小さい子はよく考えている
小さい子がちゃんと物事を考えている描写があると、その事柄がとても大切に思えます。
マンガや小説にでてくる小さい子は時としてちゃんと物事を考えています。
銀のスプーンは最近もっぱら天使のような男の子、雨宮 路加(あまみやるか)が中心です。
彼は元々とても良い子なのですが、最近は良い子ではないです。
嘘もつくし、約束もまもらない、そんな自分に誰も咎めないことに怒っています。
そんなもやもやを抱えているうちに、彼は家族に本当のことをいわなくなりました。
嬉しくなくても嬉しいふりをします。
基本良い子なので悲しませまい、ということですが、
これまでは素直に喜怒哀楽をだしてきた分、読者も寂しく思います。
そんな中で、すこし自分が変化していてもそれにだれも言及してくれない寂しさを路加は悩んでいます。
なんとなくわかる気もして、すこし切ない気持ちになります。
もしも同じなやみを成人女性がしていたらどうでしょうか。
小さい子だから、小さい子だけどちゃんと考えているから。
小さい子の視点を通した事柄にはどれも素直に向き合うことができます。
だから小さい子が物語のなかで考えることは、率直にうけとることが出来ているなと思いました。
誰の目線を使うのか、登場人物が大家族の場合によく使い分けられている気がします。