萌キュンソングを世界にお届け
でんぱ組.incというアイドルグループが2025年の頭にエンディングを迎える。
私にとって、最初のアイドルだ。
誰かを好きになること
応援して、応援されること
遠くにいる誰かを、誰よりも近くに感じること
その声が立ち上がる力になること
…10年前の私にアイドルのファンでいることを教えてくれたのは彼女達だった。
私はSEVENTEENを好きになってからしばらくして、でヲタとしての自分にひとつの区切りをつけた。それまでの私にとってでんぱ組は唯一絶対のアイドルだったけど、だからこそ2つのグループを同時に応援することが難しかった。
当たり前かもしれないけれど、私がセミコロンを打った後も彼女達のストーリーは続いていて、それが来年エンディングを迎える。
色々悩んだ結果、エンディングツアーに応募することにして、3回目で仙台公演に当選した。
泣いても笑っても(絶対に泣くし笑うけど)最後だ。
彼女達のステージを見るのも、サイリウムを振るのも、ヲタ芸を打つのも、口上をやるのも。
となればちゃんと曲を聴いて準備しなければ!と思い、私が離れたあとのリリース曲も聴いてみたらもうほんとに胸がいっぱいで、名曲揃いで…頭が痛くなるくらい泣いた。
いいアイドルを好きになったなあと
本当にそう思う。
想いが溢れて仕方ないので振り返りとレコメンドを兼ねて、好きな歌詞をバーっとまとめていこうと思う。
マイナスからのスタートなめんな!
でんぱ組のなかでも象徴的な曲のひとつであるW.W.D。
センセーショナルな歌い出し。
歌いたくなくて泣いたメンバーもいたようで、私が逆の立場なら相当な痛みを伴うと思う。ただ、私にとって彼女達が「初めてのアイドル」になった理由を辿っていくとこの曲に辿り着く。
「どこまでも行ける 捨てるものなんかない」
この歌詞は彼女達を鼓舞するものだっただろうけど、だからこそ私の背中を押してくれた。
誰かにそう言われわけじゃないのに、人としての「当たり前」になんでか辿り着けない気がしていた。ずっと自分はどこか欠落しているんじゃないかと思っていた。そんな私が一緒に「マイナスからのスタート」を切らせてもらえるような気がした。
夏曲のMVでも野外撮影がないことで有名なでんぱちゃんの「ちっとも羨ましくなんてないんだぁ〜」という負け惜しみからの「叫んでんだよ!息してんだよ!」がめちゃくちゃ良くて、私のなかの「夏」の定番になってる。
「ゼロ地点」だとしても「私なりに輝ける場所」で生きているのだ。今年の夏も花火も祭りも海もいってないけど「ちっとも羨ましくなんてないんだぁ〜」と口ずさむことで夏をやってるなあという気持ちにさせてくれる偉大な曲。
私が最初に聞いたでんぱ組.incの曲。
超絶アップテンポ、音と言葉を詰め込めるだけ詰め込んだ高音の歌にカラフルはMVで、こんなことを歌ってくれる。
私はアキバのヲタクではなかったけれど、どんなにリアルがダメでも待っていてくれる街があること、そこにこの子たちがいてくれること。
それが本当に心強かった。
就活と時期にはこれを聴いて面接に向かってた。
なんでもできるんだよと言われるたびに私の中に芽生えるものは希望ではなく絶望だった。
それを歌ってくれたことに心底驚いた。
この「でもやるんだよ」が、ライブパフォーマンスでは未鈴ちゃんによって凄まじい迫力で歌われる。本当に気迫がすごい。
「やだな」と「病んできたわ」に挟まれているからこそ「でもやるんだよ…!!!!」と自分を奮い立たせることができた。
まさかのまふまふさんの提供曲。
めちゃくちゃかわいい。ほんとにかわいい。
身に覚えがありすぎる…
