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ピアッシングと快感

ピアスを開ける行為が好きだ。

ピアスを開ける前とでは、自分も、世界も違って見える。

1つの通過儀礼のようなものにすら思う。


今私の耳には6つホールが開いている。

耳たぶに5つ。軟骨に1つ。

軟骨は以前開けていたのだが、塞がってしまったためもう一度別の場所に開け直した。


このピアッシングという行為その物に快感を覚える。

やはり体に穴を開ける行為なので、痛みはあるが、それ以上に欲望が満たされる。

私は痛みに強い方だが、

軟骨にピアスを開けた時はやはりジンジンとした慢性的な痛みが続いた。


だがその痛みはかなり気持ちいい。

クセになる痛みだ。

耳がジンジンと疼くたびに、

何かをやり遂げ、勲章を勝ち得た気持ちになる。

新しく貫通したピアスを見てうっとりとしてしまう。

私はここに存在しているのだと思うことができる。



セックスの最中にきつく首を噛まれてできた、赤黒い内出血を見るときの感覚と似ている。

泣き喚きながら痛いと訴えているのに、聞き入れられずに強引につけられたキスマークの傷跡。

体に刻まれてしまった刻印。体に落とされた愛の証。

その痕が嬉しい。

痕を見て、行為を思い出すたび、私はそこに存在したことを証明できる。

その青痣こそが、私を私足らしめる大事な証拠なのだ。

痛みがないと生きていけない。

痛みがなくては生きていることを実感できない。


わざわざ傷を作ってまで痕を残そうとするのは、

生を実感したいからかもしれない。

それがピアスであり、それが生の刺激なのだ。


おかしなマゾヒストだと思うだろう。

だがそれでもいい。

どれだけ不可解でも、自分自身の生の悦びの方が大事だ。




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