'90メルセデスベンツ300E(W124)を語る
10年13万キロ乗り続けたセリカから2台目に乗ったのはW124の300Eでした
当時から「自動車の基準 メートル原器」と言われ、全ての車の目標であり基準のW124は本当に素晴らしいクルマでした
「走り、曲がり、止まる」とはどういうことか?
このW124からその全てを教えてくれたと言っても過言ではありませんでした
まっすぐ走り
思ったとおりに曲がり
バランス良く止まる
前のセリカから乗り換えて、これらが当たり前に出来ることの喜びと
その代償として多大なメンテナンスコストを要求されるつらさ
その両面を味わうこととなりました
アクセルペダルはとても重く
高速道路では足がつるのですが
フロントウィンドウから見える世界の全てが
セリカの10倍余裕を持って見ることが出来ました
W124のタイヤサイズは今となっては細い195/65R15
W124のサスペンション形式はフロントストラットリアマルチリンクですが、フロントロアアームはサブフレームを介さずにマウントされているコストの掛かった取り付け方法が功を奏して実にリニアに路面を追従する感覚をえられました
リアも5本のマルチリンクのストレートアームであり、ある意味F1のサスペンションみたいなもの
沈み込みながら路面を追従しつづける懐の深い走りをしました
室内はブルーのファブリックシートでした
座面にとてもコシがありました
これはただのウレタンクッションではなく馬の毛とヤシの実の繊維がしっかりとコシを与えているからなのでした
そのかわりちょっと動物的かつヤシの実の臭いがする気がするのですが、これがクルマの個性だと思えばそんなものです
W124に乗っていて感じたのは「クルマに守られている」という気持ちがとても感じられたこと
ただ、現代の車づくりからすると幅が狭く前後が長い感じがします
これって良いことです
なぜこのディメンションの車が今は作れないのでしょうか
がんじがらめの自動車の規制のせいなのでしょう
もしまたW124に乗れると言われたら
喜んでその機会にとびつくと思います
今度はオープンのカブリオレかステーションワゴンがいいですね
W124ならたとえFRでも雪道怖くない気がします
バランスが良いことは最高の安全対策なのだと思います