初めてのコンビニポップデザイン奮闘記。小さな世界に詰め込んだ想い。
こんにちは!GREEN SPOON コミュニケーションデザイナーのちゃんあか(@akairo1996)です。
GREEN SPOONに入社して2年が経ちました。普段は、お客さまがサービスをたのしく使いつづけられる体験づくりを企画〜デザインまで一貫して担当しています。
先日4月2日より、全国のファミリーマートで1日分の野菜/フルーツが摂れるスムージー2種を数量限定で発売しました!
日常生活の中でより多くの人がGREEN SPOONと出会える瞬間が増え、身近なところで手にとっていただける喜びを日々ひしひしと実感しています。
今回は、初めて担当した商品棚の「ポップデザイン」をつくる過程で考えたことや、詰め込んだ想いをお伝えしたいと思います。
25cm×4cmの小さなポップの世界ですが、裏側ではたくさんのドラマがありました...!
どうぞ最後まで、お付き合いくださいませ!
GREEN SPOON in FamilyMart
まずは少しだけ、商品の説明をさせてください。
2020年、スムージーからはじまったGREEN SPOON。「あなたのもっと身近な野菜担当になりたい」。
そんな想いを込めて、一切の妥協はせず、開発に2年かけて完成しました。
私たちのようなまだ小さなブランドが、コンビニで商品を発売できることは本当に奇跡のようなことで...!いつもご支持くださるみなさまのおかげです。改めて、本当にありがとうございます。
プレイフルなパッケージデザイン
GREEN SPOONは創業当時から、思わず手に取りたくなるようなプレイフルなパッケージデザインを目指してきました。
「とらなきゃいけない野菜から、とりたくなる野菜へ。」
お気に入りのファッションを選ぶように、野菜をとることもたのしくてワクワクするものであってほしい。だから実際の野菜やフルーツの写真を使用するのではなく、ポップなイラストやカラーで表現されています。
そんなプレイフルなパッケージの前に設置される、「ポップの役割ってなんだろう?」というところから始まりました。
ポップの役割
実際にコンビニのチルド飲料コーナーを眺めていると、あることに気がつきました。
「うおおお、パッケージを見ただけで野菜がたくさん摂れそう!そして、ヘルシーそう!味の想像ができる...!」
そうなんです。GREEN SPOONのパッケージはプレイフルな反面、こんな一面がありました。
なのでわたしたちは、そんなパッケージと補完関係になれる「パッケージの延長」として、ポップを活用することに決めました。
遠くからパッケージを見て「気になる!」と思った人が、近づいてきた時に「飲んでみよう!」となれるポップ。
今までにないポップの使い方かもしれないけれど、たくさんの人が手に取りたくなってしまう、1つのきっかけになれるように。
詰め込んだ4つの要素
最初はさまざまなパターンを検証しながら、肝を掴んでいく日々...。コピー、訴求、ビジュアル表現。突破すべき関門がいくつもありました。
なるべくお客さまと同じ視点で「どんな感情になるのか?」を判断していけるように、モニターに写真を表示させて擬似コンビニ棚をつくりました。笑 (実はこれが超大事でした)
こうして、パッケージとの補完関係に必要な「4つの要素」に辿り着きます。
①ヘルシー感が一目でわかる
ポップで満たすこととして、1番重要だったのが「ヘルシー感」でした。甘いジュースではなく、たくさんのフレッシュな野菜・フルーツが摂れそう!と感じられること。(本当に1日分摂れちゃうからね)
イラストで表現している野菜やフルーツを、ポップでは「生鮮の食材」で表現することを決めました。
また、野菜を摂ることが「たのしい気持ち」になれるように浮遊感のある表現にトライ。
これが簡単なように見せかけて、すごく難しい...。(最後の最後まで粘りつづけました。)
まず配置。1つ位置を変えるだけで、味と食感のイメージがガラッと変わります。例えば「つぶつぶ」の後ろに「いちご」があることで、あのつぶつぶ感を想像できるけど「バナナ」にした瞬間にねっとりとした印象になる。
次に大きさと傾き。「野菜が全然飛んでくれません!」と何度メンバーにヘルプを求めたかわかりません。笑
野菜とフルーツの大きさで奥行きを出したり、レタッチで光を入れたり。お近くのファミリーマートに行かれる際には、ぜひチェックしてほしいポイントです!
