Maxon PDM1 MODULATION DELAY
DELAYにChorus/Flanger/Phaser機能を1台にまとめたことによりモジュレーションディレイという名称を持ったコンパクトエフェクター。
おそらく1980年代に発売、1990年代前半頃には既に廃盤になっているのものですが、人気のギタリストが利用していることで非常に有名な機材となり、中古市場でも比較的高い金額設定になっている場合も。
今回はこのエフェクターについて、機能や使い方を紹介。
変わってるなと思ったところ
電源アダプタは、DC10V
一般的な9Vではないので、え・・・となるが、新品時は純正電源アダプタが同梱。もしこのエフェクターを中古で購入する際は電源アダプタが付属しているか確認したほうが良い
ライブ演奏を想定されたプレイモード
ペダルを踏み順送りすることにより、曲順に合わせたプリセットの呼出(ペダルを踏むことによる逆送りは不可)
ディレイタイムはタイムレンジごとに切替式
コンパクトエフェクタータイプだとよくあるのかもしれない
タップテンポ機能は無い
完全な数値指定式
MIDIによるコントロールが利用できる
同じMAXON社製のDMI4(DCP MIDI INTERFACE)が必要となるが、PDM1やその他のDCPシリーズとSEDI接続することで、外部のMIDIコントローラーから保存したデータを呼び出すことができる。
呼び出せるプログラムチェンジNo.は01から99まで。
機能について
メモリー機能
19種類のサウンドデータを記憶させるメモリー機能があります。ファクトリープリセットの領域部分もユーザーによるサウンド変更が可能です。
ファクトリー・プリセット:No.0.〜9.(計10)
※プリセットNoの数字に「.(ドット)」が付いたものがファクトリー・プリセットユーザー・プリセット:No.1〜9(計9)
バイパス・プリセット:No.0(計1)
モード
サウンド・モード(=サウンド編集モード)
ユーザーによるセッティングを行うモード。ここで試奏しながらパラメーターを修正し、セッティングデータをメモリー(前述のプリセット)に保存。プレイ・モード
あらかじめサウンド・モードで作成し、メモリーに保存したデータをバンク(0~9)×パッチ(0~9)に割当て、ペダルを踏むことによりパッチを順番に呼び出す機能。
パラメーター設定項目
PDM1は項目は下記の6項目(ディレイ用4項目、モジュレーション用2項目)。ぱっと見は液晶パネルとたくさん並んだボタンにより難しい機器に見えるが、実は意外と簡単に使える。
ディレイ用パラメーター
D-TIME:ディレイ・タイム / D-RNG:ディレイレンジ
この2つはセットで使用。
下記のD-RNGの6種から大まかなディレイタイムを選択し、D-TIMEのVALUE値で細かく調整。
例えば、10.0msecのディレイタイムを設定したい時は、D-RNGは02を選択、D-TIMEで70を選択する。
また、D-RNGで03~05を選択した場合、OUTPUT2からはダイレクト音(ドライ音)が出力される。
00~02を選択した場合はインバート出力。
R.PT.:リピート
ディレイの繰り返す量を設定。メーカーによってはフィードバックという項目。どのくらいやまびこを繰り返すかという設定。0を指定すると、1回やまびこが帰ってくるだけ。
D-LEV:ディレイ・レベル
ディレイ音の大きさを設定。最大値99にするとドライ音と同じ大きさ。
モジュレーション(うねり)用パラメーター
WIDTH:うねりの幅 / SPEED:うねりのスピード
ディレイのエフェクト音にうねりをかける設定。数値が大きいと効果も大きくなる。ROLAND JCシリーズのコーラスも同じ原理ですね。
総括
このエフェクターの売りは、やはりこのモジュレーション機能だと思いますが、変わったエフェクトがかけられるため、興味のある方はぜひ入手して使ってみてください。
メーカーの取扱説明書(PDM1)
メーカーの取扱説明書(DMI4)