見出し画像

2004 双子姉妹の恋.../23.田園都市を創る人々

登場人物
友部 彩 双子の姉 製薬会社 新薬開発研究課 1982年
友部 舞 双子の妹 ハウスビルダー 設計担当 1982年
友部 聖(あきら)彩・舞の弟 TX大医学類学生 1985年
友部 友梨 舞・彩の母
 
山下 敦 ハウスビルダー 設計担当 1976年
高山 耕一 製薬会社 新薬開発研究課チーフ 1972年
山辺 早奈江 不動産会社 営業課長1980年
本田 香織 不動産会社 営業担当 1986年
半田 幸恵 つくば市要の地主    1975年
半田 充 幸恵の長男 TX大自然学類学生       1984年
 
本田香織は、友部不動産会社に入社して営業担当になったが、専門学校を卒業して入社したから、まだ21歳で上司の早奈江や役員の敦について見習い中である。

美人と言うより、かわい子ちゃん系に属するので、周回から「かおり」と呼び捨てにされて、可愛がられるキャラである。

友部不動産のメイン事業の要地区田園都市開発の担当でもある。
だから半田家にも出入りしている。

本田香織「こんにちは…」

半田充「はーい…」

香織「友部不動産です、お世話になります。最新の宅地図をお持ちしました…」

充「母は留守なので、預かります。あれっ、確か本田香織さん…」

香織「はい、名前覚えて貰えました、嬉しい…」

充「そりゃ、覚えますよ。本田さんは、営業なの...」

香織「そうです…」

充「へー、若いのに凄いね…」

と若い二人は、直ぐに距離が近くなる。

事務所に帰ると、早奈江に呼び止められる。

早奈江「かおりちゃん、図面渡してくれた...」

香織「留守だったので、息子さんに渡しておきました…」

早奈江「ありがとう。彼、素敵でしょ…」

香織「そうですね…」

早奈江「ダメよ、商品に手を出しちゃ...」

香織「商品...」

敦「プロとして施主や地主と恋愛関係になることを、戒めているんだよ…」
暫くして、香織が敦のところへ来る。

香織「あの、すいません。私、半田充さんとTDLへ行く約束しちゃったんですけど...」

敦「....。それって、課長には言った...」

香織「課長に言ったら、怒られると思って...」

敦「そうね、怒られるね。どうしたものか...」

敦、暫く考えて「じゃー、課長には内緒にしよう。但し、今回だけね…」

香織「わかりました。ありがとうございます…」

敦としても、一度くらいならと、軽く考えていたのだが...」

その1ヶ月後、話が有ると早奈江に地主の幸恵から連絡が有り、行くと。

幸恵「山辺さん、お宅の本田さんとうちの充が付き合っているって、知ってる...」

早奈江「えっ...」

幸恵「知らないのね。充が本田さんと付き合っていて、結婚も考えていると言うのよ。どうしようかと...」

早奈江「申し訳ありません。管理不行き届きで…」

幸恵「うん、そうなんだけど。私としては、事を荒でたく無いのよ。こういう話って、反対するとするだけ、当人同士は燃え上がるでしょ。自分たちは悲劇のヒロインのつもりで...」

早奈江「...確かに、仰る通りです…」

幸恵「だから、暫くそのままにして、知らない振りするから、よろしくお願いします…」

早奈江「申し訳ありません…」

事務所に帰り、香織を呼ぶ。

早奈江「半田さんから呼ばれたの、あなたと息子さんの件で、付き合っているって、そうなの...」

香織「はい…」

早奈江「いつから...」

香織「先月、宅図を届けた時に、TDLに誘われて、それから...」

早奈江「だから、言ったでしょ。商品に手を出したらダメと...」

香織「私、どうしたら良いんですか...」

と、そこへ敦が早奈江の怒る声を聞いて来た。

敦は、事情を聞いて「そうなんだ。半田さんの言うとおり、こちらは何もしない方が良いね。当人達に任せましょ。でも私は幸恵さんに、謝罪に行ってきますね…」

香織「すいません、部長…」

早奈江「私には...」

香織「すいません。課長…」

早奈江「うん、もう...」
 
それが、2007年7月の出来事だった。

いいなと思ったら応援しよう!