2004 双子姉妹の恋.../11.母の秘密
登場人物
友部 彩 双子の姉 理科大 薬学部4年 1982年
友部 舞 双子の妹 ハウスビルダー 設計担当 1982年
友部 友梨 舞・彩の母
友部 幸太 舞・彩の父
友部 紀 彩・舞の弟
山下 敦 ハウスビルダー 設計担当 1976年
高山 耕一 製薬会社 新薬開発研究 1972年
彩・耕一は2004年年末に婚約し、翌年から友梨のマンション、舞と敦の隣へ越してきた。
結婚式は6月なので、婚前同棲生活という、舞達と同じパターンになった。
例の2世帯の自邸は、プランも決まり、実施図面を舞と敦が休日や平日の夜に手掛けている。
自邸とは言え、仕事以外での作業なので、疲労が蓄積してきている。
それでもGW空けに図面が完成し、5業者へ相見積もりとして、お願いしたから、6月に中旬には、各社から金額も出て、地元の野村工務店に決まった。
敦「野村さん、よろしくお願いします。第1期工事は、1LDKが2世帯となります。家族が増えていく度に、増築となりますが」
野村「こちらこそよろしくお願いします、長いお付き合いになりそうですが、丁寧な仕事をしていきますので、よろしくお願いします」
で、確認申請も下り、9月に着工し、翌年3月に完成予定となった。
舞「結局、お姉ちゃん達は、ここに1年しか住まないことになりそうだね」
彩「元々ママのマンションだからね。紀も此処に住むのかな..」
弟の紀は、一浪して、TX大の医学部に入学した。医学部は歩いても行けるくらいの距離だから、此処に住みたいと友梨に言っているが、2,3年になるまで、ダメと言われているらしい。
舞「ママは紀が直ぐに女の子を連れ込んだり、同棲始めるんじゃないかと、思っているみたい」
敦「紀くんは、真面目そうだからね、大丈夫じゃない...」
彩「でも、看護学校もあるから、直ぐに付き合い始めるんじゃないかと、心配みたい...」
舞「私達が、毎日様子見に行けば...」
耕一「なんか、五月蠅い小姑がふたりも居ると、遊べないね...」
敦、耕一「あははは...」
彩・舞 は憮然としている。
確かに、紀は美女の姉妹の弟の血筋かかなりのイケメンで、街を歩くと若い女性がよく振り返るし、大学ではラグビーも始めて、体格も良くなり、筋肉も増えてきたので、周りの女子達はほっておかないのだろうと、4人は見ていたが...。
その4人のマンション生活も、段段慣れてきて、休日には、4人で食事をすることが、多くなった。但し、舞と敦は火曜と水曜日で、土日の彩・耕一とは合わないから、祝日は4人で食事をした。
彩「あと2ヶ月で結婚式か、早いね」
舞「そうよ、あっという間よ、まだ辛うじて独身だから、何かしておきたいことないの...」
彩「そうね、お母さんと舞の3人で旅行へ行きたいね」
舞「良いんじゃ無い、ねっ」
敦「ああ、そうしたら良いよ、GWでもまだ間に合うんじゃない」
耕一「それはいい」
ということで、親子3人でGWに2泊3日の京都旅行となった。行き先は、友梨の希望だった。
友梨は結婚してから、京都へ行ってないと言うので、そうなったのだが、大原へ行きたいと言うので、三千院を回り、実光院で暫く庭園を眺めていた。
友梨は何か思うことがあったのだろうか、口数も少なく何か物憂げな雰囲気だった。その晩、三人で寝ていると
友梨「来月には彩も結婚だし、今まで話さなかったことがあるの」
舞「何...」
友梨「お父さんと付き合っていたときに、実はお腹にあなたたちがいることが、分かり、どうしようかと...」
彩「私達...」
友梨「そう、私達はまだ学生で、生活出来ないことは分かっていたから、気を付けていたんだけどね。二人悩んだわ…」
彩「でも、産んだのね」
友梨「そう、お父さんは大学を中退して、今の会社へ就職したの、中途採用だったから、大変だったみたい。でも、こうして貴女たちや紀を育てあげた。お父さんは苦労したのよ」
舞「そうだったんだ、だから、そこは何回も私達に話したのね」
友梨「そう、貴女たちに苦労して貰いたくなかったから。二人ともそんな事が無くて良かった」
それが、2005年5月の出来事だった。