてしまいますが、大排気量なのにレスポンスの良いレーシングエンジンみたいなものかもしれないなあと思いました。
電流帰還回路は、電圧帰還回路よりも広範囲の周波数をカバーできるので、ハイレゾのような大きなデータの処理でもリアルタイムに扱える排気量が大きいようなもの。かつHDAMは、エンジンのフケ上がりと、回転数の落ち方がアクセル開度によく追従するということ。
レーシングエンジンの場合はその高性能と引き替えに、レース毎のメンテナンスやパーツの耐久性の問題がありますが、マランツの場合は、そこを担保するために価格が高かったり回路のパーツの選択、電源の大きさひいては筐体の大きさにも繋がってくるのかなと思いました。
つまり、無駄にデカい訳じゃないのだということですね。ますますこのアンプに愛着を感じてくると同時に、さらに性能に磨きをかけた後継機種たちの音はどうなっているのだろうか?と興味も沸きます。
ただ、クルマ趣味の経験から言うと、最新のクルマは高性能だが、環境からの制約もあって設計者の想いとは裏腹な性能になってしまったり、複雑すぎて素人が手出しできる場所が全く無くなってしまっている場合が多いです。
それこそGT-Rに至っては指定タイヤ以外にすら交換してくれるなと言う話しを聞いてちょっと残念だったりする。
バイクだとキャブ車で好き勝手にいじり回すことも可能ですが、それだと排気ガスによる環境への影響やガソリンを多く使いすぎてのコストの問題はガソリン高騰の折り、これからどんどん肩身が狭くなっています。
つまりクルマやバイクが趣味というのはとても苦しい世界に押し込まれていく感覚がある。
RCAのライン端子だけのこのシンプルなアンプは、基本的な電流帰還回路が入っていることからRCA端子がある限り活かし続けることが出来る点で、まるでS30型フェアレディZのような老いてなお輝き続けるポテンシャルがあるのかなと持ち上げてみたりして終わりにします。