호랑이 (Tiger)
Seventeenのパフォーマンスリーダーであるホシくんのソロに、호랑이という曲があります。
芸名であるホシ(虎視)の由来になるほど彼が目指す姿の象徴であり、一方で今や絶滅危惧種でもある虎。
その保護を呼びかける世界虎の日に前触れもなくリリースされたこの楽曲およびパフォーマンスは、彼のパフォーマーとしての欲と覇気がこれでもかというほど詰め込まれています。
フルアルバムのカムバック後、ワールドツアーの怒涛のスケジュールをこなしながらリパッケージアルバムのカムバ、さらにその中にはリーダーズの楽曲とパフォーマンスも含まれているというなかで出されたこの曲を訳しながら、とにかくHOSHIというアイドルは痺れるくらいカッコいいんだ!と叫びたくなり、このnoteを書いています。
正直、今まで訳した中で1番訳しづらかったです。
まずなんてったって公式の歌詞が出ていない…そのため自動翻訳と色んな方の歌詞の書き出しを渡り歩きました。
その上でオラオラのラップ調なので砕けた表現が多く、その一方で楽曲の雰囲気からも伝わるように韓国の伝統文化や諺も組み込まれていたのでかなり苦戦しました…
でも本当にカッコいいので誰かにこの滾った想いを聞いていただきたく、ここに記録します。
自分なりのベストを尽くしたものの、上記の通り公式の歌詞が出ていないので内容の信頼性は保証できませんが何卒ご容赦ください。
そして基本的に英語部分は訳していません。
感覚的に、ラップということもあって英語は英語のままの方が全体の雰囲気を損ねないかなと思いました。そしてところどころかなり荒い言葉遣いになっていますが私の楽曲に対する解釈に過ぎず、当然ながらホシくんの人格とは全く無関係ですのでご承知おきください。
拙い翻訳ですがお付き合いいただければ幸いです。
호랑이 (Tiger)
初っ端から痛快なくらいに煽る煽る。
ホシくんはSeventeenのアクセルであり魁的な存在だと思っているのですが、ソロ曲でここまで世界に噛みつけるのはそんなホシくんだからだよなと思います。
その一方で「Let me drop the 풍악」はHITの「Let me drop the 음악」を受けた歌詞なのでしょうから「Seventeen」というアイデンティティも背負ってそこに立っているのだろうと思うと一層カッコいいです。
最後の一文は直訳すると「どれだけ空腹でも草を噛みはしない」です。こんなイカした煽り文句ありますか?!完全に自分を虎=肉食獣に重ねた上で、お前ら眼中にねえよ、というのをこんな風に表現できる…そんな人ホシくんしかいないです。
錦繍江山というのは錦のように美しい山や川、朝鮮はその美しさから「三千里錦繍江山」という呼称を持っているそうです。
他を下げるのはもっての外ですが、自分の生まれ育った土地を美しいと言える人のことを、私はとても美しいと思います。それは自分を育んだ土地への愛であると同時に、自分自身を愛することだと思うから。
そんな愛する祖国、その「最後の」虎がまさしく自分だと名乗りをあげる…
現実社会でこんなカッコよさを目の当たりにするなんて思っていませんでした。
(そういうコンテクストであることは理解した上で)どれだけ笑われても、呆れられても、ハムスターと言われても、ことあるごとに…もはやサブリミナルのように虎アピールを継続してきた彼の、今この時期だからこそ…
それと同時にステージに立てば誰も彼が「虎」と名乗ることを馬鹿にしようがないような覇気を纏う姿が…
そしてあの「Cheers」を出したSeventeenのリーダーズのひとりであることが…
全てこの「大韓民国最後の虎」の説得力になっているように感じます。
ここのリズム感の良さ、それを存分に活かした振り付けはもう流石としかいいようがなく、体幹も筋力も今のホシくんだからこそこの領域に達したんだろうなと合掌したくなります。
道を阻むもの全てに噛みついて引きちぎっていくようなホシくんのラップに対し、草に潜みながらひたひたと背後に忍び寄るような余裕を持つTigerJKニムのラップ。
前王が新王に時代を託すかのような力強い後押しがこれまた鳥肌が立つほどかっこいい。
そしてこの虎を用いた表現の幅の広さが素晴らしいし、あまりにもこの曲で描かれるホシくんにピッタリで、まるで四字熟語の姿をした王冠を授けているようにも見える。
そしてそんな虎の大御所とのコラボレーションでも負けないくらいの「虎」を発しているホシくんがまたカッコよく、満を持してという感じがする。
恥ずかしながら私はこの曲でようやく「虎」には「호랑이」と「범」という二つの表現があることを知りました。大陸と地続きの韓国では日本以上に虎が身近で長い歴史を共にしてきたのだろうなと、虎を用いた表現の多さから見てとれます。
個人的にこの「おやおや(あいぐあいぐ)〜」のところが全身が強張るくらいに好きで、自分に挑戦してくる者に対して煽るばかりでなくもはや可愛く見えてしまうくらい、そして殺さないよう手加減できてしまうくらいの余裕があるような素振りで、悠々と両手を後ろに組みながら歩いて行ってしまうこの人の姿に焦がれずにはいられない。
そしてこの「손에 불날 때까지 계속 쳐라 쳐 박수」もCLAPの「손에 불날 때까지 박수」を受けているのだろうし、この「拍手」は自分ひとりで受けるものじゃなくあくまでもその後ろにいるSeventeen、ひいてはCARATで受け取るものだと言うかのようで…
これは深読みしすぎかもしれないけれど、私のお慕いしてきたSeventeenのパフォーマンスリーダー、HOSHIはそういうひとです。
恍惚とした表情でゆったりと舞うホシくん。
彼にしか生み出せない時間、そして空間。
彼こそ、虎の王である。
直訳すれば「虎の政権」ですが、この韻の踏み方の見事さといったらないです。
浅い韓国語知識でこんなことを言うのも突っ走りすぎですが、「ホシ・クォン」は言うまでもなくホシくんと本名の姓、けれど漢字を当てると「虎・時・権」とも読めて「虎の時代の覇権を握る者」という感じがします。
最後まで「Seventeen」「1、7」とソロとチームを切り離さず、Seventeenの名を背負って
「俺が大韓民国最後の虎だ」と吼えて立つ姿はまさに威風堂々。
これが、私の惚れたひとだ。
ホシくんに出会う前の私は、一歩引いて多くを語らず、包容力を持つひとこそがかっこいいと思っていました。もちろん今もそんなかっこよさに憧れるし尊敬するのですが、なんというかホシくんは…稲妻でした。
いかに尊大であろうと、不用意な煽りに見えようと、彼の咆哮が見せるのは屠るための牙ではなく護るための矛。
目立ちたいから前に立つんじゃなく、集中する視線を全部引き受けてそこに立つ。先頭、そして最先端という誰もが怖気付くその場所で彼が気持ちよさそうに笑っていることがどれだけ心強いかわからない。
そんなホシくんの姿が稲妻のように私の脳天を貫き、全身が痺れを超えて焦げるように感電する…それが私にとってのホシくんのカッコよさです。
敵わないなあ…この人には一生。
痛いくらいに鮮烈に輝く、私の光。