キモオタが愛しい

キモオタが愛しい。それに、羨ましい。身の回りにいると、つい注目していまう。キモオタというのは、2次元の架空のキャラにガチで恋しちゃってる、あのキモいと一時期言われまくっていたオタクのことだ。最近は生身の人間、たとえばアイドルなど、を応援する人もオタクと呼ばれるようになったが、その人たちのことではない。

キモオタという言葉は言うまでもなく「キモいオタク」の略称だ。

人がキモいというのはどういう状況を指しているんだろう。それは、発話者がポジティブと感じる言葉だけを使いまくって、なにかの物事やキャラを賞賛したり、それに興奮していたりする状況だと思う。

つまり、人がキモいというのは、その人が、その人自身が作って納得した価値基準にしたがっていることなんだと思う。誰かにキモいと言われたり、避けられたりしても動じないのは、その人の基準が世の中のマジョリティのそれと大きくかけ離れていることを自分でわかっていて、それでもいい、いやむしろそれだからいい、と思えているからなんだろう。ポジティブな言葉だけを使っていくから、ポジティブな世界を自分で作り上げられているように私には見えるし、そういうところがかっこいいし、羨ましい。

私が冒頭で「アイドルのオタクは例外」と書いたのは、アイドルオタクは仲間を求めたり流行を追ったりするためにそうしていることも多そうだからだ。こんな人たちは、自分たちをキモいと言っていることもあるが、私に言わせればキモさの欠片もない。普通すぎる。

キモオタは、キモいから、最初は孤独なんだと思う。SNSが発達してきたから、それが無かった時よりもキモオタ同士の繋がりが強くなったかもしれないし、一見孤独に見えないかもしれないけれど。

孤独を問題にしないところとか、本当に、いいなって思う。生命力が強そう。

キモいって、褒め言葉だよなぁ、っていう話でした。おわり。





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