お城好きに「一番は何？」と質問しないでください。
「今までで一番のお城は何ですか？」
私は、自己紹介があると「お城に行くのが趣味です」と答える。何人かはそれに興味を持ってくれるのは嬉しいのだか、ちょっとした悩みがある。
「今までで一番のお城って何？」
この質問が一番もどかしい。
ほとんどの人が松本城や姫路城のようなでっかい天守があるお城を想像するだろう。しかし、好きなお城は人によって千差万別なのだ。
古く錆びていて、石垣も天守もない。山奥にあるお城が好きだったりする。
お城好きに「今までで一番のお城」を聞くというのは、非常に回答しにくい難問であることを知ってもらいたい。
あくまで個人の意見にとどまるので、他の人がどのように考えているのかは無知なところがある。だが、少なくとも私は困るのだ。
お城好きにとって「一番は何？」という質問が、難問なのは何故か？
今回はこれを深掘っていく。
理由：「お城巡りが好き」の意味合い
・「歴史」が好きでお城を回る人
・「お城」が好きで見に行く人
人によっては
「○○家が好きだから」
「景色が美しい山城が好き」
「石垣がいいお城が好き」
などなど、人によってありとあらゆる評価基準が存在している。
天守や遺構がデカいだけが、一番のお城の定義にならない。
私は「歴史が好きだから」に該当する。
天守＜歴史が大事だと思っているから、世間の想像するお城巡りとはまた違った楽しみ方をしている。別に天守が無くても、戦いの跡や伝承があれば、それだけで価値の高いお城になるのだ。
山城＞平城
中世城郭＞近世城郭
有名なお城は、大体が平城・近世城郭。近世城郭の場合、築城後にそのまま江戸時代に入る。実際に戦いも無し、お城が居城としてしか機能していない場合もある。となると歴史の味に欠けるから、天守が無くても実際に戦いが行われたお城に行く。
結果、一番好きなお城を聞かれても、世間的にマイナーなお城が該当する場合が多い。一番を伝えても「何それ？」となる場合がほとんどで、気まずい雰囲気になるまでがテンプレ。
終わりに
お城好きにとって「一番は何？」という質問は難問だ。
これを
「○○城は知ってるけど、あそこってどんなとこ？」
と変えてほしいのだ。気まずい雰囲気になるのを、あらかじめ阻止するために具体性を持って質問してほしい。私からの切実な願いである。
普通に天守巡りをしている方々なら、姫路城、名古屋城、大阪城など有名なお城を挙げてくれることもある。はたまた、一番を聞いても初見のお城を出されて、頭が？で埋め尽くされる場合もあるだろう。
でも、どちらも同じお城好きのオタク。
どうか「今までで一番のお城」ではなく、具体的な○○城の詳細を聞いてほしい。少しでも興味を持ってくれたら、喜んで話すのがオタクという生き物だ。全力でお相手いたそう。