見出し画像

ちょうど良いお祭り 〜松川町のあらい祇園祭を訪れて

7月20日、長野県下伊那郡の松川町で開催されたあらい祇園祭に行ってきました。

あらい祇園祭の模様と、あらい祇園祭に参加しての率直な感想を残しておこうと思います。

あらい祇園祭の模様

あらい祇園祭の会場は松川町のメインストリーム・あらい商店街です。

当日はあらい商店街の周辺道路を交通規制し、歩行者天国となり、あらい商店街の一帯が会場となります。

屋台は商店街の歩道側に出店している関係上、本来は車道である部分をゆとりをもって歩くことが出来ます。

あらい祇園祭の開催中・大通りであるあらい商店街の車道では様々なパフォーマンスも展開されます。地域のストリートダンスサークルの子供たちが踊っていたり、お囃子を奏でていたり・・・
非常に賑やかです!

個人的にツボだったのは、「運王」という企画です。ここまで一切の実力がゲームに影響を及ぼさず、かつシンプルな企画があるでしょうか?
くじ引きやじゃんけんといった予選を経て、三人で行われた決勝戦は誰かが当たりを引くまで繰り返すサドンデス方式で展開されていました。漢気全開すぎて最高!
(優勝した大学生の方はどうやら連覇したらしい・・・それは運王すぎないか?)

運王とは関係ありません

あらい祇園祭の極めつけは夜です。まず、打ち上げ花火があがります。
1発2発ではありません!周辺の町の協賛を受け、提供された花火が何発も。
町の至近距離で花火が見れるのは貴重です。

商店街のパン屋・フカツさんと花火


グランドフィナーレでは、商店街にかかる電柱を通して、ナイアガラ花火が展開されます。
このあらい商店街にとって1年で一番ハレの瞬間がこのナイアガラの瞬間なのだと思います。
何より手のかかりようがすごい…!

ナイアガラの一部分
ナイアガラの前にはこんなこともしちゃう

お祭りに来ている年齢層は小学生~高校生くらいが多かったです。それも松川町だけでなく、飯島や高森など、周辺の町や村から人が来ているほか、今年ははるばる愛知から車で来た人もいたようです。

実際にこのあらい祇園祭の主役は松川町をはじめとする長野の子供たちです。

小学校低学年のドラえもん神輿

そんな子供たちが決して参加者にとどまらず、手伝いをしている姿も見ました。
看板を持って全力で「ゴミの分別」を訴えながら、通りをあるく少年たち。小学六年生の神輿の時にも「ゴミ分別」の看板を持った子がついていて、パワー溢れる小学校六年生男児の神輿に一緒についていたのには、思わず笑みがこぼれました。

我らが小学校6年生神輿

地域の子供たちがきちんとやってきて、お祭りを楽しんでいるだけでなく、お祭りの企画や運営にも関わっている。そんな姿が見れたのは良かったと思っています。

あらい祇園祭に感じた「ちょうど良さ」

あらい祇園祭を訪れて感じた率直な感想は「ちょうど良いな」というものでした。

私自身、2024年になってから何度か東京のお祭りを訪れました。
勿論、お祭りに行くたびにお祭りそのものに良さを感じます。人で賑わい、屋台が立ち並ぶ非日常な光景。
結局、屋台で買って食べる焼きそばがなんだかんだで一番美味しいんじゃないか?なんて思ったのも今年です(笑)

但し、東京のお祭りは人が多すぎる!
時に行くのにも帰るのにも苦労する。
おそらく、そう広くない空間に屋台が並んでいることも人の多さを感じる一因だと思っています。
それゆえ、完全に偏見ですが、親子連れや小学生を見ることはそう多くない印象があります。
アクセスも良いからこそ、いろんな人も訪れることができる。だから人も集まるし、多様な人が集う。人口の多い東京ならではですし、宿命なのだと思います。

それに対して、松川町の人口は1万3000人程度。この町のスケールに合わせて展開をされているからこそ、人が多すぎない。
一方で60近い屋台が出店し、多くのコンテンツが用意されているからこそ、きちんと楽しい。

この地域の町レベルにスケールされた規模感のお祭りが東京での人混みに辟易していた私にとって「ちょうど良い規模感」であったのだと思います。

あらい祇園祭は紡がれる

祇園祭が終わった後、こんなことを聞きました。
「祇園祭りは実は一度、辞めた時期があったが、小学生の女子の『やってほしい』という声を受けて、復活をした。これだけの人が来てくれる機会である以上、これからも継続をしていかないといけない」

松川町の場合は町を盛り上げようとする熱心な人たちがいるからこそ、一度取りやめたお祭りが復活した。
実際に人が集まり、盛り上がっている。

一方で地域によってはお祭りを諦めざるを得なかった地域もあるのでは?とふと頭をよぎる。

SAGOJOの南信州クリエイティブコミュニティを通じて、松川町との関わりがあったからこそ、本来、自分にとって縁のなかった松川町のお祭りに来ることが出来た。

そこでの体験は、東京に対する非日常として非常に価値のある体験だった。
早くもこの夏の大きな一つの思い出が出来た。

来年もあらい祇園祭には来るのだろうか?
数ヶ月前には想像さえしていなかった今を過ごす自分としてはもはや何もわからないが、きっとこのお祭りにもまた来る気がする。

おかしの国フカツ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?