社会人になってから周りに恵まれすぎて自分の不器用さを忘れることがあるけれど、これらが「前提」として歌われることが有難くて、だから私は彼女達に応援されることができてたんだなと振り返る。
応援するより応援される方が難しくて
渡すより受け取る方が難しい。
怖い朝も独りの夜も寄り添ってくれたのが、一見高刺激のでんぱ組の歌だったのは、こういう前提のおかげだった。
「同じ泥の中」という言葉を彼女たちが歩いてきた日々の矜持として歌う。
涙が止まらなかった。
私がでんぱちゃんに向けていたものは愛と呼ぶには心許なかったけれど、愛を渡し渡されるのと同じように、同じ泥の中にいた。
当時はほとんどの時間一人でヲタクをしていたし、何が好きとかどう好きだとか、救われてるけどそれがなんでなのかとかぜんぜん言葉にしたことがなくて、そもそも考えたこともなかったなあ。
泥の中から引っ張り出してくれるひとが私の人生には必要だった。
けれど泥の中から出られない、出たくないと思っていた頃もあった。きっとあの頃は引っ張り出さないでいてくれるひとを必要としていたんだろうな。
…なんて、理由はなくたっていいはずなのに考えてみたりする。
キラキラチューン
でんぱちゃんの曲って「カワイイど真ん中夢の詰め合わせ」だと思っていて、私の中ではとびっきり、いっちばんカワイイ。
リリースされたのは12年前だけど間奏の口上が良すぎるのでライブ映像の方を貼った。
…カワイイ(大号泣)
女性アイドルはでんぱ組しか知らないけど、これぞ王道カワイイだと思ってる。
胸がギュッとなる甘酸っぱさと切なさ。
間奏の口上はこんな感じ。
「大人になった今だってあの日の夢を諦めない。たまにはケンカもするけれど泣いても笑顔で仲直り。キラキラ涙を吹き飛ばし、君と手と手をギュッと繋いで未来へ向かって駆け出そう。でんぱ組.inc、ずっと一緒だよ!」
エンディングツアーでこの曲がセトリに入ってたら私は「でんぱ組.inc、ずっと一緒だよ!」と叫ぶことになるわけですが、それを想像しただけでももう涙が止まらなくて。でももしそうなったら、声が裏返ってでもちゃんと叫ぶよ。
Dear⭐︎Stageというのはでんぱ組発祥の地であるライブバーだ。
生きる屍のような人たちが溢れかえる世界でしがないサラリーマンの田中(仮)がディアステに迷い込むところからこの曲は始まる。
曲調も歌い方も本当に本当にカワイイ。
…で、元気が出る。
もう一回祈ってみてもいいんだって。
明日も生きれるように踊り続けたいんだって。
この曲だから、このかわいさだから、真っ直ぐ受け取れる。
不思議なんだけどでんぱちゃんの曲ってそう言う力がある。
ふわふわした夢の中にいるような曲。
フリルとチュールたっぷり♡という感じで、遊園地のコーヒーカップみたいにぐるぐる回ってあちこち行く。
聞けば聞くほどメロメロになる。今でも。
カワイイ!!!(くしゃくしゃの顔)(ガッツポーズ)
これはムヒとコラボした曲で、「チクリと刺さる痛み」「気になって気になって眠れない」とか虫刺されを彷彿とさせる歌詞が入っている。
虫刺されってこんなに可愛くなるんだ、、、とひっくり返った。
日焼けを通り越してゴールデンギャルとなったでんぱちゃんたちが、原始の地球から「いのちのよろこび」を歌う。
就活中に「地球はどでかい球だって?そりゃすんげーすんげーすんげーな!」を聞いてなぜか涙が止まらなくなったのを覚えている。
地球は丸いって、今じゃそんなの誰でも知ってるだろうけど、最初に知った人は「そりゃすんげーな!」とひっくりかえったのだろう。そんなコペルニクス的逆転回の単純さが当時の私にとって必要だったのだ。
でんぱちゃんの「カワイイ」は私にとって強さで、光で、かっこよさで、希望だ。
濃い!カワイイが!濃すぎる!
