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《タイムレス》オムニテルデッキガイド


はじめに

私はタイムレス環境でオムニテルを使い続けており、最速2ターンで勝てるこのデッキはランク戦を走るのに都合が良いこともあって毎月ミシック1200位以内に入れています。
さらに練度を高めようとデッキリストやプレイングを調べているのですがタイムレスの人気がBO1やスタンダードなどよりも低いためか十分な情報収集ができず、それならば自慢と言語化を兼ねて自分でオムニテルのデッキガイドを書こうと思い至りました。

デッキリスト


タイムレスの環境について

記事執筆時点のタイムレス環境におけるTier1デッキは以下の4つと考えられます。

・マルドゥエネルギー
・ボロスエネルギー
・ディミーアフロッグ
・スゥルタイオムニテル

Tier2以下では5Cオムナス、白黒吸血鬼、悲嘆ネクロ、ベルチャ―、青白(+緑)オムニテルなどありますが数が少ないため割愛します。

Tier1デッキはそれぞれ、ボロスエネルギー>ディミーアフロッグ>オムニテル>ボロスエネルギーという三すくみになっています。マルドゥエネルギーは黒の妨害により攻めが通しやすくなったことで前のめりなボロスエネルギーをバランス良く仕上げたデッキになっており、3色デッキ特有の色事故によるもたつきさえ無ければTier1デッキの中では頭一つ抜けています。

なぜオムニテルを使うのか

オムニテルは他のデッキと比べてゴールがハッキリと見えているため考えることは「揃うか」「撃つか」の2つだけで良く、それによりプレイングミスが起きにくくなる上にラダーを登っていても疲労が小さく済むという利点があります。
また、体感ですが《実物提示教育》による一撃でゲームが終わるデッキの特性からか、先手後手での勝率差が小さい気もします(もちろん先手の方がだいぶ有利ですが)。もし勝率差が小さいのであれば運の影響も減ることになり順位への影響も小さくなるだろうと考えられます。

つまり、私がオムニテルを使う理由はゲーム外要因による負けを減らせるからであり、それはMTGアリーナのシステムをいっさい信用していないということに尽きます。

採用カードについて

メインボード

・《偉大なる統一者、アトラクサ》

オムニテル以外のデッキにこれ1枚で殴り勝てること、《全知》除去への受けから次の《実物提示教育》の準備など様々な使い方で勝ちにつなげられます。

・《考慮》

オムニテル最強のカード《時を超えた探索》の補助をしながら《夏の帳》用の土地を有効利用したり、インスタントタイミングで《風に運ばれて》を探したりします。
《渦まく知識》や《ロリアンの発見》でも似たようなことはできますが、前者はコンボや温存のため重くなりがちで、後者は状況により土地の価値に大きなブレがあります。対してこちらは欲しいカードを拾えなくても手が進む軽さと上振れへの期待が大きな役割です。
もちろん手を進めても効果的でない相手にはサイドアウトします。

・《夏の帳》

オムニテルの敵から身を守り、オムニテルを押し通します。
ボロスエネルギーには腐りますが、青黒を含むデッキにはキャントリップとして使えますしディミーアフロッグにはこれが無いと《実物提示教育》が通らないため多めの採用です。
サイド後に《苛立たしいガラクタ》など「打ち消す」系の置物で安心している相手に叩きつけると絶頂します。

・《朦朧への没入/催眠の泉》

役割としては2枚目の《耐え抜くもの、母聖樹》であり、こちらは《全知》下で0マナで撃てるところに魅力があります。自分の呪文や《アトラクサ》を戻せない点には注意が必要です。

・《首謀者の収得》1枚

1枚じゃ心もとないからと2枚採用や《願いのフェイ/成就》との併用は《全知》後の勝利がより安定すると思われますが4マナが非常に重くて《全知》が無ければ使えたものではなく、事故が多くなります。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》で追放されないよう祈っておけば何とかなります。

・土地18枚は少ない?

