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プロとしての責任とは../隈研吾氏の思想と設計手法について...aaltoのちょほほ日記@2025.2.21
先日、SNSで話題になった、馬頭広重美術館の外部劣化問題に対する、設計者の隈研吾氏のコメントを読んで、驚いた。「実験的手法」なのでしょうが無い..と言うような、内容だった。
今日のコメントは、何時もと違い、批判的な内容なので、お気を悪くする方は、ここで離脱をお薦めします…ちょほほ。
それを見て、呆れた。これが、オリンピックの国立競技場を設計したプロの言葉だろうか、そこにはプロとしての意識や良識が欠けていたからだ。
その原因から、説明するが、栃木県那珂川町馬頭広重美術館の外装材の劣化の問題で、築20数年で腐朽しその改装工事に約4億円掛かるという件で、設計者の隈研吾氏のコメントがそれである。
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それを、読んで驚き呆れた。そもそも風雨に晒される外部に木材を使用することは、劣化・腐朽の原因になると、建築学科の1年の材料学授業の2時間目に学ぶことであり、建築を仕事とする人間なら、空気を吸うような事柄でもある。
だから、隈研吾氏があの馬頭広重美術館を雑誌に発表した時は、驚いた。屋根や外壁に、木材の小割材を貼り付けていたのである。
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その記事の説明文には、木材保護材を加圧注入しているから、問題無いとの欄外コメントまで記載されていた。
通常、禁じ手とされていた、木材の使用するデザインなので、その華麗さと共に、ある種の危なさを感じて、興味深く読んだので、記憶に残っている..何時もなら、直ぐ忘れるのに…ちょほほ。
まー、東大建築学科卒、ハーバード大留学という華麗な学歴に、あのバブルを象徴するオーダー式柱を持つマツダMビル(正式名称不明)で酷評されて、ドサ回りをしていた隈氏が再起を賭けて設計したこの美術館には、皆驚いた。
氏曰く、線の多い外装デザインは日本美を表現する..云々。
振り返って、この国の建築設計のリーダーだった、前川国男、丹下健三氏の建築も同じ様な、問題と取り組んだし、前川国男氏に至っては、設計した皇居前の東京海上保険ビルの外装の設計上の問題で、自腹でそれを修繕したことは、建築家の社会的責任・責務を自ら示すという、模範的建築家だった。
だから、今回の件でも、隈研吾氏はあの材料の使用方法や設計は間違いがあり、その責任から、その修繕費用の何割かは自分の事務所で負担します。と云えば良かったのである。少なくとも、それがプロの姿勢である。
それを「実験的手法」なのでしょうが無い..というのは、思想や手法を通り越して、単なる言い逃れの無責任男でしかない。
今日は、少し興奮してこれを書いているので、お見苦しいところが多々あったと思われますが、ご容赦頂きたい。
それにしても、日本を代表する建築家と言われていた彼のこの顛末は、余りにも、令和という時代を象徴して、悲しい限りである。
蛇足であるが、前項の前川国男氏は、この外装の設計上問題に生涯取り組み、若年で設計した上野の東京公会堂では打放しコンクリートだったのが、晩年は全て、現場打ち込みタイルとしている。3年前半世紀ぶりに再訪した、甲府市の山梨県立美術館の外装もこれで、全く劣化していなかった。
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建築設計業とは、そういう社会的責任を伴う職業だと、東大やハーバードで学ばなかったのだろうか…ちょほほ。