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これは光のはなし

思い切り笑ったり泣いたりできるほど何かを好きになれるのは、幸せなことだと思う。

誰かに笑われても譲れないほど好きなものがあるのは、幸せなことだと思う。

これはそんな光のはなし。

星を視る虎

彼の名前はホシ。「虎」の「視」線でホシ。
SEVENTEENのパフォーマンスリーダー、ホシ。

元気印であり、お調子者であり、ヘムチ(ハムスター)と呼ばれる愛嬌がある。

振付師であり、パフォーマンスの鬼であり、虎のような視線で観客を刺す。

人見知りであり、俯きがちであり、今までどれだけ傷ついてきたのかと泣きたくなるほど優しい。

同一人物なのか疑いたくなるくらいにコロコロと表情を変える彼を見ていると抗えないほど惹かれてしまって、「落ちる」とはこういうことかと、今もまだ落ち続ける我が身を以って思い知る。

日本語の「星」と同じ響きを持つその呼び名の通り、彼は何故だか夜がよく似合う。あんなに強く輝いているのに、真昼の太陽ではない。きっと真昼の太陽なら、私はこれほど惹かれていない。

ステージの上に立つ彼は怖いもの知らずで、歓声も罵声も全部全部俺が1番に受けてやるとでも言わんばかりのパフォーマンスを魅せるのに、
1人でVliveをする時には「僕1人で何を喋ったらいいか分からない…」「つまらないですよね、ごめんなさい」と俯く。

そんな彼の姿に、夜を見た。

彼自身も星だけれど、ステージの上に立つ彼は星空に浮かぶようで本当に綺麗。

アイドルのコンサートで1番幸福な風景は、なんといってもファンの振るペンライトの海とそれを愛おしそうに眺める推しの眼差しだと思う。
でんぱ組のライブでその光景を見たとき、本当に、本当に綺麗だと思った。その光の一つを自分が灯していると思うと、幸せでたまらなかった。

CARAT達が灯した光を眺める時のホシくんの表情が好き。
あの幸福を噛み締めているような、言葉に詰まったような、今にも泣いてしまいそうな一握の緊張感を感じる顔を見る時、胸が震えて苦しくなる。

ステージの上で視線と歓声とスポットライトを一身に受けながらメンバーとCARATを見つめる彼はこの世界で1番美しいと思う。

世界中の綺麗なものを全部掻き集めたって敵わない。大袈裟だって笑われても、嘘じゃないんだ。

彼は中心で

SEVENTEENにはいわゆる固定のセンターがいない。けれどセンターを決めろと言われたらまず間違いなく彼になると思う。

彼が中央に立つ陣形が、1番「SEVENTEEN」だと思う。
これこれ!これぞSEVENTEENだよ!となる。

メンバーそれぞれの良さがあり、様々な色を見せてくれるけれど、やっぱりホシくんがSEVENTEENのパフォーマンスの「要」で「核」だから。

自分の手足を操って魅せるだけじゃなく、彼はチーム全体のパフォーマンスが与える印象すらも絶妙な匙加減で操っている。

センターに立つ時にはとにかく目を引く。
恍惚とした表情で会場の視線をグッと集める。
「ステージの上で死にたい」と言った彼が放つ光芒はあまりにも眩しい。

かと思えば気づくと見失っている。
推しなんだもの、しっかり目で追っていたはず…なのにどうして…と不思議だったが、存在感を消すのが上手いのだと知り、鳥肌が立った。
ただの元気な目立ちたがりではなかったのだ。

ダンスの解説動画で彼は「クレバーなダンサー」と言われていた。
自分がメインで踊った後、次のメインダンサーへ観客の視線が移るように間の取り方や動きの大きさ、速度を工夫しているのだ。

彼は中心で、そして中心にいなくても、SEVENTEENのパフォーマンスの核を担っている。

魁の星

 パフォーマンス“リーダー”であり、振付やフォーメーションを考えているホシ君。「踊り手」としてだけでなく「作り手」としての責任も一身に背負って立っている。

ボーカルチームのリーダーであり、作詞作曲を手掛けるウジ君がかつてこう言っていた。

ある日突然全ての曲を僕が作ることになったんです。
僕はそれがとても…すごく感謝しなければいけないことですが…僕はとてもそれが…自分を含めた13人の行く道が決まる気がして、本当に辛かったんです。
でもそれをメンバーには言えなかった。親しすぎるから言えなかったんです。全て僕の過ちのようで…

きっと、ホシ君もウジ君と同じような重圧を背負ってきたのだと思う。

 世間に宣伝される時に使われる「自主制作アイドル」というフレーズ。彼らを知らない人達でもそれを聞いて「へえ!すごい!」となる。
「アイドルが作っている割にすごい」ではなく「これだけのものを本人達が作っているのか」と。
とても効果的なフレーズだし、それに見合うだけの仕事をしているプロなのだ。

 しかしそれは先ほども言ったように「歓声も罵声も一番に受け取る」ということだと思う。「SEVENTEEN」へむけられる賛辞も批判も、誰より深く彼らに刺さっていくのだと思う。

