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君が夜空に並べた星は

大恩あるウジさんの生まれた日。
今年もまたnoteを書いています。

そしてまた性懲りもなく、あなたが歌に乗せて届けてくれる言葉たちについて話そうと思います。

この世界で最も信頼している歌うひと、
イ・ジフンさんへ。

소나기 (Downpour:夕立)

괜찮아요
大丈夫です
금방 지나갈 소나기죠
すぐに過ぎ去る夕立でしょう

期間限定のアイドル、I.O.Iのラストシングル。
私はI.O.Iの曲をこれしか知らないけれど、ラストコンサートでこの曲を歌う彼女たちは涙を堪えきれず、歌うことすらままならず、これっぽっちも「大丈夫」じゃなくて…その歪さがあまりにも切なくて、私はボロボロ泣いてしまった。

一瞬の永遠を駆け抜けるアイドルの、その最後の瞬間に「すぐに過ぎ去る夕立でしょう」なんて言われたら、人の心が動かないはずがない。
けれどこの詞を書いているウジさんもまた、アイドルなんです。
第三者からしての(こういう詞を書けば感動するでしょう)という打算じゃなくて、
「大丈夫」じゃないことも
「すぐに過ぎ去る夕立」じゃないことも
それを誰より分かっているひとがこの詩をI.O.Iに贈ったという事実が苦しい。

머물러줘요
行かないでください
아직까진 그대 없이 나 혼자
まだあなたなしで 私ひとり
이 비를 맞기엔
この雨に打たれるには
아직 어리고
まだ幼くて
조금 무서워
すこし怖い

前に進もうと必死で悲しみを振り払いながらも
堪えきれず零れる「行かないでください」。
ひとことひとことが大粒の雨のように心を穿って痛い。
いつかは歩き出さなきゃいけないことをわかっているのに…わかっていても、まだここに居たいと願ってしまう気持ちをこんなにそのままの温度で自分の内側から世界に取り出せるものなのかと…
本当に、本当にこんなことを思ってどうするつもりかと自分でも思うけれど、悔しいなあと思う。

우리 이제 안녕
私達 もう さようなら

卒業公演では、この部分をファンが歌っていた。
なんて酷な歌詞でしょうか。
私がファンなら、この歌詞をその場で思い浮かべるだけで膝から崩れ落ちてしまうと思う。
けれどそれでも、ちゃんと「さようなら」を口に出さなければいけない。どれだけ苦しくても、それぞれの道を歩き出すために。
そして強制的に「さようなら」を言うチャンスをくれるのがこの歌なのでしょう。

「さようなら」への姿勢から見えるウジさんの「愛」。
もちろんこれはI.O.Iのために書かれた詞だけど、これを書けるのはウジさんだけだなと強く感じた曲です。

어른이 되면(When I Grow Up)

My love my love my love
ねえ、ねえ、愛しいひと
나의 그대여 부디 꽉 잡은 손
僕の大切な君、どうかギュッと握った手を
놓지 말아줘
離さないでいて

「この手を離さないで」という言葉を選ぶとき、「自分からはこの手を離せません」「ずっと君と一緒にいたいです」そして少しの「君がどこかに行ってしまう気がする」という気持ちが根底にあるんだろうなと思います。

大好きで、大切だからこそときに不安になってしまう…それでもこの手を離さないでいてと願ってギュッと固く手を握る…
この臆病さが本当に愛おしくて苦しい。

내가 어른이 되면
僕が大人になったら
달라질 줄 알았던
変わると思ってた
모든 것 그 모든 것들이
全てのもの その全てのものたちが
자꾸 나를 괴롭혀
しきりに僕を苦しめる
머리만 더 아프게
頭ばかりがまた痛む
내가 어른이 되면
僕が大人になったら

自分が変わったら、成長したら、変わると思っていたこと。「変わる」というのは自分の環境とか外的なものはもちろん「分かるようになる」とか「割り切れるようになる」とか「上手くなる」とか…自分の内面の部分も含めてでしょう。

