【2022年2月19日のこと】亡き父とコメダ、レシート、「プリズム」、羊毛とおはな
コメダ珈琲文学。
本日、日曜日、父の月命日なので母と墓参りに行く。途中、JAで花を買う。母は昔からいわゆる菊の入っている仏花が嫌いなので、いつも華やかな花を買う。
今日はアリストロメリアの花束を買った。ピンクと黄色、色とりどり。春めいている。
墓参帰りに母がコメダ珈琲に行きたいという。コメダ珈琲は店内が密なイメージがするし、コロナ感染が心配じゃない? と言ってみたが、コメダがいいんだよね、とやけにこだわる。
なんで?コーヒー飲めないのに?と言うとグシャグシャのレシートを鞄から出してきた。2019年2月17日、父とコメダ珈琲に行ったレシートを見せ、これが出てきたから行きたいんだよね、という。
ならば、コメダ珈琲でランチを食べようということになり、いまコメダ珈琲に来ている。レシートと同じメニューを頼む。カツカリーパン、ウィンナーコーヒー、グラタン、コメチキ。前回母が頼んだミルクコーヒーは、やはりコーヒーは苦手というので、それだけは紅茶に変更した。
久しぶりに来たコメダ珈琲は、入るまでに10分くらい待たされたけれど、店内は人数制限をしているようで密にはなってなくて安心だった。母は女性週刊誌を熱心に読んでいる。父もコメダ珈琲に来るといつもスポーツ新聞を読んでいたことを思い出した。
レシートって日付も入っていて、ただの記録の紙ぺらなんだけれど、さまざまな記憶を想起させるんだな、と感動した。今日のレシートも捨てないで取っておこうと思う。
昔の写真とか、8ミリフィルム、雑誌、新聞、展覧会のチケット、記念コイン、絵葉書、、、こういう記憶の断片からもういちど「出来事」を甦らせることが愛おしいくらいに好きだ。
先日の山下道ラジオで下道基行さんも似たようなことを言っていたような気がする。シンクロだ。
いろんなシンクロが増え出すと、NEW beginningのサインと誰かが言っていた。今のわたし、少しずつシンクロが増えて来ている。寒さの中にも春の兆しを感じるし、春は、人生、いい波に乗ろうと思う。春はすぐそこだ!
昼過ぎから曇ってきた。わたしの5年前の2018年のTwitterがRetweetされたとお知らせがくる。「2013年冬『なみのこえ 気仙沼』上映後のトークイベントで初めて石川直樹さんと出逢ったことを思い出した。中村和子さんのお話も何度も聴けた年だったな。
5年前のTwitterでも5年前のことを懐かしんでいて頭の中がややこしくなる。Retweetしてくれたひとは、濱口竜介監督の映画に反応したのか、石川直樹さんに反応したのか、どちらだろう。そして、わたし、小野和子さんのことを中村和子ってTwitterに書いていたよ。中村和子はわたしの元上司の名前で間違えたんだ。なんか過去の自分に笑える。
当時、Yukiちゃんの歌う「プリズム」がとても好きでよく聴いていた。最近もまた聞き出していて、なんかグッと来てる。で、今日、初めてYouTubeで「プリズム」のミュージックビデオを見てみてみたのだけれど、わたしのイメージしているビジョンとはちょっと世界観が違っていて、この曲はわたしなりの物語が出来上がっていたことを知り、ある意味、驚いた。
ミュージックビデオに出てくる俳優さんが、西島秀俊さんに似ているな、と思ったけど、いや、違うや、他人の空似だ、よく見たら違うし、なんて思っていたのだけど、調べてみたらホンモノで、本人だった。ちょうど20年前の映像だから、若くて雰囲気が違ったみたい。でも、Yukiちゃんは、今も昔も変わらないんだよね。
Yukiちゃん、矢野顕子さん、クラムボンのイクさんはみな、妖精一族の末裔だと思う。人智のおよばぬところにいる。
「プリズム」のイントロだけをピアノで演奏してみたい野望がずっとあって、楽譜を探しているのだけれど、なかなかいいのがない。この曲はとにかくイントロが好きで、きゅんきゅんしてしまう。好きすぎる。絶対にピアノで弾く夢は叶えたい。
「プリズム」をヘビロテで聞いていた頃、「羊毛とおはな」のデュオも好きだった。でも、はなさんが亡くなられてしまって、たまたま品川の教会で音楽葬が行われることを知って、わたしは花束を持って、参列者と一緒に歌を歌ってお別れした。とびきりオシャレをして、カラフルなガーベラの花束を持っていった。他の方も、みんな着飾って、カラフルな花束を持ってきていた。
はなさんがあらかじめ用意していたお葬式プランで、はなさんが選曲した歌を、参列されていた大橋トリオさんやコトリンゴさんなどの音楽仲間と集まったファンとはなさんのご両親とで歌った。泣いたり笑ったり、とにかくはなさんを偲んで歌いまくった教会でのあの日は忘れられない。
はなさんが亡くなる前に枕元で歌っていたという「ミグラトリー」を聴くと今でも涙が出てくる。はなさんは、この曲、今の自分にはグッとくるんだよね、と言っていたそうだ。「失くしてたら気づいた奇跡は 貴方に突く架け橋 一人空を見上げながら」はなさんのまっすぐな歌声は今も耳に響いている。あの日の花を摘む。
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