私が知る中で一番の変わり者

文章を書くことは脳のトレーニングにいいらしい。
最近なかなか名前が出てこないであれあれ言っているので、自分の脳トレのために日頃のちょっとしたことや思い出したことなどを書いていこうと思う。

とりあえず三日坊主かもしれませんが、気軽にお付き合いください。

先日実家の福岡に帰ったのですが、お母さんは相変わらず変わってるなぁと思ったので今日は母、信子のお話をしたいと思います。

信じる子と書いてのぶこ。

信子は一見普通のいい女だ。

外出の予定はなくても朝起きたらまずお化粧して身なりを整え、常にスタイルを維持するように気にしている。年と共に身なりなどどうでもよくなり、すっぴんにぼさぼさの頭でも平気で宅配便を受け取る私とは大違いである。

信子はいくつになってもいい女なのだ。
しかし誰よりも変わっている。

信子はずっと専業主婦だったが、私が上京した年に近所の砕石所でパートを始めた。50歳で肉体労働デビュー。

選んだ理由は家が近かったから。。。

近所とはいえ、男性ならともかく経験者ではない限りなかなか普通の女性は選択しないだろう。

砕石所で働いていたおじさんからバイト募集の話を聞きつけ、すぐに信子は面接へと向かった。

その砕石所は外で犬(雑種)を飼っていた。

二階建てのプレハブ小屋がありその二階が事務所になっていたのだが、一階から二階に上がる階段の横にその犬はつながれていた。

犬が大好きな信子。

面接で二階に上がる前に、信子は「わぁ~かわいかねぇ」と
言いながらその犬に近寄った。

にこやかに触ろうと伸ばした信子の手に犬はすぐに嚙みついた。。。

どうやらその犬は噛みつきの常習犯だったらしく、今まで郵便配達員や作業員らも被害にあっていて信子で6人目だったらしい。

面接に来たのに、信子はすぐに病院へと連れていかれた。

「あの人、もう来んやろうねぇ~」

誰もが口々に言っていたその次の日。

信子は手に包帯を巻き、元気に砕石所に働きに来たのである。

それから20年以上その砕石所で信子は働き続け、とある理由で辞めたのだが。。。それはまた別のときに。。。


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