2004 双子姉妹の恋.../24.夏の日々
登場人物
友部 彩 双子の姉 製薬会社 新薬開発研究課 1982年
友部 舞 双子の妹 ハウスビルダー 設計担当 1982年
友部 聖(あきら)彩・舞の弟 TX大医学類学生 1985年
友部 友梨 舞・彩の母
山下 敦 ハウスビルダー 設計担当 1976年
高山 耕一 製薬会社 新薬開発研究課チーフ 1972年
山辺 早奈江 不動産会社 営業課長 1980年
本田 香織 不動産会社 営業担当 1986年
半田 幸恵 つくば市要の地主 1975年
半田 充 幸恵の長男 TX大自然学類学生 1984年
本田香織と半田充の交際が明らかになった翌月のお盆休みに香織と充は、周囲に秘密でハワイへ遊びに行った。
お盆休み明けに、焼けて出社したが、誰も気が付かなかった。
あれほど騒いだ早奈江も敦も気が付かなかった。
流石にあれだけ注意したのだからという油断は有ったと思われるが...。
香織はフォローしている地主があった。
半田家の敷地に隣接する岩井家である。
やはり、遺産相続や、農作業を続けることが困難な状況になるだろうと見越して、いつも来る香織に任せることにした。
勿論、敦や早奈江も何度か見学会等で会っているので、香織の後ろのサポート体制への安心感はあった。
香織が早奈江を連れて、契約前の打合せに行ってきた。
早奈江「かおり、お手柄よ。初めての契約ね。契約書の準備して、来週の大安に契約よ」
香織「はい、準備します」
敦「かおりちゃん、おめでとう。初契約か、意外に早かったね。優秀だよ」
と、周囲から褒められると、流石に嬉しい。
その晩、香織のマンションに充が来ていた。
充「おめでとう。やったね」
香織「ふふ、ありがとう」と充に抱きつく。
充は香織の背中に手を伸ばし、ジッパーを下げる。
香織がそれに気づいて「待って、シャワー浴びてからね」と軽くあしらうと、充はシャワールームへ行く。
先月、二人でハワイへ行っているので、こういう場面を仕切るのは香織の役目になっている。
二人は同い年だが、社会人で女性の香織が、リードしている。
1時間後、1ラウンドが終わり、ベットで充がタバコを吸っている。
香織「契約したので、来月から歩合給が付くのよ、充の1区画私に譲ってくれないかな...」
充「会社から社員価格で買えるんじゃない」
香織「そうね、そうするわ」
充「どうするの?家でも建てるの...」
香織「そう、貯金するより、手堅いし、多分値上がりするからね」
充「見かけによらず、しっかり者だね」
香織「そうよ、こう見えても、私堅実だからね、無駄使いはダメよ」
充「へー、こっちはそうでもなさそうだね」と香織の花弁を愛撫し始める。
香織は堪らず、身をくねらす。
翌週、香織は早奈江に相談して、半田家の分譲地の一番奥の未契約値を社員価格で契約した。
通常の賃貸契約金額の15%引きである。
その件で、敦に住宅の設計依頼もし、間取りや仕様の希望を伝えた。
早奈江も敦も香織が定期借地権の契約と住宅の設計依頼をしたことに、驚いたが、社員が買うことに異論も無く、直ぐに手続きに入った。
確かに若干21歳で住宅を建てることについて、後で聞くと、彼女は母子家庭で育ち、今まで育ててくれた母親と一緒に住むのだという。
そういうしっかりと今後の事を考えているので、驚いた。
やはり人は見かけや年齢によらず、その行動で判断されるとは、よく言ったものである。
確かにプランで個室が2室あったが、そういう訳なのかと敦は納得した。
最初は充の部屋かと思っていたが…。
翌月の11月に聖と早奈江の新居が完成し、彼らに引き渡しをされた。
敦「はい、これが鍵と引き渡し関係の書類一式です。早奈江さんが詳しいから、後で聞いてね」
早奈江「はい、あーくんには後で教えます」
敦「何時引っ越しするの、皆で手伝いに来るよ」
聖「ありがとう、ございます。早奈江さんのタンスや机もあるから、よろしくお願いします」
舞「お母さんには、一応話しておくのよ。心配するから」
聖「わかった。電話しておく」と相変わらず、母親とは疎遠な様子で有る。
隣で早奈江は下を見ている。
翌週、彩・舞夫婦と会社の同僚達が、引っ越しの手伝いに来た。
早奈江の家具が有るくらいで、午前中に終わり、昼は近くの中華料理店へ皆で行った。
舞「やっぱり、ワンルームは広々していて、気持ちが良いね。ある意味潔いし」
早奈江「お陰さまで、素晴らしい新居が完成し、ありがとうございます」
舞「うぅん、インテリアは早奈江さんがやったし、ある意味早奈江テーストだね」
聖「でもね、あの家、一人になれないんだよ」
彩「あら、一人になりたいの...」
聖「たまには」
舞「何言ってんの、貴方達ラブラブじゃない...」
早奈江「あーちゃん、そんな時は、言って、どうにかするから」
彩・舞は不思議そうな顔をする。
それが、2007年11月の出来事だった。
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