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[第17回]<ウイスキー蒸留所のクラウドファンディング> ☆ウイスキーと科学と数字☆

こんばんは、Whisky Studentです。
本日のテーマはクラウドファンディング(以下CF)です。
ウイスキー蒸留所のCFにまつわる数字を調べて、それについて考えてみたら、ウイスキーと科学と数字らしい記事になると考えました。
弊社は今年(2025年)CFを実施したいと計画しておりまして、
そのための勉強の一環でもあります。

世の中には多くのウイスキー関連のCFがありますが、そのうち
・国内の実施済・成功CFで
・蒸留所の新設や改修に関わるもので
・集めた支援金額が1000万円以上のプロジェクト

を対象として、
各CFサイトで公表されている情報を解析しました。
支援金額の内訳やどのようなリターンに支援を得やすいかを知りたかったので、そういったことがわかるようにまとめたものが下の表(敬称略)です。

まず驚いたのは一人当たりの平均支援額です。表の真ん中あたりの行ですね。これが高いのです。
じつは私は、あるCF会社から「CFの平均支援額は約1万円なので、もし1000万円集めたければ1000人から支援を受ける必要がある」と言われました。
しかし成功したウイスキー蒸留所の新設/改修においては平均支援額が4万円~9.5万円となっており、その水準をかなり上回っていることがわかります。その理由の大きな一つは、新設のウイスキー蒸溜所のリターンで最もお金を集めたのは表中の全ての例において高額なオーナーズカスク(以下OC)であるためでしょう。

次に、OCのみならず、ミニ樽や樽の一口OCを広義の樽売とみなし、合わせて捉えたとき、新設ではこの広義の樽売で全体の7割強~9割強もの支援を受けていることが判ります。すなわち新設蒸留所がCFで支援を集めたかったら樽売をすべき、と言えるでしょう。一口OCも有効な手段でしょう。

また、もっとも大きな支援金額(表中のCF総額)を集めたDi Tripper蒸留所さんはどうして多くの支援を得られたのでしょうか。
有名人の協力があったから?
北海道産の原料への強いこだわりを訴えたから?
初回のCFではないから?
支援者数が多いから?
…それも大いにあると思いますが、私は以下の条件がもっと大きく作用したのではないかと考えています。
・OCの容量が小さく、そのために単価が他社OCより少し低いこと
・樽種はそれまでによく見られたバーボン樽ではなくシェリー樽があること
・樽の種類を選択できるようになっていたこと
・将来的な買取が示唆されていたこと

最後に、新設ではなく改修の三郎丸蒸留所さんですが なんとほぼ寄付に近い20万円での芳名板記載で1220万円も集めています。凄い!
これは母体の若鶴酒造さんの商売の規模と歴史も影響しているのでしょうか。加えておいしそうなつまみやウイスキーマニアが喜びそうな道具などの選択肢も豊富で、樽売だけに頼らずとも支援を受けることが出来る可能性を見せてくれています。

弊社を支援して下さる方々に喜んで頂けるようなリターンを考えて行きたいところです。


☆☆☆☆☆パラメータと参照・引用元☆☆☆☆☆
※1 CAMPFIRE「函館のウイスキーブランドが挑戦する道産大麦モルト100%の小さなウイスキー蒸留所」
https://camp-fire.jp/projects/692195/view

※2 READYFOR「北陸唯一の蒸留所を改修し、ウイスキー好きが集まる見学施設へ!」
https://readyfor.jp/projects/saburomaru

※3 Makuake「飛騨高山の廃校をウイスキー蒸溜所へ、学びと笑顔あふれる場所に」
https://www.makuake.com/project/whisky-hida/

※4 CAMPFIRE「石川県初のウイスキー蒸留所・お米のウイスキーに挑戦!【共同樽オーナー募集】」
https://camp-fire.jp/projects/664147/view/activities/516962

※5 Makuake「【富士北麓蒸留所】創業300年の日本酒蔵が挑むウイスキー。ニューポットを先行販売」
https://www.makuake.com/project/fujihokuroku/


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