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2006_横浜のお嬢様_part3.../ 16.愛妻の変貌

登場人物(2007年時点)
幸田麗華  幸田商事 社会福祉LPF社長   1976年(31歳)
幸田耕一  KGC建設 社長 麗華の婿     1970年(37歳)
幸田大介  輸入商事幸田商事 会長           1940年(66歳)
高橋 直美 KGC建設設計部長 耕一の元愛人 1970年(37歳)
後藤 絵美 KGC設計部 耕一の恋人     1981年(26歳)

絵美は最近、社長の耕一が毎夕定時になると、「お先に失礼します...」と周りに挨拶して帰宅するのを、不思議な顔で見ていた。

それは、設計部長の直美も感じていた。

直美「ねー、最近社長が定時で帰るわよね...何か有ったの...」

絵美「いえ、知りませんけど...部長こそ、知らないんですか...」

直美「新しい恋人でも、出来たかな...聞いて無い…」

絵美「そんな事知りませんよ...そうなんですか、新しい恋人か...」

絵美は3週前に、2晩も連続して、耕一と濃厚な交歓をしたので、ふと思い出すと、オフィスの席にいても、秘部が湿ってくる。

だから、耕一に新しい恋人と聞かされただけで、胸騒ぎが起きる。

大体、あれからメールの1つも寄越さない耕一の態度も気に入らない。

絵美「部長、今晩付き合ってくれません...」

直美「ええ、良いわよ。今そんなに忙しくないし、定時で上がるのも良いかもね…」

二人は、行きつけのイタリアレストラン・ポセイドンのイタ飯で下ごしらえをしていた。窯焼きピザを食べていると、オーナーシェフの野島がワインのボトルを抱えて席へやってきた。

野島「これ、今年の新作、どうですか...」

直美「ええ、頂くわ...ねー、シェフ。最近耕一さんに、新しい恋人が出来たって聞いてる…」

野島「...新しい恋人...ああ、あのアストンマーチンですか...」

直美「アストン…、何それ...名前...」

絵美「クルマの名前ですよ…」と横から言うが、流石に自分も乗ったとは言えない。

野島「でも、彼の場合、新しい恋人は、何時でもいますからね...あははは...」と笑って向こうへ行った。

直美「確かに、そうとも言える...ホント、浜のドンファンだよね、内の社長は...」と深いため息をつく。

絵美「そうなんですか...知らなかった...」

直美「えみちゃんには、悪かったわ...入社した時に、それを話しておくのが、ウチの裏ルールなんだけど、忙しくつい、言うタイミングが遅れたわね...」

絵美「裏ルール...」

直美「そう、彼が婿で、会長の愛娘が惚れて、あの家に向かい入れたらしい。しかも、誰彼好かれるタイプだし、何となく母性本能をくすぐるタイプで、寝技も凄いし...まー、普通の女は、イチコロよ...」

絵美「確かに...、」

直美「だからそうならないように、新人の時に、皆注意されるのよ...、最近では、それが知れ渡っていて、遭難者が出なくなったんだけど...」

絵美「部長、次のお店に行きましょ...今日は、酔わないと...」
 
定時で帰宅した耕一は、家で模範的なパパをしてる。

三人の子供達に、囲まれて、遊んであげている。

こんな風景は、久し振りだ、長期の休みではあるが、平日の夜に、家庭団らんなんて..その横で、麗華はしみじみ感じた。

やはり、この人には強く出るよりも、潮らしく下手にでるのが、上策だと。

その夜、ベットの中で、麗華はどうしたらもっと耕一の愛を一身に受けられるようになるか、今更ながら考えた。

結婚して7年も経つのに、今更ながら耕一の好みの女になりたいと思った。

今まで隙さえ有れば、外で恋人や女子社員に手を出してばかりいた夫に耐えてきた。

こんな美貌の妻がいるのに、そんな事ばかりしている耕一に呆れて、諦めてもいた。

しかし、先日、過労で伏せると、耕一の態度は一変したからだ、急に優しくなり、仕事が終わると直ぐに帰って、麗華の様子を気にいていた。

多分、心身が弱り伏せった妻に同情とも言える献身さを示したことは、初めてだった。

老舗の跡取り娘という気負いが、耕一には強すぎたのかもしれない、対外的にはそれでもしょうが無いが、少なくとも対耕一には、これからは、弱さを前面に出して見ようと思った。

果たしてどうなるか…。
そして、ベットの中でも、ひたすら受け身というのも、試したかった。

今までは、積極的にプレイしていた、時には麗華がリードしたり、要求することも多かった。

これも反省している。余り要求が多いと、嫌われる。昔耕一が付き合っていた女も要求が多いので、別れたと、言っていたことを思い出した。

萌奈の前の女で、麗華は知らない。

そう考えると、今晩はどういう態度で、交歓すれば良いのか、自ずと答えは出た。
そこにシャワールームから耕一が出てきた。ベッドカバーに顔を半分隠し、上目遣いに耕一を目で追った。

それに気付いて、尋ねる。

耕一「どう、調子は。大丈夫かい、Hしても…」

麗華「うん、まだ本調子じゃないから、優しくね…」と思い切りぶりっ子調で返事する。

耕一は、頭をカバー下に入れて、二つの丘陵に舌を這わせて来た。

いつものパターンで外から内へ螺旋状に来る、耕一のパターンだ。
それで焦らそうとしている。

でも、悔しいけど、段段感じてきて、下の泉に愛液は溢れてきて、零れている...今日は、なすがままにされている麗華だった...

それが、2007年4月の出来事だった。

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