リンク先の記事を参考に土地の配分を決めつつ、《ロリアンの発見》や《暗黒の儀式》、《朦朧への没入/催眠の泉》を含めれば26枚と十分すぎるほど投入しているため土地そのものの枚数はギリギリまで抑えても問題ないと判断しました。

・フェッチランドが9枚?

1ターン目は1マナ呪文と《迷路庭園》の選択肢を作りたいことと《渦まく知識》《時を超えた探索》の補助をしたいことから初手期待値が1.05となる9枚採用にしています。ただ、フェッチランドによるデッキ圧縮効果が非常に低いことやライフ損失のリスクがリターンに見合っているかはまだ判断がついていないためさらに調整を重ねていきます。


サイドボード

オムニテル以外のTier1デッキ相手には「撃てば勝つカードは無い」「だが《実物提示教育》を撃てば勝つ」ため、《全知》のサポートができることを重視しています。

《外科的摘出》2
《思考囲い》3
《夏の帳》1
《突然の衰微》3
《神秘の論争》2
《クロ―サの掌握》2
《神聖な力線》1
《副陽の接近》1

《外科的摘出》

《思考囲い》とセットで使う場面が多いですが、《全知》着地後に相手が投了しなかった場合は《首謀者の収得》から相手のデッキを確認をしておくと次のゲームがやりやすくなります。
カウンターや黒入りの相手にはこれを撃たれないように気をつけましょう。

《突然の衰微》

基本的には置物を除去して、生物除去はほぼ《超能力蛙》に使います。ディミーアフロッグに《超能力蛙》で殴られ続けるゲームにならなければ余裕を持って《全知》着地を狙えます。

《神秘の論争》

エネルギー系デッキで打ち消すべきカードが無いことと《超能力蛙》対策に厚みを持たせたいためこれを採用しました。ハンデスには《渦まく知識》や《夏の帳》、置物は《突然の衰微》で対応できますし、フィニッシャー級の強力なカードはこちらが先に《実物提示教育》を撃てば関係ありません。

《神聖な力線》

黒が濃いデッキやベルチャ―に対してこれ1枚で勝てるカードですが、4枚採用は過剰なことと他に入れたいカードも無かったためお守りとして1枚採用としました。

デッキガイド

・ボロスエネルギー


in《突然の衰微》3
out《夏の帳》3

ボロスエネルギーのメインには《静牢》以外の妨害がほぼ無く、お互いノーガードの殴り合いになるため《全知》だけでなく《アトラクサ》の着地も狙った速攻を仕掛けます。
マリガン基準は初手に《実物提示教育》《全知》《アトラクサの》のオムニテルパーツのいずれか1枚以上があるようにします。

《敏捷なこそ泥、ラガバン》は攻めを加速させながらオムニテルパーツや《首謀者の収得》の追放を狙えるオムニテルの敵ですが、これにサイドインした《突然の衰微》を当ててるようでは横並びした生物や《静牢》や《耳の痛い静寂》、《苛立たしいガラクタ》で負けるため泣きのスルーで置物除去に努めます。マナベース的に《突然の衰微》で割れない《血染めの月》が怖そうに思えますが、《島》1枚あれば《実物提示教育》は撃てるので《島》の確保に気を使っていればさほど問題ありません。
あとは《オアリムの詠唱》や《マナの税収》でトン死しないように気をつけておけば十分勝てます。


・マルドゥエネルギー


in《夏の帳》1、《突然の衰微》3
out《暗黒の儀式》4

黒が入った事で《ラガバン》の脅威は落ち着きましたが、《思考囲い》《巨大戦車の行商人》によるハンデスが厳しいです。《悪魔の教示者》や《チーム結成》後のハンデスでみすみすオムニテルパーツを失わないように《渦まく知識》や《夏の帳》を構えたりインスタントタイミングで手札を整えられるようにします。《チーム結成》から《夏の帳》をサーチしてハンデスを誘うハメ技もありますが、やってる事はただの3マナ2ドローなので《時を超えた探索》でも控えてなければそこまで強いとは言えません。
マリガン基準は《渦まく知識》や《夏の帳》、オムニテルパーツが1枚以上あればいい程度で甘めのハンドでも問題ありません。

