見出し画像

2003_横浜のお嬢様_part2.../6. 麗華の初陣-初選挙戦

前回>> | Part2_初回 | <<次回

幸田麗華 日仏食品ビジネスサポート部長 1976年(27歳)
幸田(会澤)耕一 セダ 課長         1970年(33歳)
幸田大介 輸入商事 会長        1940年(63歳)
佐藤愛子 大介の妻           1966年(37歳)
江戸直樹 幸田商事 社長        1950年(53歳)
江戸(有村)かす美 日仏食品ビジネスサポート課長1968年(27歳)
大阪真由美 幸田商事 輸入課長      1963年(40歳)
山崎修  幸田商事 カスタマー課長    1960年(43歳)
 
2003年2月、麗華の選挙事務所が幸田商事の近くのテナントビルの1階に開所した。
お祝いの花が出入り口に沢山届き、大勢の支援者や関係者達が忙しく出入りしている。
麗華の政策や心情、プロフィールが記載されたビラも山積みに、またポスターも昨日スタッフが壁に貼られている。

応援のポスターもこれから増えていくだろう。

事務所開きの式では、後援会長の江戸かす美が最初に挨拶にたった。

かす美「幸田麗華さんが、今回市議選に立候補することになりました。後援会長を務める江戸かす美です。麗華さんは、女性の地位向上や社会福祉政策、教育の無償化を政策に掲げております。そして、女性政治家がこれからこの国に、大勢出てこられる法整備も大きなテーマにしています。..」と話し始めると、皆聞き入った支持者から大きな拍手や声援が沸き立った。

支持者は女性6割、男性4割と、やはり女性が多いが若い男子も多い。

掲げる政策も女性の地位向上から教育としているから、尚更だが。

父大介や夫の耕一も麗華の横にいる。流石に幸田家の跡取り娘の立候補なので、幸田グループ会社の社員のスタッフ、協力会社関係者の姿も多い。

いよいよ麗華の挨拶である。

「今回、市議選に立候補しました、幸田麗華です。私は政治の世界では、素人ですが、その志は高く持ち、皆様の為、地元の為に、政治の世界へ飛び込んで、女性の地位向上から教育改革まで取り組んで行きたいと思います。..」

その挨拶に、支持者は聞き入り、最後には万雷の拍手があった。特に女性達からは力強い声援があった。日頃、女性達が思うことを、代弁する候補者として見ていることがよく分かる。

選挙戦は2週間続き、街頭演説を多くし、地区を回ることも多く、まずは顔と名前をという、方針で進めた。

麗華と耕一は、原付自転車を自ら運転し、選挙区を回った。かす美も選挙カーにのり、マイクを握ったが、元々、女性候補を前面にだしているので、聴衆の受けは、女性の方が良かった。

特に麗華が駅前や街頭に立ち、演説をすると、初めは少なかった聴衆も、日ごと増えていった。立ち止まり聞く女性達が多く、関心は段段と高くなった。

そして耕一がマイクを握ると、彼の女性達へのアピールは高く、麗華の時よりも、熱心に聞き入る聴衆も多く、時に彼女の時よりも反応が濃いときもあり、スタッフは驚いた。

やはりここでも、耕一は女性達へアピールすることを麗華は痛感した。

いよいよ投票当日、麗華を初め幸田家の者が投票に行くと、会場前でマスコミからのインタビューを受けた。

耕一もインタービューに答えた
「この国の女性の不利益な立場が男性と同じレベルになるまで、家内には頑張って貰いたいと思います」と答えた。

欠点も少なく、目立ったこともあり、何より政策も明確なので、女性票が多く、5位で初当選した。

開票が開始された3時間で当確が出て、選挙事務所はお祝いムードになった。
当選の花束は、耕一が麗華へ渡した。

すると事務所は大方墳に達した。御礼の挨拶で麗華は言った
「ありがとうございます。ひとえに皆様の支援とご理解の賜と感謝いたします。公約した政策の実現に向けて、頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします」

これが、麗華の政治活動のスタートになった。
 
これが、2003年4月の出来事だった。

前回>> | Part2_初回 | <<次回



いいなと思ったら応援しよう!