けれど私も、かつての自分が思っていた「大人」の年齢になったら変わると思っていたことは大体変わりませんでした。

むしろ自分が「大人になる」につれ、大人になれなかった部分が浮き彫りになりました。

大人になったら…
ひとりでも大丈夫になると思っていたし
人と接するのも息苦しくなくなると思っていたし
自分の想いをうまく伝えられるようになり、
相手の想いも受け取れるようになると思っていたし
生きるのに悩むこともなくなると思っていた。
何よりもっとカッコいい人になれると思っていた。

思い描いていた理想と、そこに辿り着いた時に見えた景色とのギャップに苦しめられる。
「君」のことが分かるようになると思っていたし、「君」を守れる大人になると思っていたから。

大人になったら…
大人になったから…
抱きしめることすら躊躇うことだってある。

そんな気持ちを知っていて、かつそれを言葉にして表に出してくれることが、なんだか自己開示をすることで親しくあろうとしてくれるように感じてしまうのです。

고맙다 (Thanks)

뻔하디뻔한 이 말을 내가
あまりにもありきたりなこの言葉を僕が
이제서야 꺼내 보지만
今になって取り出してみるけれど
뻔하디뻔한 이 말이 전해는 질까요
あまりにもありきたりなこの言葉で伝わるのでしょうか

「ありがとう」という言葉と、ありがとうという言葉しかないことへの葛藤をひたすら繰り返す。
一見ありきたりなようにも見えますが、ウジさんは特に頻繁にこの葛藤を口に出している気がします。
歌としてだけでなくThanks toなどのウジさん個人としてのコメントでも。

고맙다 고맙다 또 고맙다 뿐이지만
ありがとう ありがとう ありがとうしかないけれど
기다림까지 그리움까지
待つことさえ 恋しささえ
우리 추억까지
僕らの思い出すらも
고맙다
ありがとう

「ありがとうしかない」と言いながらも
あの手この手で「ありがとう」を伝えようと模索するその過程にこれ以上ないくらいの「ありがとう」が表れていて、聞いている私の方が「ありがとう」と言いたくなる。

あなたほど豊かな表現力を持つ人が、一曲を通してその気持ちを表せないと言うことに一体どれほどの想いが込められているのか…

その気持ちを表す言葉をずっと探し続けているようで、やっぱりウジさんは誠実で、敵わないなと思います。

매일 그대라서 행복하다 (Imperfect love)

이 세상에 빛나는 것이 
この世界には輝くものが
정말 많고 많지만
本当にたくさんあるけれど
그중에 내겐 너만 너만 소중해
その中で僕には君だけ 君だけが大切なんだ

暗い世界の中、綺麗なものから敢えて目を逸らして盲目的に「君」だけを見る…私は時にそんな愛し方を選んでしまいます。暗闇に慣れた目では輝くものがあまりにも眩しく、そこに安住してしまうから。

けれど「僕」はそうじゃない。
暗闇にも光り輝くものがたくさんある。
君のいない世界でも光を見つけられる。
それでも「君」だけが大切なんだと言ってくれるところに、決意を感じます。

단 하루도 너에게 진심 아니었던 
たった一日だって君に真剣じゃなかった
날들은 없었다고
日なんてないんだと
어쩌면 아직 완벽하지 않은 
もしかしたらまだ完璧じゃない
사랑일지도 모를 테지만
愛かもしれないけれど

オンラインコンサートでこのパートを歌うソクさんを見て、心が震えました。震えるばかりで涙も出ませんでした。

「たった1日だって君に真剣じゃなかった日なんてない」…この言葉にこれほど説得力を持たせることができるひとが、他にどれだけいるでしょうか。
私は今までの人生で愛したひとにすら、この言葉を胸を張って言えません。
大切にしてたからこそ言えない気もする…けれどやっぱりたったの1日もその人に対して真剣じゃなかった日はないのだという自信がそもそもないのです。

でもこの歌詞は、この言葉は、軽率なのでも大袈裟なのでもなくて…心から真剣だったと思える日々を積み重ねてきてくれたんだろうなと思います。
たったの一日も欠けることなく…

