サザンはなぜ女性にも人気なのか
サザンオースターズを知らない人はいない。
性別、世代を超えて多くの人に愛されている数少ないバンドだ。
そして、数少ない「ザ・下ネタ」「エロネタ」を躊躇なく、そしてかっこよく歌える人達である。
サザンを知ったきっかけは親の影響だ。
だが、決定的に興味を持ったのは、高校時代に好きだった人がカラオケでマンピーのGSPOTを歌ったことだった。
浮世の男女の痴情を歌う彼に私は欲情した。
息が熱くなって濡れていくのがわかった。今すぐここでめちゃくちゃにしてほしいとさえ思った。
それからサザンのそして彼の虜になっていった。
話を戻そう。サザンは人気だが、これ大丈夫なのかと思うくらい下ネタに走っている曲がいくつもある。
マンピーのGSPOT、エロティカ・セブンなどタイトルから惜しみなく採用している曲もあるし、歌詞に出てくる淫語なんかもっと多い。
ましてやライブビデオなどは、エロいお姉さんがたくさん出てくるので家族で見れば鬼のように気まずくなる。
普通は、過度な下ネタは女性の反感を引いても良いはずだ。
だが、その実数多くの女性ファンが存在する。
その理由はなぜだろう。なぜ、サザンはカッコいいのか。
1人のサザンファンとしてその理由を考えてみた。
結論から言うが、その理由はおそらく、「聞いていて気分がいいから」だろうということになった。
基本的にサザンの歌では女性の存在が出てこないことがない。
出ないとすれば、それは感動系の曲であるということである。
それくらい女性の、しかもそれはそれは美人でエロティックな女の人が大量に歌われている。
そしてサザンの曲はそれを惜しみなく賞賛していて、どこか神格化しているようにまで感じられる。
そんな風に扱われれば、悪い気はしないどころか、聞いていて気持ちがいいのだと思う。
「闘う者たちへ、愛を込めて」にはこんな歌詞がある。
『魔力を持ったオンナたち、それに魂を売るオトコたち』
この「魂を売る」という桑田佳祐の言葉選びには感服せざるを得ない。
この文章を噛み砕いて解釈してみればおそらく、血と汗と涙をにじませて働いて稼いだお金を惜しみなく、欲のまま女に注いでいる、ということであろう。
このオンナたちこそ魅力の真髄というか、誰もが憧れる魔性の女像なのである。
男の命を食べて潤う女。これこそが本当の女の存在意義だと思う。
雌カマキリは交尾後に雄カマキリを食べるらしい。これと同じだ。
せいぜい男は女を生かして満たすために死んでいけばいいとさえ思う私はこの歌詞に惚れ落ちた。
よく、家庭的で男性に尽くせる女性が魅力的だというが、こっちの方が圧倒的に「女」らしいのではないだろうか。
自分の存在が男の人生を狂わせるなど、女冥利に尽きると言わざるを得ないだろう。
女は誰でも魅力的でありたいと思っていて、そして少なからず男をはべらせたいと思っているものである。
だからこそ女はこれを聞いていて気分がいいのである。
マンピーのGSPOTより「僕はべっぴんな美女を抱いて」いるのに「笑う人生にビジョンなんておよしなさいとアナタは言う」ことをちゃんと聞いている感じとか、
男の手に届かないところにあって、そして、ちょっと物憂げでつれない感じの女像が総じて女心をくすぐる。
だからこの歌に陶酔できるのである。
サザンで描かれる女像はやり手だ。魔性の女だ。
だが最もやり手なのは、サザンオールスターズもとい桑田佳祐だ。
一夏の恋、刹那的な遊び、熱くて儚い男女の情事を、たった5分でこれだけ表現するのだから。
エロティックな歌詞を情熱的なメロディに乗せてこの世の男女を発情させる、そんな芸当ができるのはただ1人彼しかいない。
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