【AWS受験記】AWS Machine Learning Specialty合格記【簡単?難しい?】

AWS Machine Learning Specualy (Machine Learning専門資格, 以下AWS MLS)に合格してきました(スコア: 826)
その経験をシェアします


TL;DR

  • AWS MLSはAWS上で機械学習するための知識を問う資格だよ

  • ざっくり次の分野から出るよ

    • 機械学習そのものの知識

    • SageMakerの使い方

    • SAA + αのAWSでのシステム構築の知識

  • 難易度はSAP > MLS > SAAって感じかな

勉強期間・筆者のスペック

勉強開始時のスペック

  • クラウドの知識

    • 普段はGoogle Cloudをよく使っています(仕事・プライベートともに)

    • AWSについては勉強を始めた時点でSAPを持っていました

  • 機械学習

    • もともと機械学習(画像系)エンジニアなので、専門といえば専門です

    • 統計検定準一級取得済

勉強期間

SAP合格後ちょっと置いてから勉強を始めて、一か月くらい準備したら受かりました
勉強時間でいうと50時間くらいでしょうか
通勤時間+αしか勉強していないです

どんな資格?

どんな問題が出るかは詳しく書けませんが、私の思う範囲でつらつら書きます

分野の概要

先にも書いた通りざっくり分けると次の三つです

どれもそこまで難しくないと思いますが、機械学習の経験がない人にとっては2/3が機械学習の知識なので難しく感じる人もいそうな気がします
(ネット上の評判でMLSは難しい派と難しくない派が二分されている理由なきがします)

  • 機械学習そのものの知識

  • SageMaker (注: AWSで機械学習をするためのプラットフォーム)

  • SAA + αのAWSでのシステム構築の知識

AWSでのシステム構築の知識

MLSはシステム構築の資格ではないのですが、、結構がっつりと出ます笑
その範囲もSAA + αといった感じで、割と難しいです(後述)

SageMaker

SageMakerはAWSで機械学習をするためのプラットフォームになるサービスです

例えばこんな機能がサポートされています

  • SageMakerの中にも事前学習済モデルが提供されていたりします

    • 自動翻訳

    • 動画像処理

  • 推論用APIを簡単にデプロイする機能があります

例えば、こんなことをすればそれだけで自動翻訳サービスが作れてしまいます

  • 事前学習済の自動翻訳器を呼ぶAPIを用意

  • AWS SNSで翻訳したい文章を入力し、Lambda経由でAPIをたたく

…すでにSAAとかSAPで出そうな問題感が出ていると思います笑
といってもSageMakerが起点になるのがほぼ確実なので、そこまで難しくはないです

機械学習そのもの

決して難しくないのですが、結構出て来ます笑
大きく分けると次の二つです

  • recallやprecision、混同行列など性能評価の方法

  • factorizationや強調フィルタリング、TF-IDFなどの古典的な手法

どうやって勉強したか

上記の三分野ごとに記します

AWSでのシステム構築の知識

いつものごとくCloud Licenseさんにお世話になりました

SageMaker

実際にNotebookなどのいくつかのサービスを使いました
(過去に業務で使っていたものもあります)

といってもハンズオンはきりがなくなるので、最低限のところで切り上げました

機械学習そのもの

残念ながら私は業務経験あるし、統計検定準一級も持っていたので無対策です…笑

業務経験がない人はこの辺りが参考になると思います

  1. Deep learning G検定

  2. フリーソフトで始める機械学習入門

  3. Andrew Ng先生のMachine Learning講座

1については私は持っていないですが、MLSとの相性の良さを指摘する人が多いので入れました。
私は責任持てませんが、まぁよいのではないでしょうか

2は本当の初心者には評判がそれなりにいい本で、私も読みました。
理論的なことはあまりわからないかもしれませんが、分野の全体感をつかむのには悪くないと思います
理論的なことを知りたければ『はじめてのパターン認識』のほうがおすすめです(が、これを読むなら統計検定準一級を取ったほうがよいと思います…)

3はとてもおすすめです!
業務経験がなく、知識もないけど機械学習に興味があるという場合はこれを機に受講されてみてはいかがでしょうか

逆に『ゼロから作るディープラーニング』や『深層学習』は良書ですが、今回に限っていうと狭い範囲に知識が限定されてしまうのであまり対策にはならない気がします
(注: 研究よりの業務で深層学習に関わるなら両方ともに必読です)

役に立ったか

正直に言うと、統計検定準一級+AWS SAPを持っているならあまり役には立たない気がします…笑
私の会社は報奨金もないのでお金的にはむしろマイナスです

以下は個人的なポエムです

ポエム① MLSへのリベンジ

五年ほど前に、「機械学習を勉強する目標として、それ系統の資格ってないかなぁ(G検定・E資格とは別で)」と思っていたころがありました
そのときに耳にしたのがMLSでした

ですが、当時の私はAWSもEC2とS3しか使ったことないような状態だったので、練習問題を見ても全く意味が分からずあきらめた経験があります
(ちなみに、そのとき欲しかったのは勉強するための手頃な目標だったのでAndrew Ng先生のMachine Learning講座とDeep Learning講座のそれぞれの受講をしました)

それ以来あまり気にも留めていなかったのですが、SAAに受かったあたりから、「今ならMLSを狙えるのでは…!?」と思い、うっすらと挑戦しようかと思っていました
今回、無事取得できたことで5年越しのリベンジが出来た気持ちです

ポエム② 機械学習の勉強の話

機械学習の勉強というとざっくり次の二つに分かれます

  • 実装・実務面の勉強

  • 数理的な面の勉強

私の身の回りでもどっちが大事だなんだと議論が活発になされていますが笑、私の感覚としては両方大事です

私は数理的な面の実務・勉強がここまで先行していて、実務面がおろそかになっていたところがあります
(研究部署なのもあり、実務はEC2・S3で間に合わせてしまうことが多かった)

なのでSAP~MLSと取得できたのは私のスキルに対してとても良い経験になったと思います。ハンズオンもできたし

数理的な面でいうと、私はPRMLは大体読んでいるし、実務でも数理的な検討をすることが多いのでそれらの知識も使っています
そのおかげで無駄な作業が削減できたり、論文も早く読めたりもしていますが、「これっていつになったら事業にこれをデプロイできるのだろうか…」と思うことが少なくなかったです

結論として、MLS取得を通じて、MLOpsを意識した知識がインプットできて、とてもよかったと思います

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