だからウジさん。どんなに綺麗事に見えたって、あなたの言葉なら私は信じる。

Simple

去年のウジさんの誕生日から今日までの私の日々はこの曲無しでは語れません。

Yeah I just want it SIMPLE SIMPLE Oh
僕はただ“SIMPLE”…“SIMPLE”であって欲しい。
나를 숨쉬게 하는 모든 것이
僕を息づかせる全てが
그저 간단했으면 해
ただ簡潔であればいいのに
내게서 멀리 더 멀리 더 보이지 않을 때까지
僕から遠く さらに遠く もっと見えなくなるまで

この歌によって、思わぬ方向から救われました。
Simpleの歌詞が胸にストンと落ちてきたとき、私は本当に毎日が苦しくて、けれどそれは生まれて初めて味わう種類の苦しさで、どう向き合ったら良いかわからずにいました。

初めて社会人になってぶつかった壁だったから、「仕事を辞めたい」なのか「自己嫌悪」なのか「死にたい」なのか…どう在りたいのか、なにが変わって欲しいのかもわからずにただただ少しずつ失速していくばかりでした。

もしあの日、私の苦しさが「Simpleでありたい」という言葉に出会わなかったら、「死にたい」という言葉に収まってしまっていたかもしれない。
あの日Simpleに辿り着いて、「ああ、私はただSimpleで在りたかったんだ」と納得できたことは、本当に救いでした。

そして少しずつ萎んで閉じていっていた私の心にまっすぐ届いたのは、ウジさんの歌声だったからです。
Simpleはあの日の私にとって、閉じていくドアの隙間から差し込んだ最後の光でした。

내가 틀린 거라고 yeah 모두가 말해도
僕が間違ってるんだと誰もが口を揃えても
이 밤이 지나면 함께 웃을 수 있길
この夜が明けたら一緒に笑えますように

いつかはわからないけれど、明ける保証もないけれど、それでもこの夜が明けたなら一緒に笑えますように。

会うんだ必ず。私たちは。
この夜が明けたら…

あなたの笑顔が大好きです。

君が夜空に並べた星は

ウジさんの綴る言葉の美しさは
生きるものの美しさだと思います。

ファンタジーのように美しく
しかし確かにファンタジーではなく
柔らかい肌は温もりを持ち、
時には涙も血も流す。

脈を打つ旋律、熱を持つ詞
あなたの作る歌は嫉妬に狂いそうになるくらい魅力的で、私が目指す強さを全て持っています。
あなたの優しさやあたたかさがそのまま私の掌に届くのは、きっとあなたが表現者として揺るぎない強さを持っているからです。
その強さを手に入れるまでに一体どれだけぶつかって、闘って、叩いて、壊して、練って、研いで来たのでしょうか。それなのにどうして、こんなにも優しい愛に満ちているのでしょうか。

あなたの歌は一曲一曲嘘みたいな本当の愛で満ちていて美しく煌めくけれど、
あなたの歌はあなたやSeventeenさんが歌うことではじめて完成するのだと思います。
あなたという人が見せてくれる全て、Seventeenさんが見せてくれる全ての文脈の上に乗って、より一層熱を放つ。


君が夜空に並べた星は
望遠鏡から目を離して真っ黒なキャンバスいっぱいに視野を広げて見ると、大きな大きな絵になっている。

星と星の間をどんな線で繋ぐかは私たちに委ねられているけれど、どんなかたちであってもそこに描かれた星座はSeventeenとCARATの愛のかたちだと思うのです。


君が夜空に並べた星は
この夜を丸ごと抱きしめるかのように瞬いて
どこにいても見えるくらい遠くたって、確かに信じられるものとして私を導いてくれています。

申し訳ないと言いたいけれど、申し訳ないと言うことすら申し訳なくなるくらい優しいウジさん。
あなたもあなたがくれたものたちも決して手放せない、有難くて大切な宝物です。

ありがとうございます。
本当にありがとうしかないことが悔しいけれど、有難うございます。

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