恋?なのかな?と言うような占いの結果を気にする、運命であって欲しいと願う気持ちをぎゅっと詰め込んでいるけど、にしても詰め込みすぎてものすごい捲し立て方になっている。そこも含めてめちゃくちゃキュートなのだ。
ハチミツにガムシロップをかけちゃうみたいな背徳感すら覚える「カワイイ」の濃さ。その裏にちょっとの毒っけと切なさ。他では替が効かない。
夢で終わらんよっ
その後も引き継がれていくことになる「夢で終わらんよ」という歌詞。武道館でライブをするという夢を叶え、その後もたくさんの夢を叶える姿を見せ続けてくれている。
これもねえ…カワイイの…
衣装もかわいくて、実はでんぱ組のヲタクになる前に東京カワイイ★TVで曲中に出るケモミミ・モリモリニット衣装を見たのが記憶に残ってた。だからこのmvを見た時は結局巡り合っちゃうんだなあってびっくりした。
ずっとずっと新しくいてくれてありがとう。
でんぱ組っていつでも挑戦者だ。
いつもスクラッてビルってスクラップしてでんぱ組を作り替え続けている。
常に新しくいるって言うほど簡単じゃなくて、特にあれだけ個性バキバキのグループなのだからマンネリ化してもおかしくないのに、本当にいつも新しい。
現状維持=退化でしょうって歌の通りの人たちだなあ。
ただ「挑戦し続けるでんぱ組が好き」なのは間違いないけど私が元々「挑戦する人が好き」かといえばそうじゃない。布団のなかで震えてる自分が惨めになるから。うるさいうるさいうるさいって耳を塞いでしまう。
「現状維持=退化」なんて言葉、それ自体はありふれてるけど他でもないでんぱ組だから、でんぱソングに乗ってるから、私の丸まってる布団まで手を伸ばしてくれたんだ。
「どんなにリアルがダメだって」「いじめられ部屋に引きこもっていた」という歌から好きになった人たちが「世界中照らしてこんなにも眩しいんだって歌ってやる」と歌ってくれる。こんなに嬉しいことはない。でも「眩しいんだ!」じゃなく「眩しいんだって歌ってやる」なのがまたいいんだ。
「WWDBEST」今思えばここで「BEST」というタイトルをつけるのはすごいなと思う。でも「マイウェイを降りな」かったし、彼女たちの夢への旅路はここで終わらなかった。
えいたそ卒業後、新メンバー5人が電撃加入。メンバーの半分が新加入って前代未聞だ。
きっとメンバーも怖かったと思う。
それでもそんな大きなチャレンジをした彼女たちに「むしゃりむしゃり掴み取れや」という歌詞があまりにもハマりすぎててもはや気持ちいい。
「夢の先は夢しかないの」
嬉しかった。夢を追い続けて、最初の目標だった武道館公演も何回かして、ワールドツアーもして、10年を超えて…それでも「夢の先は夢しかない」と歌う彼女たちがいたことが。
心のなかに灯るものがあれば
この曲が流れると会場がオレンジのサイリウムに染まる。あの景色がこころの奥の大切な場所であたたかく揺れている。
それが客席側だけでなくステージにいる彼女たちにとっで灯火となるのなら、心底有難い。
その光のひとつを自分が握っているのだということが私の「大丈夫」になってくれた。
大切な曲すぎて引用が多くなってしまった。
この歌は私の中でリリース当時よりも今の方が存在が大きくなっていて「終わらない幸せを限りある僕ら繋いでいこう」は人生におけるひとつのスローガンのようになっている。
リリース時はねむきゅんが卒業する時期だったこともあり「キミがくれた今をこれからも生きていくよ」が刺さっていた。今は「どんなに忘れたふりしてても、どんなにカタチが見えなくても、巡り合うキセキを僕らは生きているんだ」が刺さっている。
セミコロンを打った後も、今こうしてnoteを書いていることも含めて何度も巡り合ってるなあと感じることがあった。
「今」を共に生きてくれた人たちとは、きっと離れても何度も巡り合う。
この「インク」は「.inc」なのかな。
私が生きている間にかなしみが尽きることはきっとないけれど、それよりも長く「インク」が続いてくれるってことなんだよ。
生きたいと思うことが難しくても、君にも生きててほしいと思えば私が死ぬのは無責任だと思える。
…そういうことなのかな、勝手な解釈なのかな、どちらにしてもこの歌詞に私の居場所があることが有難い。
ひとりぼっちじゃ知らないままだったことも、今はもう知ってる。知ってる、ということが嬉しいんだよ。
宇宙を救うのはでんぱ組.inc!
