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書きたいだけ書く日記【2021/10/11~10/18】

やっと熊本にも涼しさ到来。ショパンコンクールの予選の進行を楽しみつつ、子の学校祭、アシダカ軍曹生け捕り、燃え尽きなどの1週間。

2021/10/11(月)濁っている結構な節穴

 6時起床。薄暗い。この時期、明るくなる時間がどんどん後ろへ移動していく。今日の当地の日出の時間は6時18分。いつも起きる6時20分は日の出後の時間。もう少し早いはずの先週のことを思っても、この20分の差は大きく、日の出前はやはり暁闇、暗いものなのだと思う。
 朝食は鮭おにぎりとキャベツ炒め、炒り卵、りんご(早生ふじ)。ついにふじが出回るようになった。私と息子1はふじが一番好き。ふじの咀嚼している間に来る独特の味と香りはザ・りんごといった感じで、他のどのりんごにも無い。
 オットも息子1も早出で、7時半には私一人になったので、さっさと原稿に取り掛かる。はずがどうにも気が乗らない。そして眠い。仕方ないので少し眠る。奇妙な夢を見た。内容は忘れた。
 観念して資料を印刷し、書き始める。いや、出来るのよ、絶対。それなのに複雑になっちゃうのは、はまって書くと死ぬほど疲れて翌日使い物にならないからかも知れない。
 書き物、乗ってきたのでもう大丈夫、と皮膚科。診察日。円形はよい感じだそう。お薬をもらって買物。ダイレックス。またしても液体が多くて嫌になる。重い。息子と私が飲むコーラ、息子はゼロカロリーは体に合わない。私はそれしか飲まない。ということで別々のものを買うからかさばる。
 午後、案の定通院と買物に疲れて、続きに手を付けるのが遅くなる。
 お仕事も書き物も6時を終業時間にしているのでそれまでは頑張る。やったけれど頑張ることを頑張った感あり。あほっぽい。
 晩ごはん、ナスとピーマン豚肉の味噌炒め、あさり汁、ごはん。
 まだ暑いけれどやっと良いあさりがスーパーに並ぶようになってきた。受験生の体に栄養を入れたくて必死。
 息子1がお名前に目覚め、自分の名字について調べる。私は学生時代演習でやったし、現姓についても一般的なことは調べているので微笑ましく見守っていたら、私が気づかなかった切り口を指摘される。そこがあったか!ぐらいの突破口。うまくいくと戦国まで辿れる。うちの皆の個人情報なのでこんな曖昧な言い方だけどここに書いておく。ああ、大人の目は濁っているし、結構な節穴だ。

2021/10/12(火)アシダカ軍曹生け捕り

 書きたくて書いている書かねばならないもの、昨日書いていた部分までが結構良い進行だったせいか、暗くない気持ちで起きる。
 朝ごはん、きゅうりとツナのサラダ、「生ろぉる」という丸パン、りんご。先に食べ始めた息子1、「生ろぉるって、名前」と言って食べ、後のオットは食べ終わってから「生ろぉるって」と言う。二人共「ろぉる」が耐えがたい模様。私もその命名、とは思っている。スノッブぶってダサ名に成り下がっておる。
 燃えるゴミも早いうちに出したし、買物も前日頑張ったので籠城戦の心構えで書き物に取り組む。
 掃除するとめちゃくちゃ暑い。
 昼、豚汁、納豆、冷凍梅ささみ揚げ、ちくわ。

 書くべきものはやはり、普通に出来た。ものすごく楽しい。無いものを掘り出してくるの、最高に興奮する。2000字のところ2000字。少しはみ出していいとのことなのでもう少し思案。〆切まで2日あるので余裕がある。
 ものすごく疲れて4時、集中切れ。日記など観測観察業務。
 このところ介護脱毛という言葉をよく見る。これは歳をとって人に排泄の介護をしてもらう時の面倒を考えてだという。間違っていない。けれどもスッとは腑に落ちない。介護についてシモのことだけ考えるのが歪というか。私がしたことがあるのは息子2の生活の補助だけなのだけど、大変なのは移動・移乗なのよね。そういう配慮を考えるなら、毛をどうかするより体重を軽めに保つべきではないかと思う。結局、脱毛を商売とするところの戦略にすっかり乗せられている感じ。芸能人と言われる人たちが「ええ私もやってます」とか、「これからの常識」とか言ってる言葉にまんまと乗せられるの嫌よ。脱毛を迷う人の決断になるならなんでもいいのかも。
 晩飯、メッキの西京漬け、鶏団子スープ、納豆、ごはん。メッキは銀色のお魚。熊本あたりではこう呼ぶ。調べたら小ぶりの平アジのことだった。メッキとかシバとかヤズとか、魚の地方名は豊かな感じがする。

