乾燥したカレーライスと私の記憶
起きたら机の上に食べかけのカレーがあった。
どういうことだ。
この家には私しかいないのに。
え?
じゃあ昨日の私が食べたのか。
全く覚えていない。
メイクも落として歯も磨いて寝ているからちょうどお腹いっぱいになったのかな。
わからん。
記憶がなくなるって怖い。その間に私が誰かと入れ替わっていてもそんなことはなかったと証明できない。自分が自分であるという証明。できないのが怖い。
断片的な記憶は何個かある。不思議な体験で記憶がない時の私は、後日その時の記憶がないと伝えると大変驚かれるほどにしっかりと話しているらしい。そしてだいたいにおいて場面の記憶がすっかり抜け落ちている。例えばお店でお会計をするところから次のお店へ移動するところまで、とか。だいたいそうだ。お会計から家に着くまでの移動とか。しっかりとした足取りでスタスタ歩いてハキハキ喋って帰るらしい。翌朝記憶にない写真がフォルダにあるのを見つけて記憶がなかったことに気付く。
お酒を飲むと髪の毛を乾かすのがいつも以上に面倒くさいのとそもそもお風呂に入れるようなまともな思考がなくなっていつのまにかメイクのまま寝落ちしていることが多かったのに最近の私はメイクだけは絶対に落とすという強い意志があるようで絶起することがなくなった。
髪の長さが一年前の2倍になった。
聖なる夜に恋愛相談を聞いたあの子は、なぜ私に彼氏ができないかについて女の子らしく振る舞ったらと言ってきた。あのね思うんですけど偽りの自分を好きになられてもしんどいのは自分な訳ですよとすかさず反論したら徐々に素を出せばいいのだと言われた。
それは相手を騙していることになるのだと思うのですが、松井さん、これって思うの私だけ?
人見知りをしない。むしろ初めましての人と話すのが楽しいとさえ思うので大体の人と友達になる。そして友達に一度分類してしまうと友達にしかなれない。私もそうだし相手もそう。ま、いいことなんですけどね。
ずっと彼氏が途切れないあの子は好意を見せるのが上手い。相手に特別感を与えるのが上手い。会う度にいろいろなネタがあるから話を聞いていてとても面白い。
もう付き合って7年目?のカップルには結婚式に呼んでねと言ってある。22歳で7年付き合ってるってのは凄すぎて訳がわからないけれど結婚しないのだとしたら7年は無駄になるのだろうか。次に出会う人を全て7年と比較してしまいそうですね。
1,000文字だ!