でんぱ組.incって、ヒーローなんですよ。
ファーストアルバムのタイトルは「ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!」だった。
今回のエンディングツアータイトルは「宇宙を救うのはきっと、でんぱ組.inc!」だ。
節目節目で聞いてきたフレーズで、宇宙を救うってなんなのかよくわからなかったけど今ならなんとなく、わかる気がする。
こんなに明るく歌われたら、ほんとに照らされちゃうよ。お茶の子さいさいなわけないのに、どうしてなのか信じることができてしまう。
それは「夢で終わらんよっ」と言いながら「キラキラチューン」を歌い、「マイナスからのスタート」で走り続けてきた彼女たちだからこそだ。
世界が終わる日も最高のステージを見せてくれるんだって。
「理不尽も矛盾も抱き締めて」
「受け入れて」じゃなく「抱き締めて」なのが決意を感じて泣けてくる。
カラオケででんぱちゃんの曲を歌うとき、基本ひとりなのでマジで「口がついてこねえな」になるのだけれど、その分だけ「いっぱい伝えてえな」なんだと愛おしく思う。
「お前ら道に迷わせない」って、いや、私はいつだって迷うんだけど、迷ったからこそでんぱちゃんに出逢えたんだけど、それでも彼女たちが言う「行く先照らしてやんよ」は絶対的に「ホント」なんだよね。
「救ったげる」だけど「一心同体」で「地球が最後の日もそばにいるよ」と言ってくれるでんぱ組.inc。
自分の人生の中で「人類全員だいすきだよ!」という言葉に泣き崩れる日が来るだなんて思っていなかった。お題目じゃなく、でんぱ組のストーリーの中で辿り着いた言葉だから、熱く強く輝くのだ。
ありがとう。ありがとう…
大好きだよ!!!
長くなった割に全然語り足りない。
書けば書くほど全部の曲を語りたくなる。
でも想いが溢れて泣き疲れちゃったのでこの辺にします。
16年。
メンバーの入れ替わりもあり、一人一人に16年分の変化もある中で、いつのでんぱ組の楽曲も紛れもなく「でんぱ組.inc」の文脈上にあると受け取れるのは決して当たり前のことではないと思う。
「私たちとここにいるみんなででんぱ組.inc」とよく言ってくれるけれど、「でんぱ組.inc」が「でんぱ組.inc」に愛されているからこそ、紡がれてきた物語だ。
ぺろりんがYouTubeチャンネルでエンディングについて話している動画を見た。でんぱ組を好きになった頃の学校に行けていなかった話や、でんぱ組みたいなアイドルになりたくてアイドルを始めた話、加入した時(前情報なしステージで初のお披露目)の怖いと思った気持ちなども話してくれた。その上で「でんぱ組.incの曲、マジでいいんですよ。でんぱの曲をいっぱい歌えて嬉しい。」って、本当に幸せそうに話していた。
やっぱり私はこの子たちに出逢えてよかったなあとボロボロ泣いてしまった。
「青春」を視界の端で見ていた、世間が「青春」と呼ぶ時期を、でんぱ組.incと「私なりにそう輝ける場所」で共に過ごすことができて、本当に幸せだなと思う。
あと、この動画の中でぺろりんが「アイドルは幸せな職業」って言ってくれていて、SEVENTEENが「アイドルは祝福を受ける仕事」と言ってくれていたことを思い出して、私はなんて幸せなヲタク(ファン)なのだろうと思った。
私にとってはでんぱ組.incが最初のアイドルで、
SEVENTEENが最後のアイドルだから、
他のアイドルの皆さんが同じような言葉をファンに向けてくれるのかは分からないけれど、どちらにしても決して当たり前のことではない。
私も社会人になったからこそ思う。自分の仕事を幸福だと言うことがどれほど難しいことか。
アイドルを応援すること、愛すること、好きだっていうこと、幸せを願うこと…その全てがアイドル本人にとって本当に幸せなのかと不安になることがある。
だからこそ「そこ」に幸せを感じてくれていて、私が愛してやまない歌たちを他でもない本人たちが愛していると言うことが、信じられないくらい有難いことだと思う。
「でんぱ組.inc」全員、大好きだよ!!
エンディングまで、そしてその先も
終わらない幸せを、限りある僕ら繋いでいこう。
あぁ〜〜!よっしゃ行くぞーっ!!