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偏愛曲偏愛

なんだか目がチカチカするタイトルですね。
今回のテーマはこの通り、セブチの「偏愛曲」に対する私の偏愛を語ります。

いやでも、そもそも偏愛曲ってなんぞや。
言ってしまえば愛の形は人それぞれ…
それでもなんとなく王道の愛し方とそうじゃない愛し方という感覚上での違いはあって、私はどちらかといえば本や映画や歌なら後者の方が好みです。

思い通りにならなくても、理不尽でも、時に歪でも
「自分にはこれしかないんだ」という切実さに心が揺さぶられる。

そして私の中で「SEVENTEENだからこそ好きな曲」(逆にSEVENTEENじゃなきゃ聞かなかったであろうタイプの曲)と「たとえSEVENTEENじゃなくても好きになってたであろう曲」があって、どちらかといえば王道ラブソングは前者、そうじゃない曲は後者です。

今回は後者について。独断と偏見による偏愛曲偏愛の始まりです。

Rock

私が初めてRockを聴いたのはまだCARATとしての物心がつく前。SEVENTEENを知って1ヶ月くらいの時に友人がOde to youのLIVE DVDを見せてくれて、立姿のシルエットだけでこれだけカッコいい人達がいるのかとドギマギしたのを覚えている。

驚くべきは最新曲と遜色無く洗練された鋭さを持つこのRockという曲が、セカンドミニアルバムに収録されているということ。
デビューの年ですらこの安定感。色褪せない新しさと、メンバーの成長と共に変わっていく解釈…恐ろしい。

너만이 내 내 세상을 흔들어놔
君だけが 僕の 僕の世界を揺さぶる
너만이 내 고통의 이유
君だけが僕の苦痛の理由

僕の「心」じゃなく「世界」すら揺さぶるのも
「苦痛」という負の感情を与えられるのも
君「だけ」なんだと歌う。

人は関心のない他人に関することではそう簡単に傷付かないと思う。苦痛を与えることや傷をつけることすら、その人にとって大切な存在のみに許された特権なのだと思い知らされる。

기분 좋은 고통 계속해서 더
心地好い苦痛 続けてもっと
벼랑 끝에 몰아세워 더 아찔함을 줘
崖の淵に追い込んで もっとくらくらさせてほしい

まるでそれこそが「君」と言う存在とその人に抱いている感情を確かめる方法であるかのように、苦痛を求めている。
この被虐的な狂気がこの曲を私の中で「偏愛曲」たらしめている。

Yeah Just right now
모든 게 멈췄어
全てが静止した
너를 마주하고서 굳어버린 Body
君を前にして 硬直してしまった 身体

バキバキのラップパートからこの滑らかなスングァンちゃんパートに切り替わる瞬間がたまらなく好き。
何回聞いても身震いして身体が強張るくらい。

ラップパートが悦楽的な狂気だとすればこちらは穏やかな狂気。
君を前にして全てが動きを止める。自由を奪われ目も離せないのに心臓の音だけが煩い…そんな戸惑いが伝わってくるような旋律。

Rock my head

パフォーマンスはライブによって変わるけれど、Ode to youのRockの最後のサビが最高に「Rock」を体現していると思う。
それまでの艶かしく身体をウェーブさせる大人しい表現から一転、最後で急に頭を抱えて掻きむしるような激しい動きになる。
狂おしい程の愛で何一つ思い通りにならない自分への焦りと腹立たしさと少しの恐れが、とうとう爆発したかのような表現。
かと思えば次の瞬間またゆっくりとウェーブを通す「静」へと振り切る。

この切り替えと一貫性の無さがまさしく「Rock」。「君」にガッチリと拘束され、囚われた「僕」がたまらなく愛おしい。

Habit(입버릇)

그저 어딘가 있을 널   웃고 있을 널 생각하면
ただただ何処かにいる君を 笑っている君を想うと
괜히 지는 거 같죠
なんだか負けたみたいです
참 바보 같네요 내가
本当に馬鹿みたいですね 僕は

こちらはRockとは別系統の偏愛曲です。ボーカルチームの曲らしく穏やかで優しいメロディのバラードで、口癖のように君の名前を呼んでしまうという一見正統派失恋ソング。

もう別々の道を歩んでいるのに自分ばかりが「君」を考えている。思い出そうとしなくても自分の意思と関係なく思い浮かんで…それがなんだか無性に悔しくて「負けたみたい」だと思ってしまう。

