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一建築家の信條/前川國男 建築の書架から その4

自宅の本棚には、建築家 前川國男先生の著書「一建築家の信條」の他2冊がある。今回は、この本を紹介したい。他は後日紹介したい。

実は、この本を読んだ積りで居たのだが、紹介しようとパラパラめくっていたら、どうも途中で投げ出していたようで、この年末年始に読みたいと思う。なので、紹介どころではないので、自分の記憶にある、前川國男先生を書いてみたい。
前川國男先生は、近代建築の三大巨匠の一人ル・コルビュジエのアトリエで修行した日本人で、最も有名であり、後に上野の西洋美術館の実施やコルビュジエの近代建築を日本に定着させた第一人者である。特に戦後RC造の公共建築を東京だけでなく各地に設計した。
例えば、このnoteには既に、山梨県立美術館や昨日の東京文化会館を紹介しているが、その他に東京都美術館、埼玉県立歴史と民俗の博物館、京都会館、紀伊国屋、熊本県立美術館など多数。

東京文化会館(1961年竣工)
山梨県立美術館(1978年竣工)

外壁の仕上げが、現場打ち放し仕上げから打ち込みタイルに変わっているのが分かる。雨の多い日本では、ル・コルビュジエの特徴であるコンクリートの打ち放し仕上げは、漏水・劣化など問題点が多く、不向きであるとして、タイルそれも打ち込み式に変更され、終生それが使用される。
コルの第一師弟と言われるのに、ある意味変節したという、指摘を受けつつ建築家としての職能に責任を取るということを信条としたことが、素晴らしい。尊敬できる建築家なのである。




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