見出し画像

結婚式のサプライズ、それは人をアツアツどころかあちゅあちゅにする

 人生で一番嬉しかったサプライズはどんなときにありましたか?

 好きな人にいきなり告白されたとき? それか予期してなかったプレゼントとか? いずれにせよ、サプライズってのは、自分が予測しえなかった驚きが、喜びゲージを爆上げします。ぐんぐんとね。

 ワシが一番驚いたサプライズは、結婚式の次の日でした。結婚式の感動の余韻を残しつつ、ワイフの実家でファミリーと談笑しているときです。
 昨日は良かったねぇ、と話をしていると義兄さんが机に写真を広げてくれたのです。そこにはウエディングドレスのワイフや、照れてるタキシード姿のワシがおりました。

 結婚式の写真、もうできとるやんけ!

「早い。もう作れたんですか」
「うん。結婚式が終わってから写真屋さんに出して現像したよー」
 ワシは結婚式の写真を手に取り、昨日の感動をもう一度味わった。そして、義兄さんの粋なサプライズに脳みそがトロけてしまった。

 おにいさん、しゅき。

 あの感動は今でも忘れない。そんでもって、この感動を誰かに伝えたいと、あのとき思ったのだ。
 ただ言葉で伝えても感動は半分も伝わらないと思う。キャビアを食ったことがないワシに、キャビアのうまさを言葉で教えても、それはただの情報なのだ。

 じゃあどうするか。結婚式をあげる人に、同じようにサプライズを体感してもらうのだ。
 でも、結婚式の次の日に新郎新婦に会うのは難しい。ハネムーンに行ってるかもしれないし、なにより二人の時間を楽しんでほしい。
 なら結婚式当日に写真をあげればいいじゃないか。ワシの中で作戦は決まった。

 そして作戦決行のときはきた。

 狙うは友人Aの結婚式。ワシは中学の同級生として参加した。持参したデジカメでバシバシ写真を撮る。ときにはプロのカメラマンの背中についていき、まるで弟子のような振る舞いをしてついでに写真を撮らせてもらった。
 
 席についてゆっくり食事を楽しんでいるヒマはない。今日の主役は新郎と新婦なのだ。今日という日を楽しんでもらいたいのだ。
 結婚式は大盛り上がりで終わった。次の2次会まで少し時間がある。ワシは仲間のひとり、マシタ警部だけ引き連れて、同級生のグループから離れた。仲間から怪しまれないよう
「せっかく都会に来たんだから、とらのあな行ってくるわー」
 とマンガやアニメの視察に行くフリをした。

 普段からマンガとアニメが好きってのを公言しててよかった。サプライズってのは仲間にもバレたらパーなのだ。
 喫茶店でパソコンを開き、写真をピックアップ。厳選した写真を予め調べておいた写真屋さんに持っていく。アルバムはカバンに入るような小さいやつをチョイス。写真立ても手のひらサイズをゲットした。準備は万端だ。

 2次会が始まり、盛り上がっている最中に、ワシとマシタ警部はアルバムと写真立てを新郎新婦に渡した。二人とも口と目を大きくしてめちゃくちゃ喜んでくれた。これで二人の仲はアツアツどころか、あちゅあちゅになるだろう。
 まさか結婚式の写真が、結婚式当日の日に貰えるなんて思ってもみなかったんだろう。サプライズは成功した。

 なんだよ、とらのあな行ったんじゃねーのかよ、と仲間にもサプライズになってしまったが、結婚式の写真は参加者の心を感動で震わせてくれた。

 その日以来、ワシは結婚式になると写真をその日にプレゼントするという習慣がついた。ワシと同じように感動してくれるからだ。
 その感動を教えてくれた義兄さんに感謝を伝えたい。義兄さん、ありがとうございました。


このエッセイはYeKuさんからいただいたバトンを握りしめ書きました。お題は「 #人生は人喜ばせ合戦 」。

・人に喜んでもらったこと
・してもらって嬉しかったこと

 元の企画はチェーンナーさんのこちら。

 YeKuさんのすんばらしいエッセイはこちら。

 さてさて、ワシもバトンを次に回さねばならない。
 このお題なら、ワシが一番読みたい人がおるではないか。 

髙橋 征志(たかはし せいじ)さん。
この方の人生なら、めっちゃいい話を聞けるのではないか。ワシが一番聞きたいと思っておりやす。
もし、お時間があるのでしたら、ワシのバトンを受け取ってほしいです。

よろしくお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!

ああたはじめ
もし、ああたのアフォな話をもっと読みたい! とお砂糖一粒でも思っていただけたならぜひサポートをお願いします。飛んで喜びます。そしてもっともっとあなたに笑顔を届けられるよう、活動費として使用させていただきますっ。