偽陰性
8月8日と9日。
高校生活を共にした大親友2人と、女3人で旅行をする予定だった。がっつり夏休み的な行為をするのは人生初めてと言っていい。貝類が苦手な私でも200%楽しみと思えるほど、魅力的な牡蠣コースの写真だった。
前日は、ドラッグストアでお泊まりグッズを揃えた。スキンケアのトライアルセットを購入すると、レジでそれと同じ商品の試供品がもらえた。うーんと思った。でもそんなことはワクワクでどうでもよくなった。服は何を持っていこうかな。あれもいるなこれもいるな。忘れ物しないように。
当日。私はとてつもなく体調を崩した。
頭痛、微熱、関節痛。少しものを食べると涙が出るほど喉が痛む。検査キットは陰性を示した。
違う違う。今じゃない。
確かにここ数週間、noteにしたためようかと思うほど、3日間完全停止したいという願望はあった。ものすごいスピードで過ぎていく時間に、待ってくれという思いは日に日に募っていた。この体調不良は、その願いをある種叶えてくれたとも取れる。
でも今じゃない。絶対に違う。
多少無理をしてでもこの旅行だけは楽しみたかった。変な話、楽しくなかったとしても行きたかった。
友は遅刻参加も提案してくれた。しかし、行きたくても体が動かなかった。お腹だけは空くので何かしら口にするが、欲求の2割ほどが満たされると喉を激痛が襲う。千尋ばりに、ぽろぽろ涙を流しながらごはんを食べた。
そこから4度の食後は風邪薬を飲み続けた。あまりよくならない。そこから2度は喉の薬に変えた。すると今度は頭痛が目立ってきた。目をぎゅっと閉じていないとやり過ごせないほど額が痛む(ヴォルデモートと対峙したときのハリーってこんな感じなんだろうな)。
私は、最後の頼みの綱、半ばやけくそで鎮痛剤を飲んだ。
これが素晴らしく効いた。
もしかすると、鎮痛剤と同時に手を伸ばした冷えピタが良かったのかもしれない。だがそんなことはどちらでもいい。効いた。効いたのである。
言えないタイムリミットが迫っており、だらだら休んでいられるのは一応今日まで。今日中に治さねば。体調だけ治ったとて正直間に合っていない部分もあるが、元気であっても普段からギリギリなことが多いので、そこは目を瞑るとする。
あと少し待てば2度目の鎮痛剤を飲んでいい時間が来る。それまでもう一度目を瞑るとしよう。