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1996_横浜のお嬢様part1.../2. 恋人と婚約者

登場人物とあらすじ
 
会澤耕一 大手住宅会社 営業所 建築技術者 1970年(26歳)
渡邊雪絵 恋人、大手住宅会社 営業所 事務 1965年(31歳)
久野幸恵 婚約者、地方銀行 行員 窓口   1971年(25歳)
幸田麗華 輸入商事の跡取り娘 女子大生   1976年(20歳)

岸野友一 大手住宅会社 営業所 営業    1971年(25歳)
白川萌奈 大手住宅会社 営業所 事務    1974年(21歳)
幸田大介 輸入商事 社長          1940年(56歳)

 

会澤耕一は、大手住宅会社の建築技術者で、出先の営業所付きで現場施工管理を担当している。その営業所の同僚として、事務の渡邊雪江や営業の岸野友一がいる。耕一と雪江は、密かに交際をし始めたが、故郷の親から見合いを勧められ久野幸恵と会うことになる。

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耕一と付き合っている二人の女性たち、雪絵と幸恵について、触れたい。

耕一は、1972年6月生まれの24歳。
大手住宅会社の建築技術者で、施工管理を担当している、つまり現場監督である。
容姿は普通、体格も多少痩せ型だが普通で、仕事が多少出来ると本人は、思っているが、これまた普通である。

それなのに、何故二人の女性たちと付き合う事になったのか、多少説明が必要である。

雪絵は、同じ営業所の事務員で、耕一の真ん前の席に座ってる。
だから、顔を上げると雪絵が、微笑んでいる。

1965年11年生まれの、31歳。耕一より七歳年上だ、しかもバツイチで、連れ子もいる。
が、美人で、大体の男は二度見するし、よく誘われると、本人は言う。

多分そうだと思う。渡邊と言う姓は、現在離婚調停中の元旦那の姓で、旧姓は岡田という。
離婚の原因かは、旦那が日常的に暴力を振るっていて、耐えきれず、家を出たと言う。

この話は、耕一と親密になってから聞いたので、本当だと思われた。

もう一人の幸恵は、故郷の親に、急かされて見合いさせられた、相手で先月婚約したばかりである。

1971年5月生まれで、地方銀行の窓口嬢をしている。

その位だから、彼女も美人と周囲から見られている。

何故そんな美人なのに、見合いをしたのか、聞きたいが、聞けるほど、の関係にはなっていない。

大体、耕一の人間性に魅力を感じて婚約したと言うより、耕一の学歴や大手住宅会社の社員という肩書きで、見ている様な気がする。

それが幸恵に対して不満な点だった。

自分の事を棚上げにして言えば、雪絵と幸恵は、帯に短し、襷に長しの女達だった。

帰省する三日前に、幸恵から電話があった。

幸恵「今度会うときに、友達を連れて行って良い?」

耕一「友達?」

幸恵「うん、銀行の同僚で、真鍋富士子さん。って言うの。仲がいい子なの。」

耕一「分かった、良いよ」

それで、次のデートは三人で会った。元々二人で会っても話をするだけの、清らかなものなので、三人でも、そう変わらなかったが。

幸恵「こちら、真鍋富士子さん。耕一さん。」

真鍋富士子「はじめまして、真鍋富士子です。」

幸恵が連れてきた友達は、何処にでも居そうな普通の子だった。
しかし、彼女の視線は、何処となく耕一を値踏みする様な気がした。
多分そう言う事で、連れて来たのだろう。

三人で、ドライブをし、国道沿いのレストランで食事をし、当たり障りの無い会話をし、それで別れた記憶しか無い。

その中で、幸恵と富士子のやり取りに引っ掛かるやり取りがあったのは、覚えている。

幸恵「どう?耕一さん」

富士子「良いんじゃない。」

みたいなやり取りがあった。それは、富士子から見て耕一は合格レベルですよ。見たいな。

ある意味、耕一を値踏みするような話であり、ふざけた話だし、屈辱的とも言える話だが、惚れている弱みかあり、文句も言えず黙って聞いていた。

耕一は、表面的には、穏やかにしていたが、余り良い気分はしなかった。
そして、そう言う事をする幸恵の無神経さに一抹の不快感を覚えた。

計算高い女なんだと。

唯、耕一は幸恵の美貌には、抵抗出来ない状態だったから、何も言えずにいた。
これが、もう少し赤裸々に言える関係だったら、結果は違っていたのかもしれない。

そして、問題はその次のデートで起こった。

それが、1997年12月の出来事だった。




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