ハンデスによって速攻が狙いにくくなりましたがボロス型ほど速くないためハンデスさえ避けていけば勝てます。《神聖の力線》はまでは入れなくてもいいと思いますが、《コジレックの審問》などでハンデスを増やしてくるようなら3戦目には入れてもいいでしょう。


・ディミーアフロッグ


in《思考囲い》3、《夏の帳》1、《突然の衰微》3、《神秘の論争》2
out《考慮》3、《暗黒の儀式》4、《風に運ばれて》2

メイン戦は先手でもなければほぼ負けです。
マリガン基準は《夏の帳》があれば嬉しい程度で、しっかり土地を置いて4ターン目以降に《実物提示教育》+《夏の帳》を狙います。サイド後は先手なら《思考囲い》や《夏の帳》とオムニテルパーツのセットがあれば最高ですが、オムニテルパーツを引いてない方がハンデス+《外科的摘出》による即負けがないのであえてこちらのハンドを狙う事もあります。

サイド後は焦ってオムニテルを狙うと《才能の試験》やカウンターからの《外科的摘出》で負けるため、落ち着いてオムニテルを狙います。
ハンデスやカウンターの脅威があり速攻や手を進める意味が無く強みを活かせないため《考慮》と《暗黒の儀式》を抜き、誘発の除去もそう無いため《風に運ばれて》も抜きます。
気を付けるべきことはハンデスやカウンターからの《外科的摘出》、《超能力蛙》に殴られ続ける展開なのでサイドインしたカードで耐えましょう。《攪乱のフルート》が面倒ですが対策しようもないのでとにかく《突然の衰微》に頑張ってもらいましょう。


・スゥルタイオムニテル


in《思考囲い》3、《外科的摘出》2、《神秘の論争》2、《クロ―サの掌握》2
out《考慮》3、《暗黒の儀式》4、《実物提示教育》2

ミラーマッチでは《全知》+《風に運ばれて》の確保、ハンデスや《外科的摘出》からの防御、《全知》の除去に全力を注ぎます。
《考慮》をサイドアウトして《思考囲い》でより強く攻めたり《外科的摘出》とのコンボで勝ちを狙いますが、当然相手もこれを狙ってくるため《渦まく知識》や《夏の帳》を温存するようにプレイします。
あえて《アトラクサ》を出すことで手札補充をしながら相手の《全知》除去をかわして《全知》を割りにいくプレイもあります。

不採用カード


・《沼》《森》
デッキのマナベースは《血染めの月》に非常に弱いですが、《島》1枚あれば《全知》は着地するのでさほど問題ありません。これを置かれて困るようではそもそも手札が悪いので普通に負けです。

・《マナ吸収》
《全知》や《時を超えた探索》の生撃ちはもちろん、2ターン目に2マナのカードを打ち消して《チーム結成》+《実物提示教育》という実質《暗黒の儀式》という強い動きはありますが相手に依存するため手が遅れる事が気になります。とはいえ強いカードではあるので《暗黒の儀式》と入れ替えてみても良いと思います。

・《副陽の接近》以外の勝ち手段
《船砕きの怪物》や《苦悶の触手》などの別の勝ち手段は《副陽の接近》に比べて手間がかかること、《夏の帳》などでついでに対策されてしまうことなどからサイドボードの枠を減らすほどの価値はありません。

・《水浸しの教え/冠水した書庫》
《首謀者の収得》と同じマナコストでタップイン土地という時点で使う気になれません。《風に運ばれて》や除去をサーチしたいならそれらの枚数を増やしたほうが効率的です。

・《変容した森林》
ハンデス対策として使えるとはいえ緑単色土地である点が非常に弱く、構築をこれに寄せないならばミラーマッチも見据えてサイドボードに置く程度です。

おわりに

オムニテルは非常に勝ちやすいデッキであり相手の対策にも十分に対応できることから月間報酬を狙うならこれ以上に適したデッキはないため特におすすめです。
ただ、タイムレスでオムニテルを回すたび《思案》と《定業》の強さが身に染みるので早く収録されてほしいです。

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