そして「負けたみたい」な自分と、「負けたみたい」と考えてしまう自分に対して「本当に馬鹿みたいですね僕は」と自嘲する。
「負けたみたい」と言った直後に「勝ち負けじゃないだろ」と冷静な自分が顔を出すなんて、苦しい性ですね…

차라리 네가 좀 더 힘들었으면 해
いっそ君がもう少し苦しんだなら
힘들어서 내 생각도 좀 하고 그랬으면 좋겠어
苦しんで僕を少しでも考える…そう在ってほしい

この曲を偏愛曲に選んだ理由は、君を愛するあまり自分ばかりが苦しむことに耐えられなくなって「君」の苦しみを願ってしまうような矛盾を孕んだ歌だから。

あれほど清らかな旋律と歌声で、この後ろめたい感情を言葉にしてしまう危うさにギョッとしてしまう。

네가 없는 지금에서야
君がいない今になって
버릇이 돼버린   널 부르는 습관들을
癖になってしまった 君を呼ぶ習慣たちを
지우지 못하고서 살아가
消すことができずに生きていくんだ
너 때문에
君のせいで

「君のせいで」

なんて美しい恨み言でしょうか。理不尽だけど、「君」じゃなきゃこんなことにはならなかった…というのは紛れもなく一つの愛でしょう。

そしてこの歌詞はウジさんのパートですが、
지우지 못하고서 살아 / 가 너 때문에
と、単語の途中で一度切って歌っています。
意図せずか意図してかわからないけれど、
「살아 / 가」とすると意味上は
「生きて / いく」という切り方になる。

未練に未練を重ねて、君を呼ぶ習慣を消せずにいるけれど、

「生きて… いくんだ  君のせいで」

それでもこの口癖と共に生きてくんだという一種の諦めと覚悟を感じる。
息継ぎ一つでこんなにも…

SEVENTEENの曲はとにかく情報量が多い。進んでも進んでもまた新しい引き出しが見つかって、うっかり通り過ぎてしまいそうなところに宝石が散りばめられている。きっとこの先何年経っても聞くたびに敵わないなと想ってしまうんでしょう。

Flower

とうとう来てしまいました。序盤にして大本命、偏愛も偏愛のFlowerソンべニムです。私はこの歌に出会ってからずっとLINE MUSICをFlowerにしているくらいFlowerペンです。

모질게 짙은 넌
咽せ返るほど濃い君は
내 가슴 깊이 파고 든다
僕の胸の奥深くまで根をおろす

前奏の弦を弾くような音から、もう既に危うさと緊張感と耽美的な美しさが迸っている。「君」を棘のある花に喩え、求める曲。

Rockが「傷ついて良い(むしろ傷を求める)」でHabitが「君も傷つけばいいのに」だとすればFlowerはRock側ですね。

온통 주윈 너란 생각  내 머릿속에 깊이 뿌리 내려
あたり一面に君への想い 僕の頭の中に深く根付いて
아무리 줄기를 꺾는대도 비바람 불어서 흔들어대도
何度枝を手折ろうと 雨風に吹かれ揺さぶられようと
넌 이미 활짝 펴버린 내 Flower
君はすでに咲いてしまった僕の花

どうしたって揺るがないくらいに侵食されて、もう後戻りできないほど。それを花に喩えることで生々しく、艶かしく、美しい世界観が作り出されてる。

나를 알려준    나를 보여준
僕を教えてくれた  僕を見せてくれた
너는 나만의 꽃이니까
君は僕だけの花だから
영원히 네가 내 맘에 핀다면 난
永遠に君がこの胸に咲き続けるのなら 僕は
다쳐도 돼    다쳐도 돼
傷ついてもいい 傷ついてもいい

「僕を教えてくれた、僕を見せてくれた」そんな「君」に対する恩。
「君」と出会わなければ知らなかった感情があり、できなかった経験があり、見えなかった景色がある。
そんな清らかな感謝の中に「僕だけの花だから」という独占欲を零してしまうところがもう…
これぞ偏愛。

そして「傷ついてもいい」と二回繰り返すところ。勢いで口をついて出た1度目の「傷ついてもいい」を、もう一度口に出すことで自分で確かめているようで胸に刺さる。

날 타고 흐르는 상처 자국은
僕を焼いて流れる傷跡は
너를 위해 있을 뿐이야
君のために存在するだけなんだ
날카로운 너의 가시 나에게 줘
鋭い君の棘を僕にちょうだい

