'71Fiat500Fの味わいを語る
アランのクルマ遍歴、W124に406coupéと来たから次は911 か?いけすかないなんて思っている方がいらしたら肩透かしでしたでしょうか
以前Fiat500FとW124が私の車の価値観を決めてくれた2台だと記事にしたことがありました
子供の頃一人で有楽町の日劇に行き「ルパン3世カリオストロの城」を観て来ました
そうそれが私がFiat500Fを意識した最初であり、また憧れて「いつか手に入れたい」と思ったきっかけでした
冒頭クラリスが逃走に使い分解されてしまったシトロエン2CVも憧れていたものの、乗るならやっぱりチンクエチェントだと思っていました
手に入れたのはヤフオクで37万円の激安個人売買車両でした
それでも、オリジナルのエボナイトのハンドルと白くかわいいメーターナセル、赤いシートなどオリジナル度は高かったです
今回お写真に使わせていただいたガレージリトルさんの500Fと基本的に同じ色と仕様でした
それにしてもガレージリトルさんの個体は本当に綺麗です
おそらく350万円は下らないでしょう
となると私の乗っていた個体の約10倍の価格になってしまいもうおいそれと手を出せないくらい高騰してしまっています
Fiat500Fとのおつきあい
都内をちょっとだけ走っても大冒険気分にさせてくれました
高速道路を走ろうものなら命がけ
クーラーも無ければ、暖房も効かない
雨が降ったらおもちゃかと思うような20センチ幅くらいのワイパーが止まらないことを祈りながら走る
ついでにキャブがかぶっていつ止まるか?
そんなハラハラドキドキの毎日
それでも乗りたくなるし
乗る時には気分が高揚して
ワクワクしてしまう
それがFiat500Fとのおつきあいでした
先ほど、夏はクーラーが無いと書きましたが、キャンバストップを開放し、三角窓を起こし、窓も全開にすると結構風が入ってきて暑さも多少しのげました
冬場の暖房不足はエンジン温まるまで全く温まらないので、ホッカイロ頼みな感じと言ったらいいでしょうか
多分にバイクの感覚に近い1分の1ブリキのおもちゃのゴーカート気分でした
荷重をかければたわんでしまう大径ハンドル、長くて頼りないシフトレバー、全く信用ならないメーターたち、それでもエンジンの高まりに応じて適切にシフトアップしていくとなんとか交通の流れに乗ることが出来るぐらいの最小限の動力性能
そう、普通の信号ダッシュが、最高のシグナルグランプリと化してしまう
ほどの緊張感を与えてくれました
シフトダウンの時は、右足先でブレーキペダルを押さえつけながら、右足のカカトでアクセルペダルをブリっビングして、ダブルクラッチで丁寧にシフトダウンが決まった時には人知れず悦に入ってしまえました
頭の中でルパンのテーマが浮かぶ中で走ればカーオーディオなんか不要でした
シャーシがしっかりしているから足が滑ろうが、エンジンが非力だろうが、走っていて楽しい!と叫びたくなる
これがラテンの車なのだと心で感じられました