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【2年目Webデザイナー】色彩検定3級・UC級をダブル受験してみた

Web制作会社で2年目デザイナーをしているヒグチです。
11/12(日)におこなわれた色彩検定3級、UC級を受験してきました。
自己採点で9割取れており無事合格です!(のはず…)

色彩検定を受けて実務にどう役立ったか?試験勉強をどのようにおこなったか体験記をここに記しておきたいと思います。Webデザイナーでスキルアップのために何か資格を取ろうか考えている方、色彩検定を受けるか迷っている方に向けて参考になれば幸いです。



色彩検定とは

合格すれば履歴書に記載できる、文部科学省後援の公的資格です。
色彩検定の学習内容について公式ホームページにはこうあります。

色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)、専門分野における利用などを幅広く学習します。「色彩検定」の学習によって感性や経験によらない、理論の土台を身に付けることができます。

https://www.aft.or.jp/pages/feature
色彩検定公式ホームページ

色を理論的に体系的に学び、知識を身に付けられる検定試験ということですね。ファッションやインテリアに関する学習も出てくるので、Webデザイナーだけでなく、ファッションデザイナー、インテリアデザイナー、カラーコーディネーターなど色を扱う様々な職種のかた向けの内容になっています。

2022年度の合格率は3級で約76%(志願者数31,452人)、UC級で85%(志願者数5,871人)となっており、資格のなかでも高いほうではないでしょうか。出題範囲は公式テキスト内のみなので、ひねった問題はなく
勉強したら取れる資格”です。理解と暗記力が試されているなと感じました。

なぜ受験しようと思ったのか?

デザイナーであれば色の感覚は少しずつ業務を通して身についていくもの。
しかしWebデザイナーとしてクライアントワークをさせていただくなかで
お客様に「なぜこの色にしたのか?」と感覚ではなく具体的な説明を求められたり、「ユニバーサルデザインを意識したデザインにしてほしい」など色についての知識を求められたりする場面が多くあります。
その度うまく答えられない自分に日々悶々としておりました…。

・もっと自信を持ってカラー選定ができるようになりたい!
・お客さんに理解してもらえるようなカラーの説明ができるようになりたい
・ユニバーサルカラーデザインの知見を深めたい
・1級を合格されたデザイナーの方が「1級を取得したら誰も色について指摘してこなくなった」と仰っていたのがとてもカッコよかった……

といったように若干不純っぽい動機も含めつつ
上記のような目的で受験することにしました。

転職や就職を見据えて受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、合格率が高い試験ですし、内容も比較的容易なので就職・転職に直接有利に働くということはないと思っています。ただし、勉強意欲の高さをアピールする材料の1つにはなるかもしれません…。

実際に勉強して受験してみた感想

無事合格して証明できる資格を取得できた!というだけでなく、
色の理論を身に付けたことで言語化しやすくなった点が一番よかったです。

たとえば、配色について学習するなかで、色相とトーンの組み合わせ方
なぜこの配色が美しいと思えるのか?を答えられるようになりました。

キットカットバナー:https://twitter.com/KITKATJapan/status/1702263418768724385

[言語化]
秋っぽいイメージのカラーで同系色・補色をうまく使いながら調和とリズムが取られている。背景と原料の画像にコントラストがつけられており、原料のシズル感が際立つように構成されている。背景が微妙にグラデーションになっており、下が重くなるようにバランスが取られていて単調にも見えない。

スイートポテト部分は補色色相対称トーンを使用。
背景の紫の色からさつまいものイメージができるし、スイートポテトとの補色関係にあるのでデザイン的メリハリが出る。中彩度の背景に高彩度のスイートポテトが置かれていることで、コントラストがついてスイートポテトの存在感が出る。
カカオ味は類似色相対称トーンを使用。
背景色は暗めの赤で落ち着いた大人のお菓子というイメージができる。
類似色なのでまとまりを感じられる。

といった具合です。
デザインを観察する解像度が上がった気がします!

