言葉を拾って、シャボン玉みたいに空に飛ばした
1つの言葉を拾うだけで
言葉に心を揺さぶられ
なにかが
心に芽生え
知らず知らずに
言葉から文章に変化していく
そんな現象が起きることがある。
私に
想像力を掻き立てる言葉たち。
言葉は連鎖する。
少し前から
言葉拾いが趣味になった。
言葉との出会いは
創作の始まりなのだ
例えば
シャボン玉 影法師 赤トンボ
ゆりかご 子守唄 かくれんぼ
麦わら帽子
など
これらの言葉を拾うと
たちまち
私の意識は
幼い日の記憶の彼方に飛ばされる。
それは
亡くなったおばあちゃんの笑顔
夕暮れまで畦道で遊ぶ幼い私
遠くで呼んでいる母の声
美しい羽の色の
飼っていたセキセイインコ
例えば
沈丁花 人恋し 走り雨 花吹雪
メタセコイヤ 群青 光る汗
弾ける笑い声 心の揺らめき
これらは
私を青春の1ページに誘う言葉たち
それは
白球を追うテニスコート
突然の夕立に雨宿りした軒先
ふたりで1つ注文した
イチゴパフェ
メタセコイヤの影法師
硝子のように壊れやすかった心
言葉に触れると
そんな風景に
いつの間にかトリップするのだ。
例えば
夢うつつ 懐かしき声 紡いだ糸
しなやかさ 奏でる ハーモニー
旅路 言霊 明日への扉 魂 刹那
現在に居ながらにして
連想という
言葉の紡ぎ出す世界へ
私を導く言葉たち
ときには
わたしを立ちどませる。
瞑想する。
潜在意識に焦点があてられる。
言葉に恋する気持ちにも似ている。
言葉にまるで叱られている。そんな気持ちになるときもある。
言葉は
結ばれて、編まれて、絡まって
創作へと私を誘ってくれる。
拾って 集めて
シャボン玉みたいに空に飛ばす
それは
くるくるくるくる
ゆらゆらゆらゆら
夢うつつ シャボン玉 影法師
人恋し 沈丁花 懐かしき声
走り雨 ゆりかご メタセコイヤ
風光る 花吹雪 あふるる涙
記憶の彼方 たおやか 彼方
旅路 言霊 奏でる 紡ぐ 下弦の月
さみどり 薫風 弾ける つま弾く
ほころぶ 零れる(こぼれる)
溢れる 愛でる 揺らめく 香しき
繋ぐ 群青 ふらっと ゆるっと
さざ波 織りなす 麦わら帽子
まばゆい 果てしない
ゆるゆる さわさわ しゅわしゅわ
ふわりふわり ちりんちりん
くるくるゆらゆら
名詞も動詞も
形容詞も形容動詞も
オノマトペも
みんな一緒に
くるくるくるくる
ゆらゆらゆらゆら
それを
ふっとシャボン玉みたいに
空に飛ばすのだ。
そこに
秩序はない。
言葉たちの意思と発想に任せる。
文章に変化していくのを
私は楽しんでいる。