自転しながら公転する/山本文緒 図書館の書架から その1
2020年9月刊行。図書館から借りて、半分まで読んだ。この本については、2点書きたい。
1点目。最後まで読めなかった件について。多分、読む気が無くなったのは、主人公の都のつき合っている回転寿司店員が、解雇された下りで、先が見えて来て、読書欲が低下したからと思われる。この本は、この主人公の視点で常に描かれているので、この主人公に共感し、分身化出来れば、最後まで読めると思う。古希手前のGGには、その点厳しかった。
2点目。これまで借りた図書館の本としては、一番読まれていた本だと思う。本の小口についた手垢の黒さが尋常ではなく、ほぼグレー色だった。それくらい貸出され、読まれているのだと思う。読者は女性で、20代から40代だと思われる。根拠はないが、主人公に共感出来る年齢層はその範囲かと。そういう意味で、この主人公の心の生活環境、在り方、生活やその考え方、生き方に共感出来るものが、多いのだと思う。そういう意味で、主人公に共感出来る人には、お勧めである。
3点目。結論的には、過激にリアリズムな小説であり、夢や理想などという甘いものを期待する人には向かない。多分それは自分なのだが…ちょほほ。反面、厳しい現実に向かい合って生きていく女性の共感性は高いと思う。
以下 あらすじ
母の介護のために憧れであった東京から実家のある茨城に戻った32歳の女性が悶々とした日々を過ごしていく中で出会った、優しいけれど経済的に不安な男性との関係が深まっては離れていくという道を繰り返し、様々な不安に苛まれながらもひたむきに幸せを追い求めていく姿を描く[4]。
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