富山の「関係断絶決議」訴訟が結審 10月に判決
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を断つとした富山市長の発言や市議会の決議で名誉を傷つけられたとして、関連団体の一般社団法人富山県平和大使協議会(鴨野守代表理事)と信者男性、安田慎さん(仮名)が市に損害賠償などを求めた訴訟の弁論が7月31日、富山地裁(矢口俊哉裁判長)で行われ、結審しました。判決は10月9日に言い渡されます。
原告の安田さんは市議会に対して決議の取り消しを求めていましたが、31日の弁論でこれを取り下げました。代理人の德永信一弁護士は結審後開いた記者会見で「(大阪府議会などの)決議取り消しの訴えを退けた2月の大阪地裁判決を踏まえたもの」と説明。安田さんも、「この状況に風穴をどう開けるため、徳永弁護士が勝つために取られた戦略だと思っている」と語りました。
鴨野代表理事は裁判を振り返って、「2007年に設立した富山県平和大使協議会は、この10数年間、オープンカレッジ、ピースロードなどさまざまな活動を展開してきました。これらは、県や各市、地元メディアの後援を受け、報道もされました。それは、社会的な評価があったことの証左とも言えます。その団体に対して何らの意見聴取もなく、関係断絶との一方的な決議は民主主義の観点からも、あってはならないものと思います。議会が今からでも反省して、取り消してもらいたい、その気持ちは今も変わりません」と話しました。
また、最高裁の「念書」判決について聞かれた鴨野氏は、「教会側が高額な献金をされた方全員に念書を書いてもらっていたわけではありません。ご自分の信仰に強く反対している家族がいたり、拉致監禁される危険性のある信者の信仰と献金の意思を尊重し、守るための手段であったと理解しています」とコメントしました。