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2003_横浜のお嬢様_part2.../ 30.お嬢様の油断と逆襲
登場人物(2006年時点)
幸田麗華 幸田商事 社会福祉LPF社長 1976年(30歳)
幸田耕一 KGC建設 社長 1970年(36歳)
江戸かす美 幸田美術館 準備室長 1968年(38歳)
角田 美香 美術キュレーター 準備室長 1972年(33歳)
木名瀬 愛 日仏食品DM 麗華と愛人関係 1980年(25歳)
幸田大介 輸入商事 会長 1940年(63歳)
岸野友一 KGC建設 建設部長 1971年(25歳)
高橋 直美 KGC建設設計部長 耕一と愛人関係 1970年(36歳)
角田 美香 美術キュレーター 準備室長 1972年(34歳)
2006年5月の幸田グループの役員会議で正式に幼稚園準備室が決まり、理事長に愛子、園長に麗華が兼任、副園長 太田直美が就任した。
又KGC建設が発足し、耕一が社長、岸野建設部長、高橋直美設計部長が就任した。
麗華も耕一も多忙を極めたが、その一方二人ともやることはやった。
つまり、二人ともお互いに知られること無く、愛人を作っていた。
麗華は1月のフィレンツェ出張から愛と関係を続けていたし、耕一はKGC建設に入社直後の高橋直美と恋愛関係になって行った。
コンチネンタルホテルの高層階の一室。二人は1回目の愛の行為が終わり、天上を見ていたが…
直美「社長、幼稚園の幸田園長は奥さんなんですか...」
耕一「ああ、最近は幼稚園長と呼ばれているの...良く肩書きが替わるよね...この間まで、日仏食品ビジネスサポート部長って呼ばれていたが...」
直美「そうじゃなくて、お婿さんなんですって...私、そんなこと知らないで...」
耕一「そんな、大丈夫だよ...心配することは無いよ...僕を信用して...」
直美、耕一の瞳をみつめて、唇を重ねて、また耕一の愛撫を受け、快楽の泉にまた入っていく...。
同じ頃、麗華も愛とベットの中にいた。
この二人は既に1時間以上も、快楽の海を漂っていた。
押しては引く波の合間に浮かんでは、沈む二人だ。
愛「最近、麗華さんが美術館準備室から移動になったでしょ。かす美さんが、少しキツく成ってきて、あたりが強いんです...皆、愚痴ってますよ...」
麗華「分かった。少しかす美に言っておくね。でどうなの、進捗は...」
愛「一応MM69タワーのワンフロアーで、オープンする前提で進めていますので、ペースはこれから上がると思いますが、展示内容がまだ、纏まらないですね...」
麗華「そうか、すこし会長の意見も取り入れるかな...」
どうも、この会社の仕事は、オフィスよりもベットの中で進んでいくようだ。
6月になり、幸田商事とそのグループはみなとみらい地区/69街区開発のディベロッパー・合同会社KRF69に正式に参加、土地を取得した。
以降MM69タワーと仮称される開発は軌道に乗った。
この設計に、KGC建設の設計部も参加したので、定例の会議には耕一と高橋直美部長が一緒に出席した。
だから毎週水曜日に二人は、会議に出た後、打ち合わせと称して、その夜まで一緒に過ごした。
最初は、実際本当に仕事だったが、やがてそれの後にディナーになり、そしてディナーがベットになるまで、そんなに時間は掛からなかった。
だからある意味、設計部の上のメンバーは、社長と部長の関係を薄々感じていたが、表だってそれを言うのは憚れた。
なにせ、社長は、グループ総裁の婿だったからだ。
だから、その愛娘の麗華に告げ口するなんて、あり得なかった。それはKGC建設の公然の秘密になった。
7月になり、美術館準備室にキュレーターとして、角田美香が入社した。
停滞していた、展示内容の検討は彼女の参加で進むだろうと、思われた。
彼女は幸田グループの内情を知ると、キーマンと目される大介と麗華に面談した。
美香「会長、美術館の方向性が未だ定まらないので、今日は相談に来ました。今までの検討会では、現代美術とワインに関する美術品だと聞いていますが、それでよろしいですか...」
大介「そういう意味だと理解して貰って良いと思うよ...」
麗華「はい...、でもその二つだと難しいの...」
美香「常設展はその二つにして、企画展は現代美術を中心に考えるということは、あり得ると思いますが...。」
大介「やはりワイン路線は、難しいかね...。」
美香「ある意味、ワイン関連は、2^3年に一度企画展で公開する位でも良いかなと…」
麗華「そうね、それでも良いわ...」
大介「分かった、後は君たちで決めてくれ...」
と大介は、その席から離れたので、麗華と美香の二人で話を進めることにした。
麗華「MM69タワーの事は、どの位知ってる...」
美香「みなとみらい地区69街区に建設予定で、美術館は中層部に入る。1フロア約1,250坪(約4,100m2)、美術館は18階の予定...」
麗華「そうね、20階からはホテルなの、中層のオフィス階では最上階なんだけど...」
美香「19階は何になるんですか...」
麗華「確認したら、空調設備とかを置く、設備階らしい...」
美香「でも、1フロア約1,250坪(約4,100m2)は、MMじゃ一番大きいんじゃないですか...」
麗華「だからやり甲斐はあるわね...」
そして、この打ち合わせから麗華と美香は頻繁に会うことになる。
そんなある日の夕方、麗華は建築の進捗を見に、耕一の居るKGC建設に足を向けた。
設計部で耕一と高橋直美の二人が、立って打ち合わせか、何か親密そうに話をしている。
ふと気になり、彼らから少し離れて様子を見ていると、不思議な雰囲気というか、怪しい雰囲気が彼らの周りに漂っていることに気が付いた。
もしかしたら...と見ていると、直美が耕一と何かで微笑み、二人の体が密着する位、近づいていく...。
麗華は迷った...、二人に声を掛けるのか、それともここを離れるのか...。
どうしたものかと迷っていると、そこに岸野が麗華に気が付き、声を掛けた。
岸野「部長...いや、今は社長でしたか...こんな所で、中に入れば良いじゃないですか…」と麗華の視線の先に耕一と直美がいるのに気が付く。
岸野、少し慌てて咳払いをする。
岸野「ゴホン、ゴホン。耕一社長、麗華さんが来てますよ...」
その声に、慌てて後ろを振り返ると、麗華と岸野が立っていた。直美も気が付き、慌てて耕一から離れる。
麗華が二人に近づいて言う「何か仲よさそうにしていたので、思わず声を掛けずらくてね、眺めていたのよ...お二人とも全然気が付かないんですもの...」
耕一慌てて、「何だ来るなら、言ってくれれば、そっちへ行ったのに…」
直美「じゃー、私は戻りますね...」
麗華「いいえ、少し話をしましょ、三人で。耕一さんの部屋でね」と耕一の社長室へ、先に歩いて行く。
耕一と直美は顔を見合わせて、しぶしぶ続く。
それが、2006年6月の出来事だった。
2003年の横浜のお嬢様part2 完
以降 次作「2006年の横浜のお嬢様part3」に続く
ご愛顧いただき、ありがとうございました。
連続30回掲載した「2003年の横浜のお嬢様part2」はこれで一度完了し、近日中に、続編「2006年の横浜のお嬢様part3」を掲載予定です。
どうぞ、お楽しみに。