こんなに濃厚な被虐性を孕んだ愛をSEVENTEENさんが歌うと思わなかった…完全に不意打ちで、防御不能でした。

痛みを許容する「傷ついたっていい」から自ら痛みを求めにいく「君の棘を僕にちょうだい」への加速。

너에게 다가가면 상처 나겠지만
君に近付けば傷つくだろうけれど
그래도 두 팔은 널 감싸 줄거야
それでもこの両腕は君を包みこむよ

「감싸」は辞書によれば「包む」だけでなく「庇う」という意味もあるみたい。「君」によって傷つくのに、その「君」を守りたいという矛盾が切ない。

줄기로 몸을 타고 만개하라
枝で体を燃やして咲き誇れ
아름다움을 넌 만끽하다
美しさを君は満喫するんだ

傷つけることも燃え尽きることも恐れずに美しく咲き誇ってほしいという祈り。被虐性というだけでは片付けられない献身的な愛を感じてしまう。

そしてこのパートでようやく我らが統括・スンチョルさんのお出ましです。
6人のユニットなんだからもっとたくさん出番があってもいいのに、彼は2番の終わりまで歌わないんです。いやあ…ズルい…

そしてFlowerはディノちゃんが振り付けをしたダンスも素晴らしくて、こちらについてはYouTubeでダンス解説をしている方の動画をぜひみていただきたいです。
https://youtu.be/1nM879Q9vcs

曲の始まりではジョンハンさんが目を背けて俯いたまま上に手を伸ばすのですが、このラップパートが終わって大サビに入る前、スングァンちゃんが真っ直ぐに上を見つめながら手を伸ばすんです。この対比がもう天晴れというか…

나를 알려준    나를 보여준
僕を教えてくれた  僕を見せてくれた
너는 나의 유일한 이유
君は僕の唯一の理由
영원히 네가 날 기억한다면 난
永遠に君が僕を憶えていてくれるのなら 僕は
다쳐도 돼 다쳐도 돼
傷ついてもいい 傷ついてもいい

ここで歌詞にも変化が現れます。
「君は僕だけの花だから」から「君は僕の唯一の理由」へ。
独占する愛から自分が強く在るため、或いは他の何かの理由へ…
ディノちゃんが言ってくれる「CARATは僕の存在の理由」という言葉を彷彿とさせるので、もう涙も鼻水も止まりません。

そして「永遠に君が僕の心に咲くのなら」から「永遠に君が僕を覚えていてくれるのなら」へ。つまり今度は「君の心に僕が咲く」ことを望んでいるんでしょう。
ただ、「僕を憶えていてくれるなら」という言葉は恐らく「ずっと隣にいられる人」には向けられない。だとすればなんらかの終わりや別れを想定しているかのような言葉です。

Flowerの歌詞の主人公としての「僕」がどんな未来を想定しているかはわからないけれど、先ほどの「理由」の部分にディノちゃんを投影したように、こちらにもSEVENTEENを投影してみたら…
「CARATは僕達の唯一の理由」で「永遠にCARATが僕達を憶えていてくれるなら」「傷ついてもいい」と解釈してしまったら…
ちょっとこの先は語らないことにします。あまりにも苦しくて、言葉にすると無粋なので。

너의 빛으로 새긴 마음은
君の光で刻まれた心は
나를 강하게 만드니까
僕を強くさせるから

君の「棘」は「光」だった。
僕を「傷つける」だけでなく「強くする」存在だった。

いつかFlowerの制作の裏側をドキュメンタリーにしてくれないかなあ…誰がどこの歌詞を考えたのか、曲も振り付けもどうしたらこれほど美しいものが生まれるのか…

Lilili Yabbay (13월의 춤)

パフォーマンスチームの曲、どれを取り上げるか迷いました。本当は複数取り入れたかったけれど、私の体力が追いつかず…無念。今回は曲調が一番好きと言う理由でこちらを選びました。

넌 내 꿈에 살고 아름다우며
君は僕の夢の中に生きて美しく
날 흔들고 갔고 (사라져서)
僕を揺さぶっておいて (姿を消し)
날 기다리고 기다리게 해
僕を待ちに待たせる