 風呂に入って出たら、目の前の壁に例の巨大アシダカグモがいて、「ああもう」と言ってしまう。向き合って体や頭を拭いて、心底嫌になる。オットに言うと、俄然喜ぶ。家族で自分だけ見ていないことがくやしかったらしい。私は敵の強大な姿を目前にして完全に打ち砕かれていたのですごすごと退却。オットが大騒ぎしているので見に行くと、なんと半透明の小さな洗面器を壁に押し付けてアシダカを閉じ込めて生け捕りにしていた。なにか、スライドして差し込む紙をくれと言う。クリアファイル駄目。年金特別便の封筒も駄目、柔らかすぎ。最終的にレゴの緑の板で成功。とりあえず撮影。外に放しに行くこととなる。オットが着替えるというので私が持つも、き・も・ち・わ・る・い。半透明なもんだから巨大アシダカのお腹丸見え。やつの動きは手に伝わってくるし。せっかく持つ係を代わっているのでオットにも撮影をすすめる。
 放しに2ブロック先まで行った。夜に蜘蛛持って歩いてると思うとやたら笑える。蜘蛛持って歩いている中年夫婦と思うともっと笑えてきた。
 放す時、蜘蛛に言ってやった。
「お前、うちのチビッコたち食いまくりやがって」
チビッコはハエトリグモのこと。うちのペット的存在。オットも軽く洗面器を振って叱る。開けた瞬間、かすかな音で着地して、あとはそれきり。
 塾から帰ってきた息子1に顛末を話すと面白そうに聞いたあと、
「チビッコたち、2匹は俺の部屋に避難してる。朝はいたよ」と言った。
 その後完全に脱力。戦ったのは私じゃないけれど、尽きた。私は7センチ越えて長い虫は駄目だ。芋虫のたぐいも蜘蛛も、全部。それにしてもオットの張り切りよう。へとへとで就寝。

2021/10/13(水)何かの「前」

 朝ごはん、生ろぉるでエッグバーガー、りんご。
 生ろぉる、やや扁平の丸パンなので、実はバーガー狙い。今日が本命の使い方。市販のバンズがあまり美味しく感じないので避けてきたところ、生ろぉるの出現。しかし名前がね。
生ろぉる

https://mognavi.jp/product/482657

 ショパンコンクールの2次予選の結果を朝から見る。この夜中に発表だった。反田さんと角野さん、小林さんが通っていた。牛田さんが落ちていて驚く。なにかおかしいことしたのかしら。息子1が推しの、かてぃん、角野さんは予備予選でかなり心配だったものの、1次も2次も通った。つくづくコンクールは演奏するその瞬間まで進化・変化しているのだと思う。
 しかし改めてショパンコンクールは長くて重いな。5年ごと開催で書類審査があって予備予選。ここで一度ワルシャワに行く。数カ月後またワルシャワへ行き、予選が3次まであって本選。出場を考える人にとっては5年がかりの大仕事。今回は感染禍で1年延期で6年も。
 やること多くて頭バグる。同時進行モードにならない。とにかく1日かけてやりきればいいということで自分を落ち着かせる。冷蔵庫にあるもので昼を食べて、そこからやっと本調子。
 梁の時評の再校を戻す。次はかばんに出す一首評。勝手に1000字と思っていたら800字。〆切まで余裕があってよかった。修正予定。付箋でディスプレイ横に貼る。
 そして、あとひと味が足りない小さな評論を修正。自分的及第点には達したので、一首評も修正。200字削るのなんて無理かと思ったけれど意外と。こちらも及第点。付箋はがす。
日記もnoteにアップ。

 心底疲れた。今日ミッションとしたことは終わった。書き物に注力しすぎると疲れが蓄積していく。
 こんな時、外国の自然とか移るドキュメンタリー物とかが良い。エチオピアのダナキル砂漠の塩の民アファール族の番組。つけっぱなしのテレビから流れるのをしばし視聴。ラクダと通じ合う豊かな人々。

 ここ数ヶ月の心身を休めたりやりたかったことに取り組む生活の中で、やっと何かの「前」に戻ってきた気がする。ここ数年ずっと、壮大な後夜祭を生きてきたと思う。下りより上りの方が面白いね。それが山とみなすようなものではないにしろ。

