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Lady in the Lake 水底の女/Raymond Chandler 村上春樹訳 自宅の本棚から その8

私のKindleのレイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウは全部で7冊あり、前回は一番お勧めのThe Long Goodbye 2回目はGoodbye My Lovely を取り上げたが、今回はベスト3の最後の作品で私にとって難解だった、これを取り上げたい。
The Lady in the Lake 題名からして、韻を踏むものだが、ストーリは複雑怪奇で、最初の出だしから結末まで、延々読者は引き回されること、請け合いである。と思うのだが、村上氏や他の読者には、どうやらそうではないようだ。
延々引き回されると書いたが、だらだら進んでいくと言われてもしょうがない。だが、主人公のマーロウ以外にも魅力的な人物が数多く登場する、ウェーバ警部やデガーモ警部補など、ある場面ではマーロウ以上に活躍する。
一方、魅力的な女性は、他のシリーズよりも控えめな気がする。少なくともマーロウの前に現れるスタイルの良い美女とは絡むことが無いのも少し残念だった。(すいません、期待してました…ちょほほ。)

他の作品と比べると、弱い点もある。ダム湖の水死体の女もその身元が、ある程度予測されてしまうことから、ミステリー自体の弱点になっている。
だが、マーロウの魅力はダントツである。美しい髪を持つ美女達にも心を動かされず、どつかれても、自分の信念で事件の真相へ進んでいくところは、ドライブ感や展開の多様さもあり、最後まで読者を掴んで離さない。そういう魅力をこの作品は持っている。
まー、余り語るとネタバレかもしれないので、この辺で。

その他の作品も、いずれ触れたい。

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