ここから繋がるパフォチの曲って、なんだか御伽噺のような雰囲気があってとても好きです。

まるで「君」と「僕」しかいないかのような閉じた世界を創り出しているのに、2人は隣にいない。
「君」はどこか遠くにいて、逢瀬の場所は専ら夢の中。

우리 둘만
僕ら2人だけが
존재할 수 있는 그 시간을 열고
存在できるその時間を開いて
그럴 수 있다면 그래 그럴 수만 있다면
それができれば そうすることさえできれば
나를 그려낼게 13월의 춤
僕を描き出す 13月の舞

この歌の「君」と「僕」は、まだ現実には出逢ったことすらないんじゃないかと思ってしまう。
まだ出逢えてはいないけれど、ずっと誰かに逢いたくて仕方ないような感覚…その誰かである「君」と逢うために13月という実在しない時空で舞踊る。

널 위한 기도가 사라지지 않을 거라 믿어
君のための祈りが 消えないものだと信じている
믿음을 의심한 적이 없어
信頼を疑ったことはないんだ
목마르고 추워져도 이곳에 서서
飢えても 凍えても この場所に立って
나의 움직임 너의 의미 가득 담아
僕の動きに君の意味をいっぱいに込めて

祈りのための舞というのは、舞の最も元始的な形のような気がします。そしてその祈りは「君」に向けられているのです。何を祈っているのか…逢えることなのか、君の幸せか、それとも…

사계절로 우리 가둘 수 없지 only
四季も僕らを引き離せないだろう ただ
내가 그린 선 끝 따라 봄이 와
僕が描いた線に沿って春が来る
너의 눈물 흰 눈이 되어
君の涙は白雪になって
서로 감동의 물결 만들어내
互いの感動の波を生み出して


自然の摂理の外側、舞の曲線で連れてきた春と君の涙の白雪も共存する幻想の世界。「눈」は「目」と「雪」どちらの意味もあって、韻を踏んでいるのもまた美しい。

本来交わらないはずの二人が出逢うために「13月」という虚構の世界まで作ってしまうなんてズルい。彼らと交わることのない存在である私は、冗談じゃなく、「その手があったか」と想ってしまった。

두 눈 말고 진정으로 마주치면
目と目だけじゃなく心から見つめ合えたなら
우리의 13월로 만남 이뤄져
僕らの13月で出逢えるんだ
달빛에 기대 춤을 추지
月影に頼って舞い踊るんだ
시선은 너만 보고 있어
視線は君だけを見つめている

月は「ここじゃない何処か」との束の間の邂逅の象徴で、そこに向けて祈り、舞い、そして心と心で見つめ合えたなら、僕らだけの13月で出逢えるらしい。美しい約束ですね。私もうっかり祈ってしまいそうになる。

Getting Closer(숨이 차)

숨이 차게 너를 원해
息が切れるくらい君が欲しい

なんてエロいんでしょうか。
完全に「君」の虜なのに、今度の「僕」はかなり強気なようです。(誰目線)

왠지 모르게 내게 어색해
わけもわからず自分がぎこちなくて
나는 너를 정말 미워하기 싫은데
僕は君が本当に憎らしくて嫌なのに

「君が欲しい」と言ったかと思えば「君が本当に憎らしくて嫌」と言う。
本当に自分が思う通りにならないみたい。
いや、思い通りにならないくらい求めてしまうから君が欲しいのか…

짙어진 향 미쳐버려 주체 못 해
深くなる香りにおかしくなって手に負えなくて
너의 향기 몸이 반응해 또
君の香りに体が反応してまた…

誰かに魅了されて理性が働かなくなった人間というのはこうもエロいものなんですね…体が反応するなんて…細胞レベルで「君」を欲している。
こんな危うい歌詞のパートを任せられているのはいったい誰だろうか…と確認してみたらスンチョルさんでした…
私はまだまだ韓国語初心者なので聞き込んだバラード曲とかじゃないと音と意味が同時に頭の中に入ってくることはないけれど、パフォーマンスと表情と声と一緒にこの歌詞の意味が頭に流れ込んできてる方々、大丈夫ですか?立ってられるんですか?汗
私なら腰から砕けてしまうと思う…

마음이 지고 또다시 피는
心が散ってまた花ひらく
그 말은 내게
その言葉は僕に
내 맘을 잠시 덮는다
僕の心を束の間覆い隠す
어떤 답을 기대했나
どんな答えを期待したんだい

