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君はもっと恥をかいた方が良いとあの日おじさんは言った

2023年9月11日

大分涼しくなってきた気がする
台風の影響で仕事が忙しくなる。各地で漏水や水害が起こるからだ。因果な商売である。

今は建築関係の会社をやっているが、僕は昔料理人だった。最後に料理の仕事をしていたのは千葉にある小さなバーの厨房だった。バーテンダー1人、キッチン1人の小さなお店だったので、当然接客もしていた。
場所柄、大手企業の千葉支社が集まるようなところだったので人生の勝ち組気取りCクラスといった感じの人達が集まっていた。

当時の僕は尖りまくっていたのだが、皆さん流石に大人で可愛がってくれたものだ。

我が道を行ってる

自分にないもので羨ましい

等と言ってくれていた。

だが、もちろんそんな僕に一言物申したい人も何人かいらっしゃるわけで。
今思うと物申してくれてる人の方が本気で僕を心配してくれていたのだろうと思う。
自分がおじさんになった今なら解る。
面倒なガキだなと思えば適当に褒めて遇らう。それが冷たいかな世の中である。
そんな時1人のおじさんが

「君はもっと恥をかいた方が良い」

そう言った。

言われた時は、何言ってんだこのじじい

くらいに思っていたが、一理あると今なら思う。

日本人は極端に恥ずかしい事を嫌う。
それが結果的に言い訳がましくなったり、逃げ癖がついたりする事に繋がっている。
きちんと向き合えば失敗や失態を犯した時は恥ずかしい思いをするものだ。その経験が衝撃的な程に強くなるチャンスとも言える。
そういうつもりでおじさんが言ってくれたのかは定かではないが大いに学ぶべき事である。

そう言えば「これから会う人は俺の事をすごい人だと思ってるから、あんまりその人の前で俺の事悪く言わないで」という奴がいた。
あぁ、この人は虚像で人を騙しながら生きてるんだと思って全く信用できなくなった。
そんな奴が凄い人なわけないし、そもそも凄い人って何なん?
こういう場面と出会った時にあのおじさんの事を思い出す。結果的に彼の助言は役に立っている。

そして、そのおじさんのその後を聞く機会があった

どうやら、社内不倫をして離婚し、会社も辞めてどこかに行ったらしい…

おじさんは今でも貪欲に恥をかき続けてるということか。

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