ホシ君とウジ君で歌うBring Itという曲の歌詞にこんなフレーズがある。

俺らに手ェ出すんなら、まずは俺を一発撃っていけよ

 彼らが正に先陣を切る魁であるということ、そしてその覚悟を見せつけられた気がした。

今の君のままで大切で、本当に大切で

 私はあまり大きすぎるものを背負った人や強すぎる人を称賛したくない。
なんでそんなに背負わなければいけなかったんだ、
なんでそんなに強くならなければいけなかったんだと、
哀しみに近い感情を抱いてしまう。
そういう称賛の声が、彼らにさらに多くのものを背負わせてしまうことになりそうで恐ろしくもある。

 だからこれはあくまで彼らが重い責任を負っていることや、寝る間を惜しんで作業をしていることへの称賛ではない。彼らの今までやってきたことと、彼らが今表現してくれていることへの私なりの受け止め方であり、哀しいと同時に好きでたまらないところである。

ホシ君、ウジ君、SEVENTEENのみんな、そんなに強くならなくて良いんだよ、弱いまま、割り切れないままで良いんだよ、どんな貴方達でも美しいんだよ。

心の底からそう思っているけれど、彼らが強くなりたいと歯を食いしばった日々があるから、こうして海を越えて、沢山の人に愛されて、KPOPに縁のなかった私のところにまで届いて、出逢えたんだと思う。

だから私は貴方達の努力から目を背けてはいけないと思う。貴方達に突きつけられる数字や世間の声からも、目を背けてはいけないと思う。

アイドルが自分で引き際を決められるというのは、とても幸せなこと

こんなことをでんぱ組を卒業した夢眠ねむさんが言っていた。アイドルは(アイドルに限らないけれど)数字を出し続けなければ終わり方すら選べない。

彼らが彼らの納得のいく道を歩んでいくためには、結果を出さなければいけないのだ。だからファンとしてもできる限り数字に貢献したい。

そのままでいいんだよという想いと、納得できるまで走り抜いてくれという思いと、その狭間を行き来しながら、彼らの選ぶ未来を少しでも永く見ていたいと思う。

休みたくなったら休んでほしいし、辛くなったら隠れてほしいし、寝ずに練習したいならしてほしいし、ステージの上で死にたいなら、そうしてほしい

ホシ君、貴方が、貴方達が自ら選んだ道を進んで行くことが、そのままで1番美しくて、本当に大切なんです。

君が1番輝くとき

彼のお顔の魅力が最大限引き出されるメイクで、何かが取り憑いたように時に激しく、時に艶かしく踊る時

LIVEの最初、ちょっと引くほど長い尺を取って、悦に浸ったように自己紹介をする時

CARATの声を聞いて涙を流す時

口をぱんっぱんにしてご飯を頬張る時

お母さんが心配させまいと入院していたことを隠していたと知って、泣きながら「忙しぶったりしないから痛いならちゃんと言って」と怒る時

そのくせ自分はライブの途中で肩を脱臼しても治療して戻ってくる時には「宿舎のボイラー直してました」なんて見え見えの嘘をついてしまう時

いつ寝ているのかと心配になるような夜中にちまちまとCARATのコメントに返信している時

夜中に曲を作るウジ君の隣にいてその努力をみんなに発信する時

まるで目の前にいる人に話しかけるかのように優しく「けろっとぅー」と口を尖らせて呼びながらVliveをしてくれる時

そんな彼が、歯を全部見せて目がなくなるくらい笑う時

そんな時、彼が世界で1番強く輝く光だと思う。

でも貴方が1番強く輝いてしまったら、誰が貴方を照らしてくれるの?
なんて、ただ照らされるだけの私が無責任にも心配になってしまう。

君が1番輝くとき

どうか貴方も私にとっての貴方のように、あたたかく優しい光に包まれますように。

 実は人見知りでバラエティ番組ではオロオロしていたり、ぱっちり二重じゃないことや指の短いことをコンプレックスに感じていたり、存在感がないと悩んでいたり、「わあ、かっこいい!」って感じじゃないのにどうして好きになってもらえたのかと不思議そうに感謝したり…

そんな彼の自信のなさや、周りの目を気にしてしまうところや、それ故に周りの人の優しさによく気づくところが…

そしてそれを見せまいとグッと自分の中に押し込めてまた「パフォーマンスリーダー」の「ホシ」としてステージに上がる危うさが…

そんなところ「も」大好きだなんて上から目線なことはとても言えない。そんな弱い部分が好きだというのもなにか違う。違くはないのかもしれないけれど、それを言葉にしてしまうとあまりにも傲慢で…


でもそんな…
彼のそんなところから見える生き様と
「アイドル」としての美学が、思想が、

たまらなく愛おしく、美しく、誇らしく

あたたかく私の世界を照らす灯台のようなのです。

いつもありがとうホシくん。貴方を通して見える世界はこんなにも美しいです。

これはそんな光のはなし。



ホシくん、私は、君になりたかった。





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