携帯電話の怪。。。
普段みなさんの生活の中で、なくてはならないものになっている携帯電話。
いつでもどこでも電話で会話できて便利な世の中にはなったが、これだけ注意喚起して気を付けていてもいまだにオレオレ詐欺の被害があとをたたないという。
相当声に特徴がない限り、電話の声だけ聞いて誰なのか当ててと言われてもよくわからないのが正直なところである。
声だけで異変に気付く人、気付かない人にわけるとしたら私はその後者の方である。
以前、私は夜は働き昼は眠る完全な夜型人間だった。
その日バイトがおわって家で寝ていたら、一本の電話がかかってきた。
「もしもし…。」
寝呆けながら電話にでるとバイト先の男の声だった。
「もしもし?寝てた?」
「うん、今日バイトだったから終わってから寝てたよ。」
適当に会話をして私は電話をきった。
寝呆けていたこともあり、その電話をたいして気にも止めていなかったのだが、たびたび私が寝ている昼頃にその人からの電話がくるようになった。
そんなある日。
いつものように寝呆けながら電話にでると彼からの遊びの誘いだった。
「今日遊びに行こうよ。」
「いいけど、どこで待ち合わせする?」
私の質問に対して彼が急に変なことを言いだした。
「じゃあ、〇〇にしよう。」(○○は場所名)
「はっ??」
今まで聞いたことがない場所名を聞いて私は何度も聞き返した。
「えっ?どこ?聞いたことないよ!」
「だから○○って!!」
だんだんヒートアップしていく二人。
「○○って何よ?!」
「はっ?いつもそこで待ち合わせしてるやん!」
「だから知らんって!!」
「えっ・・・。」
二人の間に沈黙がながれた・・・
そして突然電話を切られたのである。
そう、実はお互い知らない人同士だったのだ!
勝手に声でバイト先の人だと勘違いしてしゃべっていたのだ。
一週間ほどだったが、実際は知らない人同士で何も気づかずに電話でしゃべっていた。
怖い。。。自分が怖い。。。。
電話を切った後も「あの人はいったい誰だったんだ?」という疑問と、
何度も電話をしていたのに「今まで何で二人とも気付かずに話をしてこれたの?」という疑問が私と、もう一人の彼に浮かぶのであった。
もちろん私はその日から、電話ではちゃんと名前を確認してから出るようにしている。
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