近所の分館の図書室の本棚を何気に見ていてたら、この本が目につき借りてみた。
この本で一番納得したのは、生命が誕生して5億年という時空の中での5回の大絶滅のその痕跡が私達の身近な場所に存在しているという視点だった。
その一つ例が第5章の「疑わしいクレーター」(p.179)でニューヨークのマンハッタンのハドソン川の対岸にある玄武岩の断崖絶壁に3億年前の三畳紀の大絶滅の痕跡である爬虫類と魚類の化石が数多く出てくる。という行だった。世界経済第一の都市に隣接する対岸にそんな大昔の痕跡があるという。私達が普段生活するその隣に見えない過去の世界が実は見えていると言う事に、驚いた。
もう一つのこの本の特徴は、作者が丹念に地質学・古生物学・宇宙学・地球物理学研究者にインタビューや同行調査を丁寧に書いていることだ。普段表に出てこない、研究内容を克明に書くことで証拠を一つ一つを積み重ね、数億年の事実に迫っていくのは、ある意味ミステリー小説の謎解きを読むようでもある。
それにしても、この本は読みにくい正直読むスピードが上がらない。上がらない理由は、文章が読みにくい上に、書き方が回りくどい。単に「パンゲア大陸」と書けば良いところを、延々と説明する。そして一番の問題は各年代の大陸の地図や歴史表が全く無い点であり、スムーズな理解を妨げている。だから本にのめり込み出来ない、しかも歳で読むスピードが落ちている上にである。
前置きは此位で、概要を記述する。
正直、この本を読了するには、かなりの忍耐が必要である。しかもボリュームがあり、2週間の貸出期間で、読めるとは到底思えない。