なぜ若村麓郎の練習は意味がなかったのか
※ワールドトリガー247話までのネタバレです。
というセリフを読んだ時、自分は直感的に思いました。
いや、無駄ではなくないか?
犬飼先輩と半年間一緒に訓練して、話から上位勢の知識の知識を得たんだよな?
それに何時間も射撃の訓練をしたなら射撃の精度も上がってるよな?
確かに犬飼先輩の意図には気づかなかったし、自分から何かを提案するようなこともなかったけど、全く意味がない訓練ではなかったんじゃないかな
本当にそこまで言われるほど、麓郎の訓練方法はダメだったのかな……
漫画の演出からは、この直感に反してあまりいい訓練ではなかったような印象を受けました。そこで自分の粗を見つけるべく考えてみたので、「なぜ麓郎の訓練はダメなのか」について考えを整理しようと思います(ほぼ漫画に書いてあることですが)。
なぜ麓郎の訓練はダメなのか
結論から言うと、それは
訓練が結果に結びついていないからです。
説明終わり!!……でもいいかもしれないですが、自分のためにもう少し噛み砕いて説明します。
・短期的にみたら結果には結びついてないけど、将来的には射撃の腕や知識をつけることは無駄にはならないんじゃないか?
確かに、射撃の腕や知識をつけることは戦闘にプラスの影響を与えるでしょう。長期的にみたら結果に結びついていると言えなくもなくもなくもないです。
しかし、今の麓郎にはそれ以上に優先すべき事があります。それはチーム戦の基礎を抑えることです。
麓郎にチーム戦の能力が足りないところはいろんな箇所で示されています。
・なぜ射撃の腕や知識より、チーム戦の動き方が優先されるの?
麓郎は個人戦の実力についてB級中位と評価されています。ということは射撃の腕は相応にあると考えて良さそうです。
それに引き換えチーム戦はC級クラスとされています。つまりB級のランク戦においては、麓郎がいるだけでも割と足を引っ張っていることになります。
逆にチーム戦の力がB級クラスになれば、チームの負担が減るどころか戦力が増えることになります。
すでに十分な実力の射撃をさらに伸ばすか、伸び代も影響も大きいチーム戦の力を鍛えるか、どちらがよりチームを勝ちに近づけるかといえば後者のような気がします。
また、そもそもチーム戦の動きを理解していないと射撃の腕や知識を活かせないということもありそうです。
いくら射撃の腕があっても、どう動いていいのかわからないと無謀に突っ込んで無駄死にするかひたすらビビって様子見するかになりそうです(最後のランク戦で慎重になりすぎてたみたいに)。
ですが、戦略を学ぶにあたって2つのハードルが麓郎にはあります。
1.香取が強すぎるせいで戦略の必要性を感じにくい
2.自分のチーム戦の力がC級クラスである現実を直視する必要がある
二つの理由から、無意識にチーム戦の力を鍛えることを放棄してしまったのかもしれません。なんとなく射撃練習をしていれば、いつか強くなれるかもしれないとぼんやり思い込んでいたのかも。
ここで、ヒュースの言っていた「期限」という話の意味が少しわかりました。
もし麓郎が来期A級に行けないと死ぬってなったら、いつか強くなれるかもなんていう状態のまま訓練を半年も続けなかったのではないでしょうか。
少しやって上手くいかなかったらそこで見切りをつけ、「失敗」として受け止めまた別の方法を探していたかもしれません。でも期限がなかったから、練習方法を改めるきっかけがずっと訪れなかったんじゃないでしょうか。これがヒュースの言っていた「足踏み」ということですね。
麓郎は射撃の地道な訓練で強くなろうとしていましたが、大きな敗北の要因はチーム戦の力にあったわけで、そうすると射撃では中々勝てるようにはならないですよね。射撃の成果が出にくいとわかった時点で相談すれば、あるいは方針を切り替えていたら結果は違ったかもしれません。でもそれは過去の麓郎には難しい話だったのでしょう。これからに期待。
まとめると、「射撃の訓練(+今の意識のまま挑むランク戦)だけで勝てるようになるには相当時間がかかりそう(あるいは一生勝てないかもしれない)。まずチーム戦の力を鍛えることが1番勝ちに近づく行為。射撃訓練は全くの無駄とは言えないが、勝ちにほとんど近づかないようなものだからダメだった」という事です。
なんだか改めて整理するとほぼ本誌に書いてあったことをなぞるだけのようになりましたが、読んだときはあまり頭が回っていなかったのでようやく腑に落ちた気がします。
めんどくさがりなのでこのnoteも途中で飽きそうだなと思っていたのですが、無事最後まで書く事ができました。
勝手でキモい話ですが、麓郎をみているとなんだか一緒に頑張りたくなりますね。
強くなろうな、麓郎......