 晩ごはん、筑前煮、みそ汁(大根と小松菜、南関あげ、豆腐で熊本の麦味噌)、冷奴(食べるラー油かけ)、ごはん。雑にヤーッと作った時は美味しいことが多い。

2021/10/14(木)nervous

 早起き、5時半。さすがに日の出50分前は真っ暗。息子1の学校祭の集合が7時のため。朝から体重測定をしてアプリに入力したいのでこうなる。
 朝ごはん、鮭おにぎり、熟成The GRANDアルトバイエルンの焼いたの、きゅうりのぬか漬け、りんご。
 やばい日は鮭おにぎり。そうしたけれど全く食進まず。息子1、昨日からナーバス。自分しか出来ないソロなのに後輩に吹かせるとか言う。色々と雑用も多くそっちで大変で息子1はもうあふれる寸前。何をどうするのか選ぶのは自分。他人が選んだものなんてこの方面では何の価値もないし、言えることも何もないものの歳経た者として、投げ出すと後悔するし、その先ずっと後味悪いことになる可能性があることは伝える。気分を上げてやるために昨夜はシャツにアイロンをかけておいた。
「かけてもさ、俺は腕まくりが特徴だからまくっちゃうよ、しわになる」
と言うので、
「アイロンが掛かって袖にびしっと線が入っているのを、わざとまくるからかっこいいの」
と言ってやる。息子1、なんとなく元気そうに行った。
 今日は祖父の誕生日。甲子園球場と同い年の甲子(きのえね)だから生きてたら97歳だ。この人がいたから私が居る。私に文学にちなんだ名をつけ、「ああこ」と呼び、私にピアノを買い与え、物書きを勧めた。私の実母にとってのステップファーザーだから全く血の繋がりはないのに、毒多めの祖母と実母に振り回される私にとって逃げ場だった。去年は忙しさに取り紛れて忘れていたけれど、今年は昨日から思い出していた。

 学校祭は県立劇場のコンサートホールで開催。3年生の親が1人までしか参加は許されていない。オットがいそいそと出かけていった。私は家で限定配信のYou Tube。長年のコンクール付添い生活で、子の本番を見ると過剰に緊張して疲れてしまうからベスト配置。
 音楽イベントはしんどい。私は色々聞きたくない。特に合唱と管楽器、このジャンルはお仕事的にホームだからか、耳が勝手に本気で聞くからすごく疲れる。だから普段は必要がないと聞かない。息子たちは多分5番手、良くて4番手と思う。次のグループが絶対に1位。これが覆るなら審査員の耳はちくわ。結局聞いちゃう業の深さよ。息子1、部活の演奏はちゃんとやり切った。それだけで号泣。自分で判断してやって、やり切ってきたことが素晴らしい。

 息子より先に帰宅したオット、社交に勤しんできたらしい。聞き込んできた話を教えてくれる。
息子の帰宅を待って昼ごはん。一区切りということで息子1のリクエストでくら寿司へ。食べつつ聞くと結局、最優秀は息子たちの次のグループで、息子たちは5番手。まあわかりやすかったもの。

2021/10/15(金)涼しさ、やっと

 起きたらとても涼しくてうれしい。これだよ10月というのは、と喜ぶ。
 朝ごはん、おにぎりとだし巻き卵、きゅうりのぬか漬け。息子1の学校祭にまつわるトーク力を必要とする緊張する業務は実行委員会解散式の今日が最後。ということで食べやすい朝食に。
 今日〆切のもの、最後の手入れ。今までしたことのない送稿方法だったので一旦置いて家事、皮膚科、買物の後にすることにする。
 燃やすゴミの日。見るたびに複雑な気持ちになるものを捨てる。くれた方の善意だから、という理由で取っておいたいただきものなれど、いろいろあって見るたびに非常にケタクソ悪くて口から自然に悪い言葉が出てくるので。すっきり。
 買物までしたらすっかり疲れたものの、〆切。今日病院に行くことにした自分がうらめしい。失敗した。もう全然、頭が働かない。
 見返して確認して送るだけなのに、まあ手間をかけてしまう。私はぼんやりなので他人の校正が入らない原稿はこわい。新しい送稿方法はまあまあいい感じ。まあ今、メールが苦でない時期なのかもしれないけれど。時折送信ボタンを押すのが怖くてうだうだしてしまうから、今日がそれじゃなくてよかった。
 2つ、送信し終わって疲労困憊。いつもより疲れた。「虹」の原稿3つと月末のエッセイ原稿があるけれど、それまでに1人で1日休もうと思う。休むのがとても下手なので、今後は山場を超えたら強制的に何もしない時間を1回入れるようにしようと思っているところ。
 晩ごはん、中華丼風あんかけ丼、みそ汁、きゅうり射込みちくわ
カーテンを閉め忘れていた部屋に月光。半月より少し太い。外が涼しくてやっと秋の気配。