②高価格であることの納得感
他社のチルド飲料と比べると、ちょっとプレミアムな価格帯のGREEN SPOONのスムージー。特徴は、以下の2つでした。
・1日分の野菜 / フルーツが摂れる
・繊維や果肉が感じられ、贅沢な飲みごごちがある
近づいてきた時に「どんなスムージーなのか?」のアンサーとして、言葉だけでも伝わるキャッチコピーの開発をしました。
さらにビジュアルからもセットで感じられるように、波のモチーフに合わせて「実際のスムージーの写真」を大きく使用。
スプーンで波を立たせて、とろっとした飲みごごちを表現しています。これは、フードスタイリストさんとカメラマンさんによる神業です。現場では「美味しそう〜!」の声が飛び交っていました。(すごい)
③対比構造で選びたくなる仕掛け
ヘルシー×本物感の情報がより伝わり、手に取りたくなってしまう仕掛けができないかと「対比構造」を取り入れることにしました。
「今日のランチ何食べたい?」と聞かれても、なんでもいいんだよな〜と答えられないけど「お寿司とパスタどっちの気分?」と聞かれると、選択肢が絞られて「どっちかと言えば、お寿司かな!」と答えられる。
それぞれの特徴や味を対比で伝えることで、「わたしはこっち!」と選びやすくしています。
④ブランドと権威
オフラインの試食イベントでさまざまな方とお話ししてみると、「広告でよく見たことあります!」「インスタで見て気になってました!」という声を多くいただく機会がありました。
なのであえて、ポップのど真ん中に自己紹介としてロゴを配置することで「あのGREEN SPOONか!」という紐づけを狙いました。
また、今回手にとっていただくほとんどの人はGREEN SPOONのことを知りません。新しいブランドの商品であることが伝わることで、手に取っていただきやすくなるのではないかと考えました。
また、ファミリーマートでしか買えない「ここだけ感」を権威として入れています。
想像以上の創造は、やっぱり一人ではつくれない。
全国のコンビニで展開されるポップをデザインすることは、わたしにとって初めての経験でした。
任される喜びと、押し寄せる不安と、それを上回るワクワクな気持ちと…。
完成したものを店頭で見つけた時の喜びは、何ものにも変え難いものでした。
そして自分の大切な人たちまで届いて、一緒に喜んでもらえる。これほど幸せなことはありません。
自分以上に「絶対にできるよ!」と信じて力を貸してくれたGREEN SPOONのメンバーと、表現したいことを実現させてくれたカメラマンさんやフードスタイリストさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
ものづくりの醍醐味は、やっぱりチームの掛け算だと私は思っています。
最後の一歩にこそ、自分の意志を込める
だけど、どんなにすごい食材や調味料で調理をしたからといって、誰かに喜んでもらえる料理になるとは限りません。
自分でちゃんと味見をして、相手を想い、本当に美味しいと納得できる味になっているのか。「ほんの少しだけ塩を足して、風味を引き出そう!」と、意志を持って最後の一歩をこだわれるのは調理をしている自分自身しかいません。
きっとその先に、人の感情を揺さぶる「感動」があると信じています。
これからもたのしみながら。たくさんの人をワクワクさせて、喜ばせられるデザイナーでありたいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!みなさんのお近くのファミリーマートで、ぜひ見つけたもらえたらうれしいです。(数量限定なのでお早めに◎)
おまけ🍬
このポップをつくるときに毎日聞いていた、大好きなバンドSHE'Sの曲を置いて終わりにします。
どこまでも遠くまでいけそうな気持ちにさせてくれて、ありがとう。
GREEN SPOONでは、お客さまがワクワクする体験を一緒につくるメンバーを探しています!
「ちょっと気になる!」と思ってくださったタイミングで、ぜひゆるりとお話ししましょう◎