あれほど「君」に狂わされているのに、「君」を試すようなことを言う。
余裕のない局面で見せる余裕が、むしろ色気を感じさせてくる。

「僕の心を束の間覆い隠す」はホシ君。強気な歌を歌わせたら彼の右に出るものはいないと思う。
「どんな答えを期待したんだい」はスンチョルさんとドギョムの低音・高音のハモり。低く脅すような声と高く叫ぶような声とが合わさってこれまた解釈の幅が広がります。

ただ、最後は「息が詰まるほど君が欲しい」で終わる。どれだけ抗っても、結局はこの一言に尽きるんでしょう。

Fear 독

넌 내 기억을 지워야 돼
君は僕の記憶を消さなければいけない
I’m poison
僕は毒だ

歌い出しから好きでした。
大切な人に、その人の記憶から自分を消さなければいけないと言うほど自分を毒だと思ってしまうなんて、あまりにも切ないじゃないか…

겁이 나 깨지 못해 또 거짓말을 해
怯えて目覚められずまた嘘をつく
내 기억마저 물들고 있어
僕の思い出さえ染まっている
넌 내게서 물러서야 해
君は僕から逃げなければいけない
Someone tell me what should I do
誰か僕にどうしたらいいか教えてくれ

Fearは全体的に全てを説明してくれないというか、本質をぼかしたような歌詞なので「僕」すらも侵食する「毒」が果たして何なのか、真相はわからない。

けれど恐らく「愛」と言われる類のものなんじゃないかとは推測されて、「僕から君への愛」が、或いは「君への愛を帯びた僕」が「毒」なのでしょう。 

それらがもう「僕」では制御不能で「君」にとって良くないものになっている、でも「僕」から離れることはどうしてもできないから「君」が離れるべきなんだと…
でも「離れろ」「離れてくれ」とは言わないんですよね…
離れる「べき」だけど行かないで欲しいと言う葛藤が言葉尻から伝わってくる…だからこその叫ぶような「Someone tell me what should I do」が刺さる。

이 선을 넘지 못한 나를 사랑해줘
この一線を越えられない僕を愛してくれ

個人的にこの歌詞はSEVENTEENの歌詞の中でも1、2を争う殺し文句です。
自分の中の狂気か、「君」を傷つけることか、嫌われることか…何かを恐れてこの一線を超えられない僕を、私なら「赦して」と続けたくなるところですが、ここで零れた言葉が「愛して」なんです。なんて強欲で素直で、そして切実なんでしょうか。

私ならこのセリフを言われた瞬間地獄の果てまで一緒に堕ちてもいいと思ってしまうかもしれない…
そんな殺し文句をあの危険な色気を纏ったビジュアルとパフォーマンスで囁くから引き摺り込まれる。本当に敵わない。

너로 멈춰버린 가사도
君で止まってしまった歌詞も
언젠가 언젠가
いつか いつか

「いつか」の先の空白。「君」をどうしたいのかも、どうなりたいのかも、「君」がどんな存在なのかも…今は記述する術を持たないけれど「いつか」。何が繋がるんでしょうね、、、毒杯を呷りながら永遠の刹那鼓動に身を任せる彼らは何を想っているのか…
そして次の瞬間

This is love

「これが愛だ」と言い切るウジさん。何かが吹っ切れたかのよう。
自分を、場合によっては大切な「君」も蝕んでしまうような「恐れ」を含めて、これが僕の「愛」だと。

Fearも振り付けから解釈が無限に広がる曲ですね。サビの胸を掻き毟り、しがらみを振り払おうともがき、毒杯を呷る振り付け…本当に大好きです。

Light a flame (마음에 불을 지펴)

96ラインの危険なお誘い。ブルジビョのお時間です。

아슬아슬하게 선을 타
ギリギリのところで線を引いて
넘을 듯 말 듯하게 맞닿은
越えそうで越えないくらいに触れ合った
Secret sign
秘密の合図
간지러운 마음의 목소리가
こそばゆい心の声が
고요한 호수 한가운데 요동치게
静かな湖の中心で揺れるように

互いの輪郭をなぞるような絶妙な駆け引き。
少しでも踏み込めばフッと火は消えて姿も見えなくなりそうな緊張感。
出だしから色気の溢れる牽制でたじろいでしまいます。

촛불의 빛 하나에 의지한 채
ろうそくの灯りひとつを頼りにしたまま
서로를 찾아 불빛을 바라보고
互いを探して火の光を眺め
그림자는 모여서 하나로
影は集まってひとつに