2021/10/16(土)廃人

朝ごはん、サラダと目玉焼き、りんご、トースト。
 前日ほど涼しくない。今年はすごいな。息子1が生まれた年の暑さを超えた。あの年はずっと暑くて夏中毎日35℃が続いて、妊婦にはとてもこたえた上にそれが10月まで続いた。息子1の生まれる前日、検診に行った時は蝉が鳴いていて、生んで退院して帰宅した12日も蝉が鳴いていて、ぐったり疲れた気分になったことを思い出す。
 〆切はもう過去のことなので次と思うも、あまりに過密だったので頭が元に戻らない。結構な廃人ぶり。次のことをやろうと思うも進まず。休養日とした。こんな休み方嫌なのよね。仕方なく休むみたいなの。
結局ウォッチング活動したり、息子たちの相手をしたりして一日を過ごす。
 晩ごはん、蒸し鶏(中華風ソースを添える)、鳥のだしで野菜卵スープ、ごはん。疲れ切っているからおかずが一品少なくなってしまった。
 昨日同様なのは夕方の涼しさ。外気は冷えていくのに室温がなかなか下がらず、エアコンをつけて下げてから窓を開けた。

2021/10/18(日)ポリーニLove

 起きてこわごわ、ショパンコンクール3次の結果を見る。反田さんと小林さんが通っていた。本選進出、ファイナリスト。角野さん残念。小林さんは前回のファイナリストなので期待できるし、私の推しは反田さん。3次予選に英雄ポロネーズを選んでいたから、もうたまらない。期待。二人共入賞して欲しいもの。
 朝ごはん、ピザトースト、りんご。そろそろ冷たい飲み物から温かいものに変更かな。
 きびきびとやりたいことをやろうとするが、朝から息子1が猛烈にピアノを弾くので頭の中ががちゃがちゃになる。読み物も一切無理。頭の中に強制的に強烈な生音を入れられる苦痛。色や数字や楽譜がちらっちらしてもう、漫画すら読めん。でもなあ、これ、この年頃の子にとって必要なこと。私もそうだったし、今思い返して豊かだった、と思うから。
 なにかしようとすると誰かが話しかける、が続く。いいんだけど、いちいちワンクッションはさまれるの、ほんと進まないし片付かない。夕方はちょっとアクシデントがあって、おこ。怒ったというほどでないし、切れてないし、プンプン丸までいってないから、おこ。おこ、便利言葉。私は医療のおかげでギリギリ普通の生活が出来ているけれど、どうも忘れるらしいな、みんな。
 晩ごはん、とろサーモンいくら丼、豚肉と大根の煮物、初めて1人暮らしをした大学生が初めて1人で作ったみそ汁。サーモンいくらはいただきもの。私はご飯は食べないのでささみ揚げを解凍して足す。「初めて1人暮らしをした大学生が初めて1人で作ったみそ汁」というのは、水に本だしを入れてキャベツと豆腐、わかめを入れて味噌を溶いたもの。そう、私が学生時代、寮を出てひとり暮らしを始めた頃に作っていた雑い料理。他にも「女子大生が初めて作った肉じゃが」「女子大生が初めて作ったカレーライス」「女子大生初めての肉料理」などの名前でうちの食卓ではシリーズ化しているけれど、料理を作って食べることに性別なんてない、男も女もやるときゃやんなきゃなんないということで、性別を外した。みそ汁、思いの外うまかった。
 Eテレ、クラシック音楽館がショパンコンクールスペシャル。あー良い。ブーニン!中学の時、ピアノ仲間男子から「すごいから見て、絶対見て」と言われて見た、ブーニンの3次予選を思い出した。あの解釈と技巧。今思い出しても鳥肌が立つ。後の方でポリーニが出て胸熱。マウリツィオ・ポリーニ、彼も優勝者。24の前奏曲が通しで見られて胸熱。CDを擦り切れるほど聞いていたものが2000年代のポリーニで見られて、もう。僥倖としか言いようがない。Fabbrini(ピアノ)の音の良さがしばらく聞いていなかったからこそ、私に響く。懐かしい。中学高校、ポリーニのショパンばかりよく聞いていたな。感染禍が一段落して、ポリーニが来日公演するなら絶対に行く。

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