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黄金町3.8, 2023, 熊谷綾乃
熊谷綾乃が二人展に参加している。
黄金町の小さな会場で土日のみのオープン。ちょうど展覧会のインターバルがあったので日曜日にでかけた。
秋山実生と熊谷綾乃の二人展、それほど広くないスペースに、熊谷のマスキングテープの作品が提示されていた。まるで浸食するかのように、スペースの半分を占めており、その上に秋山の作品と熊谷の作品とが提示されている。
熊谷の新しい都市と植物の作品が提示されていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1697075376507-c5fsmu0Qqq.jpg?width=1200)
テキスタイルパネル、正方形の画面中央にある紫の花を囲むように黒い力強い太い蔦が巡らされている。太い蔦の周りには毛糸で刺繍をしたかのような蔦があり、更に、その奥にプリントされた蔦が見える。
太い蔦も中央の花も立体感があり、隆起している黒い蔦が、中央の花に向かってエネルギーを送っているかのようである。蔦の終端は、画面の奥に沈み込むようであり、一見すると根無しのように見えるが、蔦は画面の奥から表れているのだろう。
赤い地の中に緑の直線が見えてくる。その背景だけを見つめていると、街並みであることに気が付く。これは黄金町の景色だという。シルクスクリーンプリントで熊谷が撮影した写真をテキスタイルに写し、その上に編み縫いを施した。
熊谷は自身の登山経験から、高山で出会った植物をテキスタイルパネルとして表現してきた。都市を歩き、リサーチをし、植物のイメージを重ね合わせる。この作品シリーズは、都市と植物として実験的に作り始めたという。都市が積み重ねてきた歴史と現在の姿、そうしたことを植物とどのようにあわせるのか。
背景に沈んだ都市の風景は、不穏にも見えるし、生命力が溢れるようにも見えた。
2022年秋 aaploit の熊谷綾乃の展示