仄暗い闇の中、揺らめく蝋燭の灯りに浮かぶお互いの姿を確かめて、きっと身体が触れ合うよりも先に影だけが一つに交わってしまったのでしょう。

触れてないのに、こんなにも艶かしい。
言葉で感情の輪郭をツーっとなぞられるような背徳感。いったいどこでこんな色気を培ってきたのか…

알면서도 모르는 척
知っているのに知らないふり
서로에게 빠지고 있어
お互いに箍が外れてしまってるんだ

これだけ高度な駆け引きをしておきながら、箍が外れて制御不能なんだと言ってしまう。もう打つ手がないじゃないか。

비밀의 늪의 끝은  새로운 시작인 걸
秘密の沼の底は 新たなはじまりだと言うことを
지금 이 온도에  서두르지 마
今この熱さに 焦らないで

熱に浮かされ火照った体に焦らないで、ここはまだはじまりなんだよ、と…
もうお手上げです。息もできません。制御不能だなんて言いながらこの状況を楽しんでいるでしょう貴方。その余裕が、こちらを狂わせる。

비밀의 늪의 끝은  또 다른 시작인 걸
秘密の沼の底は また別のはじまりだと言うこと
두 눈을 감으며  가까워질 때 더 뜨겁게
両眼を閉じて 近寄る時には さらに熱く
마음에 불을 지펴
心に火を灯せ

これだけの色気に当てられた状態、最後の最後で「両眼を閉じて」なんて。
何を試されているんでしょうか。目を閉じるのが少し怖くもある。

ただ、「心に火を灯せ」と言う距離感が絶妙。「僕が灯してあげる」ではなくあくまで「君が火を灯せ」であって、多分前者では意味がないんです。
私が、私自身で火を灯す必要がある。自分自身で一歩を踏み出す必要がある。そこがまたたまらなく良い。

ここまで骨抜きにしてきたんだから思い通りにすることも容易いだろうに、あくまで「君」の意思を見せて欲しいと言うその距離感を大切にするところが人として愛おしくて仕方ない。

偏愛曲偏愛

本当は血の涙を流しながらホシ君の아무데도 못 가についても語ろうかと思いましたが辞めました。理由は単純に資料が少なかったからです。

本当は「これも偏愛曲かも」とか「これを偏愛曲として解釈したら面白いかも」(holidayなど)と思う曲はまだまだあったけれど、気づけばもう1万字なのでこの辺にしておきます。

歌詞を読めば曲に繋がり、振り付けの解釈が広がり、メンバーの表情の捉え方も変わり、それらがまた歌詞の解釈に還元される。何度咀嚼しても消化できない、それだけの厚みのある作品ばかりです。

これだけの作品を生み出し続け、変化し続けるということがどれだけ困難なことか…
「これが最高だ」という作品が生まれる度、次の作品へのプレッシャーも跳ね上がるんじゃないでしょうか。

それでもこれだけ豊かな世界観を、
常に新しい感動を、
そしてどんな作品にも底通している
揺るがない優しさを…
私たちに届けてくれるSEVENTEENがありがたく、そして誇らしくて仕方がない。

そしてそれができるのは個々の才能ももちろんのこと、13人という大所帯であることのリスクを最小限まで抑え込み、その強みを最大限に活かせているからこそだと思います。
ちゃんと話し合いながら互いの個性を尊重するというのは、努力したって誰しもできることではなくて…
13人が全員互いを尊重して、それを態度に示して、バランスを取り合いながら、でもちゃんと自分の考えを出して、許せないことは許せないと言い合う…そんなことを、不断に続けていかなければいけない。誰か1人でも欠けたら崩れてしまう。

だからこそ私は彼らを奇跡だと思う。
彼らが並々ならぬ努力をしていることは間違いない。そこからは目を背けたくない。

でも努力一本だけではどうにも再現できないことが成り立っているとすれば、
そしてそれがこんなにも優しいあたたかさを放っているとすれば…
それをもう、私は奇跡と呼びたい。


「奇跡」という便利な言葉にいつも頼ってしまう。
「奇跡」としか言いようがない気がしてしまう。
本当はもっと綺麗が言葉がそこらに散らばっているのに…これは私の弱さです。
でも、だとしても…

今日も
君は
光。

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