「仲間を増やし、信頼の輪を広げよ」
「信教の自由を考える富山集会」に150人参加
「信教の自由を考える富山集会」が5月19日午後、富山県民会館で開催され、約150人が参加しました。主催は、一般社団法人富山県平和大使協議会(鴨野守代表理事)、後援は、信教の自由と平和を守る富山県民の会(荒井雅夫代表)。
開会のあいさつで鴨野代表理事は、「私たちは、お互いの偏見や先入観をどう超えていくか。価値観の違いが対立を生むのではなくて、価値観の違う者同士がどう共存していけるのか、それを探るシンポジウムとしたい」と語りました。
続いて、ノンフィクションライターの窪田順生氏、「信者の人権を守る二世の会」の小嶌希晶代表、世界平和統一家庭連合(家庭連合)富山家庭教会の中島弘一副教会長がそれぞれ基調講演を行いました。
「潜入!旧統一教会」の著者でもある窪田氏は、家庭連合に対する解散命令請求と、かつての大本弾圧事件との共通点について分析。「宗教へのヘイトは『非国民』(外国人)へのヘイトとよく似ている。会ったことも喋ったこともない相手だけれど、お上(政府)が危険な人々だと言っているので、それを真に受けて危険な人々だと恐怖に感じる。だから自分や大切な人の安全を守るために叩く」と語りました。この対策として、①「国家権力との距離」の見直し②「価値観を共有する仲間」を増やす③「元信者」とのコミュニケーション――などを提案しました。
小嶌さんは、安倍元首相銃撃事件以降のメディア報道を振り返りながら、自身の人生を家庭連合が唱える世界平和のために献身的に捧げてきた親を深く尊敬する思いと、家庭連合の家庭ゆえに苦しかったと訴える元2世信者のはざまで、さまざまな心境を通過してきたと吐露しました。
「心が弱いから宗教にハマる」「早くマインドコントロールが解けるといいね」「宗教の家の子に生まれてかわいそうに」などという報道や風聞に強い違和感を覚えながらも、「メディアは敵じゃない。大事なのは、意思疎通」だとして、マスコミとのタフな交渉の裏側を披瀝して、参加者を驚かす場面も。
中島副教会長は、一世信者として、「教団の解散命令請求のプロセスは全く納得できない。文科省が聞き取りを行ったという170人の多くが、無理矢理に信仰を奪われた拉致監禁の被害者である」と訴え、「改宗グループ」の思想的な背景に言及しました。また、解散命令が出た場合、①税制の優遇はなくなる②任意団体として存在はでき、信仰の自由は保障される③財産・施設は没収(教会施設はなくなり、職員は失職)となり、集会や行事の開催は非常に困難となる。これは、家庭連合に対する、実質的な「死刑」判決にほかならず、信者はさらに多くの迫害や差別に晒されるだろうと警鐘を鳴らしました。
続く第2部では、鴨野理事がコーディネーターを務め、3人のパネリストと「いかにして仲間を増やしていくのか」「社会からの理解を得て、信頼の輪を広げるにはどうしたら良いか」など活発なディスカッションを展開。参加者との質疑応答、荒井代表の閉会の辞で会を閉じました。
【ダイジェスト】信教の自由を考える富山集会 主催:一般社団法人 富山県平和大使協議会 講師:窪田順生氏・小嶌希晶氏・中島弘一氏