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あたらしい道ができていくこの街を走りながら思うこと

陸前高田では、日々新しい道が開通している。
“あたらしいまち”を震災に強いまちになるようにと、ここ数年ずっと工事に次ぐ工事で、東京でいえば新宿とか渋谷並みに、このまちの工事は終わらない。

つい先日も、市街地から車で30分ほどの距離にある私の家付近(まあ田舎)で、新しい道が開通した。

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杉林の山を切り拓いた、とても作為的で、計画的な道。
まっすぐで新しい線はその無機質さが都市的できれい。この田舎町に異質なものを生み出しているかんじも、興味深い。市街地へ早く行けて、快適で便利。

2019_夏〜秋のフィルム-45


今まで通っていたのは、海沿いのくねくね&山あり谷ありの道。
途中、大きな砂浜のある海水浴場の横を通る坂道がある。とても気持ちよくて、海ばっかり脇見して危なくて好きだ。

いつものごとく、「道できたね〜」なんて話していたとき
「景色はつまんねえんだ」って、ばあちゃんが言った。
同じことを思っていた。「海のそば通らないなんてつまんないなあ」と。

この街に80年以上住んでいても、浜を見て、景色を楽しんでるばあちゃんのこと、やっぱり尊敬する。ここらの人はみんなそう思ったのかな。

自分の住む街とか、自分が見ている景色を楽しんでいて愛している。それはとても心に彩りを与えることだと思う。

もちろん新旧の選択肢ができたことはとてもいいことで、嬉しい。
それでもたしかなのは、快適や便利であること以外の、心をうるわすものが近くにあることの良さを教えてくれたのはこの街であり、ばあちゃんたちであるということだ。


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