喫煙所で吸うタバコは美味しくない
タバコというものは銘柄よりも一緒に吸う相手、ロケーション、シチュエーションで味が変わると私は考える。否、味というよりかは心情と言うべきか。
私が考える1番タバコが美味しい時というのは、バイクでふらっと行った旅先での一本だ。それについては以下の記事に詳しく記述している。
簡潔に言えば、自分が感情的でエモーショナルな気分の時に吸うとタバコによって感受性がブーストされるのだ。
普段考えられないことや感じられない、エモくてノスタルジックな気分を作らせる効果がある。
だが、喫煙所は違う。
下界から閉ざされたような狭い空間の中に、複数名の喫煙者が肩を寄せ合ってタバコを必死に吸う光景を見ながら、果たしてノスタルジックな気分になれるだろうか?
なれるわけないだろう。
街の腫れ物のような空間の中で吸った所で、どこか罪悪感と申し訳なさで美味いと感じる訳が無い。
【タバコはその土地の空気を吸うモノ】
タバコは何を吸っているのか。
無論、煙である。
では、その煙の正体とは何か?
空気だ。
空気を吸って、空気を吐いているのである。
だから、絶景を見ながら吸うタバコは無条件で旨い。
海辺で一服すると、煙の中にどこか潮の香りが混ざり、心地よい煙が味わえる。
山で吸うタバコは、当たり前だが極上の一本。
澄み渡る空気を、煙と共に肺に入れる感覚は、もはや神聖な儀式に近い感覚だ。
事実、アメリカの先住民のインディアンは、自らの儀式の際にタバコを用いたという。
そのインディアンのスピリットを受け継いだのが、「アメリカンスピリット」である。私の愛用する銘柄だ。
タバコの旨い不味いの判断基準として、大きく分けて誰と吸うのか、加えてどこで吸うのかが重要になってくる。
そのどこで吸うのかが、空気を吸う事へ繋がる。
単刀直入に言おう。
喫煙所の空気は不味いのだ。
だから、タバコも不味くなる。
喫煙所はそもそも狭い。だから、空気の通りが物理的に悪い。
そうすると、文字通り空気が澱む。
加えて、喫煙所のオーラ事態もどこか重いと感じる。
タバコを吸いたくなるタイミングとして、何かストレスを感じた時に人は吸いたくなると聞く。
喫煙所には、当然喫煙者しかいない。ということは、何かしらストレスを抱えたタイミングで喫煙所を訪れている人が多いという事だ。
そう考えると、喫煙所の空気が重い理由がなんとなく筋が通ってくる。
ストレス発散のために訪れてくる人が多いのだから、空気が悪くなるのは当然だろう。
物理的に空気の流れが悪い+オーラが悪いとなれば、空気を吸って楽しむタバコの環境としては、最悪である。
何も路上喫煙を容認して欲しい訳ではない。
喫煙者ながら、路上喫煙している喫煙者に対しては不満がある。ここで吸わなくても良く無いか?と。
だが、誰もいない大自然の中で吸う事だけは、譲れない。
大自然で吸うタバコは私のサンクチュアリだから。