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2004 双子姉妹の恋.../5. 姉の偽りを知る妹

登場人物
友部 彩 双子の姉 理科大 薬学部4年 1982年
友部 舞 双子の妹 ハウスビルダー 設計担当 1982年
 
友部 友梨 舞・彩の母
友部 幸太 舞・彩の父
友部 紀  彩・舞の弟
 
山下 敦 ハウスビルダー 設計担当 1976年
高山 耕一 製薬会社 新薬開発研究 1972年
 
彩が偽り、敦とデートした翌日のこと。

舞がCADの修正をしていると、敦が「昨日はどうも」という、舞が不思議な顔をしていると、「あの映画面白かったね」と言う。

そこで、話が見えた。それは私じゃありません、とは言えないので、適当に返事をしておいた。

帰宅して、彩に詰め寄った。

舞「お姉ちゃん、昨日山下さんと私だと言って、デートしたでしょ」

彩「もうばれた。ご免なさい。偶然敦に会ったら、彼全然気が付かなくて、言いそびれて、そのまま..でも何もしなかったわよ、キスもね」

舞「当たり前でしょ。ちょっと頭にきた。もう二度とそんなことしないで、私の振りして、デートするなんて、許せない」

友梨「どうしたの、ケンカ?珍しいわね」

舞「ママ聞いて、お姉ちゃんったら、私の振りして、敦さんとデートしたのよ」

友梨「ええ、あーちゃん。それは良くないわよ。謝りなさい」

彩「まーちゃん、御免なさい」としおらしく、頭を下げる。

それを見て舞は怒りの矛を収めるが、まだ不満な顔をしている。

友梨が行ったあとで、舞が言った。

舞「お姉ちゃん、好きな彼氏いたわよね」

彩「えっ、耕一さんのこと?だってまだ、デートもしてないわよ」

舞「あたしが代わりに、デートしてあげる」

彩「あなた、何言っているの。それ仕返し?」

舞「いいえ、当然の権利よ、デートにはデートよ。キスはしないでおいてあげる」
 
翌週、彩がインターンシップ先の職場の先輩の高山耕一をデートに誘う。

既にLineは聞いていたので、やり取りした。

彩「高山さんは、休日は何しているんですか?」

耕一「ああ、つまらないですが、掃除洗濯料理ですね」

彩「それじゃ、私が手伝いに行きますね」

耕一「本当ですか、でもそれより外で食事でも」

彩「もしかして、お邪魔すると不都合でも...」

耕一「そんなことないって、良いですよ」

と言うことになり、翌週日曜日に舞は彩になりすまして、耕一のマンションへ行った。食材を買い込んで。

エントランスホールで、耕一にキーを開けて貰い、部屋へ入る。

舞「へー、一人暮らしにしては、広いですね」

耕一「ええ、どうせ広い所が必要になるのなら、初めからと思ってね。2LDKなんです」

舞「わっ、そうなんだ、掃除も時間掛かりそう」

耕一「ああ、掃除洗濯は昨日自分でやりましたから、大丈夫。お茶でも入れますよ」

舞「へー、何でも自分で出来るんですね」

耕一「学生時代から、一人暮らしやっていたんで、慣れています」

舞「それじゃー、奥さんになる人も、楽で良いですね」

耕一「料理も得意で、今日も自分が作りますよ」

舞「でも、食材買い込んできたので、私が…」

耕一「それじゃ、一緒に作りましょ」

で、作り始めたが、明らかに耕一の方が手際も良く、美味しそうなので、早々に舞は、手を引いた。

適当に、会話をして引き上げてきたが、専門分野の話は分からないので、適当に返事をしていたので、耕一は時々首を傾げていたが..。

帰り際。
耕一「あの、今日の話は会社へは内緒でお願いします、インターンシップの学生さんとこう言うのは、ダメなんで」

舞「分かりました、秘密にしますね」

帰宅して、彩へ報告した。

耕一の部屋のことや、料理のことなど、どうみても、耕一の方が家事のレベルは上だと。

舞は少し反省した。まー、ある程度予想はされていた、ことだが、出来もしないのに、家事をしますだなんて、家事のレベルを上げる為に、まず家の家事を積極的に手伝う事にした。

友梨は、急に手伝いだした娘に驚いていた。
 
それが、2003年7月の出来事だった。

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