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2006_横浜のお嬢様_part3.../ 12.家出婿のホテル暮らし
登場人物(2007年時点)
幸田麗華 幸田商事 社会福祉LPF社長 1976年(31歳)
幸田耕一 KGC建設 社長 麗華の婿 1970年(37歳)
幸田大介 輸入商事 会長 1940年(66歳)
江戸直樹 幸田商事 社長 1950年 (57歳)
高橋 直美 KGC建設設計部長 耕一と愛人関係 1970年(37歳)
後藤 絵美 Y国大 OG,KGC設計部 新人 1981年(26歳)
耕一はまだ怒っていた。
さっき山の手通りの幸田家を飛び出してきたばかりだ。
麗華に対してこれほど怒りが起こるのは出会ってから初めてだし、温和な耕一にしても、20年ぶりの怒りかもしれない。
その怒りの所為か、いつの間にかiPhoneの電話リストから後藤絵美の携帯番号へ無意識に、掛けていた。
ふと、我に返り、気が付くと電話の向こうから、女の声が聞こえてきた。
絵美「あらー、珍しい…耕一さんから電話だなんて...どうしたんですか...」
耕一「あっ、いや、間違って電話した、ご免、切るよ...」
絵美「嘘、うそ、間違いじゃないでしょ...私と話したかったんでしょ...今、何処ですか...」
耕一「あ、あー、コンチネンタル」
絵美「直ぐに行きます。コンチネンタルホテルの何処、部屋...」
耕一「あっ、いや、PIER21...に居る」これは嘘で実は26階の1キングクラブ プレミアムにチェックインしていた。
絵美「今すぐに、行きます...タクシー飛ばして...」
耕一「あっ、いや、僕が迎えに行くよ、えみちゃんの最寄りの駅は何処...」
絵美「えっ、あー、本郷台駅ですが...」
耕一「ああ、知ってる。あの円形のロータリーの自家用車の送迎待合所にいて、直ぐに行くから...」
絵美「分かりました...」
耕一は、本郷台駅へ向けてクルマを飛ばしている。
こんなわくわくする気持ちは久し振りだ...何年ぶりだろうか、ふと思い出そうとしたが、中々思い出せなかった。
多分、独身時代に麗華と911でデートしていた頃だろう。
そう言えば911にもずーと乗っていない。最後に乗ったのも、忘れた…。
外は、2月の夕暮れ時で、西の夕日は、まだ微かに明かりを残している。
後30分もすれば、日が沈むだろう。
明日は日曜日なので、今晩は一晩、絵美と過ごせるなとふと思い当たった。
そう考えると、絵美の透き通る肢体が、思い出されそれだけで股間が熱くなってきた...。
本郷台駅前のロータリーの送迎に絵美は白いコートを着て、寒そうに立っていた。
アストンマーチンを彼女の横に付けて、ドアを開けた。車高が低いので乗りにくそうだ。
絵美「このクルマどうしたんですか...」
耕一「ああ、先月家に来た...」
絵美は微笑みながら「クルマが一人で来たんですか...」と和やかに言う。
その微笑みを見た瞬間、耕一は絵美の魅力の虜になった。
耕一「そうなんだ、この子にウチにおいでと行ったら、来たんだよ…」と軽口を叩いた。
絵美「社長さん、今日はご機嫌ですね...」
耕一「いや、君の顔を見るまでは、死んでた...」
絵美「そうなんですか、そんな風には見えませんが…」
耕一「何処か、美味しいものを食べに行こう...」
耕一は、今日の嫌な気分を一掃したかった。この娘と食事をすれば、気分も少し晴れるだろうと思った。
クルマを鎌倉・稲村ガ崎に向けた。日が暮れてきて、二人を乗せたアストンマーチンは、太いトルクで優雅にクルージングしている。
絵美「今日は、急ですね。何かあったんですか...」
耕一「ああ、少しね...でも、詳しいことは話せないので、その話は勘弁してくれ...」
絵美「すいません、余計なこと聞いて。余りに社長さんが暗いので…何時もと違いますから...」
耕一「気遣ってくれて、ありがとう…それと、その社長は止めて、耕一で良いよ...」
絵美「いつもは、なんて呼ばれて居るんですか...」
耕一「耕一さん、こーちゃん...かな」
絵美「じゃー、耕一さん で…、私の事は、エリーで良いです…親しい友達は皆、そう呼んでます…」
耕一「エリー..か、サザンの唄みたいだね」
レストランは、海側の席は埋まっていたが、奥の席で二人、静かに食べていた。
耕一は運転があるので、アルコールは控えたが、エリーは相変わらず、ピッチが早く、途中で耕一が止めた。
以前にも悪酔いして、大変だったからだ。
食べ終えて、店の先の七里ヶ浜海岸にクルマを停めて、二人で海を見ていた。もう暗闇で、沖の漁り火しか見えなかった。
耕一はエリーのあごを少し上にして、唇を重ねた。暫くすると、エリーの舌が耕一の中に入ってきた。暫く二人の舌は絡み合っていた。
横浜まで我慢できないと思った耕一は、大磯プリンスホテルへ予約を入れて、そのまま進んだ。
部屋に入ると、エリーは直ぐに求めてきたが、それを制してふたり全裸になるとシャワールームで、お互いの身体を隅々まで、鑑賞しシャンプーした。
途中で、エリーが耕一の膨張した息子を咥えたのは、停めなかった。
彼女のテクでは、放出できないことが分かっていたので、好きなようにさせていた…
それが、2007年2月の出来事だった。