UC級の勉強では、ロービジョンや高齢者の方が区別しにくい配色について気を配れるようになったと思います。

たとえば、UIデザインで一般的に「赤」は危険・エラー、「緑」は承諾・成功を表すカラーとして用いられています。しかし、1型色覚、2型色覚の方は赤と緑の区別をつけにくく、両者が同じ色に見えるケースが多いと言われています。そのため、デザインする際はカラーだけで区別するのではなく、文字やアイコンでも区別できるようにしておく必要があります。さらに、赤と緑のカラーを変えるのも1つの方法だと考えることもできます。

このように色について理論的に学ぶことで、独自の基準や感覚ではなく客観的な視点をもってカラーを選定でき、ほかの人に納得してもらえる説明ができるようになります。

色彩検定の勉強を通して、とくにデザインを見る視点というか解像度が上がった実感があり、すごく嬉しいです。今後、デザインのスキルアップにつなげていきたいなと思っています。

3級・UC級ダブル合格のためにやったこと

それでは、私の勉強法をお伝えします。
色に関する知識をちゃんと身に付けるという目的を達成しつつ、せっかくお金を払ったのだから絶対に合格したいですよね。
私は試験1か月前の締切ぎりぎりに申し込み、そこから勉強をスタートさせました。

私が試験までにやったことは3つです。

①公式テキスト3級・UC級をとりあえず1周(試験1ヶ月前~)
②過去問を何回も解く(試験2週間~)
③YouTubeで出題範囲聞き流し(試験1週間前~)

①公式テキストをとりあえず1周 (試験1か月前~)

公式テキストはAmazonや大型書店で購入可能です。
141ページとそこまでボリュームはなく、図版が多いので
1日集中してやれば1周できるかと思います。
(私は飽き性なので3日くらいにわけて読みました)

RGBとCMYKのちがい、色相やトーン、色のイメージなどデザイナーであれば実務で使うことも多いかと思いますのでこのあたりは難しくないかと。

3級とUC級は内容が被る部分も多いので、ダブル受験の場合はひとまず3級を一周してUC級を勉強すると、より理解が深まると思います。


②過去問を何回も解く(試験2週間~) ※合格最短ルート


過去問が色彩検定の公式から出版されています。
昨年度のテスト2回分で計2000円ほどです。少し高いような…。
メルカリで買うのもアリですが、人気資格なせいか出品されたらすぐ売り切れてしまう印象でした。

「いや試験料も安くはなかったし極力出費を減らしたい…。」
そんな方におススメ!!!!こちらの色彩検定の問題集サイトです。
私は3級の公式過去問を購入せず、こちらのみで合格できました!
あまり試験勉強に時間が取れなかったため、仕事の昼休みの時間や通勤時間など隙間時間でやっていました。

公式テキストを読みこむことも大事ですが、問題を解きまくることで出題範囲の傾向を掴むことができるので、この方法が合格への最短ルートかと思います。間違えた問題は公式を見返し、頭に叩き込んでいきました。


③YouTubeで出題範囲聞き流し(試験1週間前~)

試験直前になり、なぜかやたらと仕事が忙しくなる。
本公開を控えたサイトの修正大詰めで色彩検定どころではない状況に。
隙間時間も確保できず、お風呂で聞き流し作戦に出ました。

あーここも理解足りてない、これは丸暗記しないと…と不安になりながらも
寝る前に気になった箇所だけテキストを読み返すようにしていました。

また、試験直前に助かったのがこちらの色相環の書き方動画。
色の位置、系統色名、色番号を確認できるので書けるようにしておくと、
試験中、大いに役立ちます!

以上が試験までの私の道のりです!
正直仕事をしながらはしんどいというのを言い訳に、勉強時間自体は30時間にも満たなかったと思います…。
1週間で詰め込んで資格取得しました!という記事もチラホラ目にしますが、それはそれとして、やはり隙間時間にコツコツ覚えていくのが大事かなと思います!

まとめ

テキスト自体も業務で辞書的に使えそうなので今後も置いておこうかと思っています。集中してやれば2週間ほどで十分理解して取れる資格ですし、カラーデザインの「言語化」、ユニバーサルカラーデザインの知見を身に付けるためには悪くない資格勉強だと思います。何かとデザインの説明が求められるデザイナーは勉強する価値が十分あると思います。

ぜひ興味があれば受けてみてください!



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